↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夫が隣国の聖女と「運命の恋」に落ちました~離縁され激怒した青炎の聖女は何をするかわからない!厄災を振りまき自首しました~  作者: カンテラ澪


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/14

9 元夫と運命の恋人、仲良く国外追放です

⌘

王都フォゼット公爵邸。離縁から十日目。


公爵邸の頭上にだけ黒雲が垂れ込め、雷鳴が鳴り続いていた。

太陽は一切差さず、草木は枯れ、怯えた馬は王宮の厩舎へ移していた。


そして……


「アルバートさまぁ、何とかしてください」

「そうは言っても、これはマリーヌの仕事ではないか」


「えーなぜですかぁ」

「公爵家の結界は、妻である聖女の役目だ」

「そんなこと、聞いてないです」

「だから、今言ってるだろう。私も兄上の執務の補佐があるのだ。屋敷のことはマリーヌの役目だ」


マリーヌが膨れっ面をする。

「できません」

「できないのではなく、するのだ」

「できないから、できません。それに古いドレスばっかり。宝石だってないじゃないですか」


「スカーレットに置いて行けと言ったぞ」

「小さい宝石ばっかり、ドレスは聖女のローブばっかり」


「いい加減にしなさい。君は馬鹿なのか。スカーレットは結界を張って、屋敷の采配もしていた。それに元から地味で、ドレスや宝石がないなど、文句を聞いたことは一度もない!」


「言わせておけば、スカーレット、スカーレット、スカーレットって!あの性悪女のことばっかり!私は結婚してあげたんですよ」


「スカーレットと別れてほしいと言ったのは、そっちではないか!」


「もーーーーう」

ガッシャーーッン!


マリーヌがガラス製のランプを床に叩きつける。


「お前、これは王家に伝わる由緒あるランプだ、不敬も大概にしろ!」

「ベーだ、こんなランプ、お腹の足しにならないもん」


「旦那様、王城から書状でございますが」

家令が間に入った。


「……わかった。それより、この役立たずの女を、騎士に命じて追い出せ!いいな」

「旦那様、それが、騎士が今朝、全員退職いたしました」

「なんだと」


王都公爵邸から、使用人の姿が、この数日でどんどん消えていた。

スカーレットがしてきた給金の支払いも、マリーヌはわからないと言い張って何もせず。

先行きに不安を感じた使用人達も、さすがにマリーヌには仕えられないと職を辞し、スカーレットの実家ブルーレ伯爵家や、カラバリ女伯爵家を頼って出て行ったのだ。



⌘

王城の国王の執務室。


「アルバート、いくら弟でも庇いきれん」


「兄上、面目ございません」


「お前は隣国に婚約者がいてヒールしか出来ぬような聖女と不義をはたらき、その上、妻とは白い結婚。国一番の聖女を追い出し、公爵領を魔獣だらけにし、領民を危険に晒した」


「兄上、領地の魔獣は一箇所にまとまって棲みついているだけで」


「ほう、棲みついているだけ、だと?」


「いえ、討伐すれば」


「もう言い訳は聞かぬ!公爵領は王家直轄とする。爵位を剥奪し、王族籍からも除く」


「兄上、それはあんまりです。全てはあの女が、子が授かったと嘘を」


「それももう良い。運命の恋の相手なのだろう。妻を連れて、この国から出て行け。二人で手に手を取って、どうにかするのだな。そして二度と、この国の土を踏むな」


「しかし、スカーレットは」


「王都の結界が切れる前に、スカーレットは私が頭を下げてでも探し出す。お前はもう関わるな」


アルバートは深く頭を下げたまま、考えていた。

スカーレットを連れ戻せば、兄上もきっと許してくださる。



ロベリア国王が、弟のアルバートの姿を見たのは、それが最後だった。



⌘

そして、巷にはたくさんの噂が流れていた。

「公爵領の厄災は天罰だったらしい」


「隣国のカート領は青い炎で恵まれた地になった」


「青炎の聖女様は、隣国で恵みを授けている」



そして『運命の恋で結ばれた二人』は、ヴァルカンのカート男爵家を目指したのだった。



ブックマークや評価をいただけると、今後の創作の励みになります。

*・゜゜・*:.。..。.:*・・*:.。. .。.:*・゜゜・*

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。