↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夫が隣国の聖女と「運命の恋」に落ちました~離縁され激怒した青炎の聖女は何をするかわからない!厄災を振りまき自首しました~  作者: カンテラ澪


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/14

11 青炎の聖女、断罪の場で青炎を放ちます

⌘

ヴァルカン王国での日々。


殿下に一任するとお約束して、体力が全て戻るまでに、しばらくかかった。


一日の半分は、レイヴァン殿下の執務のお手伝いで福祉予算の補佐をし、王妃様のお手伝いで修道院や孤児院の視察や炊き出し、ヴァルカンの神殿では、聖女達への治癒魔法や浄化魔法の指導もした。


少しでも役目を果たしていると気が紛れた気がする。



⌘

そして完全に復調したと侍医から告げられたのは、あと四日ほどでロベリアの結界が消える頃だった。

同時に、ヴァルカン国王立ち合いの元で、今回の一連の裁きが言い渡される日でもあった。


「スカーレット嬢、裁きには身元確認のために、立ち会ってほしいが、辛ければ」

殿下は気遣ってくださるけれど、ケリをつけなくては。


「いいえ、大丈夫です。わたくしも当事者ですから」

「わかった、では」

殿下のエスコートで裁きの間に入る。



中央には国王陛下と王妃陛下。

そして裁きの間の傍聴席にはヴァルカンの主たる貴族たち。この国の神殿長、これまでに指導してきた聖女たちもいた。


そして罪人の席にいた四人の中に、元夫アルバートと、聖女マリーヌがいた。

なぜ、ヴァルカンにいるの?

顔を見た途端にめまいがしたけれど、隣にいたレイヴァン殿下が背中をそっと支えてくれた。


法務官が罪状を並べていく。

カート男爵家の陰謀、実行したのは王家を裏切った影ブラック。

ブラックは孤児で、男爵家の孤児院で影になったらしい。

情報操作と、ロベリアで研修中のマリーヌとの連絡役。


そしてアルバートとマリーヌは、既に裁きを受けてロベリアから追放されていたところを、国境で捕まったらしい。


申し開きで、皆が口々に声高に主張する。


「私はお父様に言われただけよ」

「お前が馬鹿な娘だから、失敗したんだ」


「アルバート様が何も買ってくれなかったからよ、ケチな男」

「お前が馬鹿だからだ、スカーレットは何でもできた」

「可愛げのない青炎の聖女なんて、浄化ばっかりで、愛されなかったくせに、私は愛されたわよーだ」


「スカーレット、僕と一緒に国へ帰ろう、お前が一緒なら、兄上も許してくださる。もう馬鹿なマリーヌとは別れる」

「何よ、アルバート、あんな枯れ木は抱く気にならないって言ってたくせに。白い結婚だったんでしょ!今更」


傍聴席もざわつき始める。


「っ」

この二人、もう許さない。私は手を挙げた。

「異議がございます」


「スカーレット・ブルーレ、申してみよ」

「聞くに耐えません。僭越ながら、わたくしは青炎の聖女でございます。わたくしも当事者ではございますが、青炎の浄化でまずは選別をお願いしたく。心清き者には、全く害がございません」


法務官が国王を見上げる。


「ロベリアの筆頭聖女であり、我が国の聖女の指導者でもあったな。青炎の聖女よ。試してみるがよい。傍聴席に邪なものがいたらどうなるのだ」


「青炎からは逃れられません」


「それはよい、後ろめたいものは退席せよ。そのくらいは許してやろう」

懐の深い陛下だわ。

二人ほどがこっそりと出ていくのが見えたけれど、きっと後で捕まるわね。私には関係ない事だけれど。


「始めよ、青炎の聖女よ」


私はその場で跪く。


~穢れた心を持つ者全てをこの青なる炎で焼き払え。

何も残さず、ただ愛しきものだけがその姿をとどめよ~


目に見えてわかるように。

青い炎は、床を這うように部屋中に広がっていく。

陛下と王妃さまにも炎は走る。そしてお二人を包んだ炎は光り輝く青になる。

そばで私を支えるレイヴァン殿下も青く光り輝く。

ああ、この方々は。

この国は安泰ね。


そして傍聴席にも。皆、青の炎で包まれる。神殿関係者の席の周辺も少し光っている。


そして騒ぎ出したのは罪人の席の四人。

「いやーー、何これ、あっちいけっ」

「痛い、痛いぞ。やめてくれっ」


青い炎が消えた時、罪人たちは、頭も眉も、全ての毛髪が消えて、両の耳たぶにはくっきりと、青い×印がついていた。


レイヴァン殿下が私の手を取って、立たせてくれる。

「スカーレット嬢、瞳が一瞬、金色になっていたぞ」

嘘。またやっちゃった。


「それに、あの耳の印は×か」

「はい、罰の×です」

殿下が私の手をぎゅうぎゅうっと握る。

そんなに笑わなくても、わざとじゃないわ。


⌘

断罪。

罪は重かった。

カート男爵家は爵位剥奪、領地没収の上、男爵は処刑。

その他の一族は辺境での労役に。

アルバートとマリーヌは、ロベリア王国での処分が決まっていたので、ヴァルカン国からも追放。

ブラックは処刑。


「ちょっと待ってよ、私は聖女よ、スカーレット、何とか言いなさいよ、聖女仲間でしょ」


この期に及んでみっともない。声が震えそうになる。

でも言わなくては、私の決意、終わらせる。


「マリーヌ、あなたはもう聖女ではないわ」

「そんなことはないわ、ヒール、ヒール、ヒール!あれ」

マリーヌの手からは何も出なかった。


「スカーレット、僕は騙されただけなんだ、一緒にロベリアへ戻ろう」

「わたくしの名を呼ばないでください。それにわたくしのような枯れ木にしがみついて何になるのですか。あなたは約束を破った!それ以上でも、それ以下でもない、もう生涯、関わらないでっ。終わりです」


私はアルバートから背を向けた。


それを合図に、四人は即刻、その場から退出させられた。

運命の恋人は馬車に乗せられて国境から追い出されたそうだ。


聖女マリーヌの色仕掛けはあまりにも両国に大きな傷を残した。


「スカーレット・ブルーレ。見事な青炎であった。そなたから申し出のあった両国に結界を張ることを許可し、ヴァルカン王国での暮らしを保証しよう。詳細は我が弟レイヴァンに従いなさい」


「陛下のお慈悲に感謝いたします」



「スカーレット嬢、よく乗り越えた。ゆっくりさせてやりたいが、ロベリアの結界が切れるまで時間がない」

「心得ております、殿下、お願いいたします」


そして、レイヴァン殿下の愛馬に同乗し、騎士団護衛の下、両国の結界を張るために、不眠不休でカート領の国境へ向かった。

ロベリアの民を守る結界が切れるまで、もう時間がない。


次回、最終話。

青炎の聖女の次の旅を、見届けていただけたら嬉しいです。


たくさんの評価ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
>「はい、罰の✖️です」 絵文字はちょっと嫌。 あと罰(バツ)と✕(バツ)は日本語の同音異義語ですけど、異世界の言語でも同一なんです?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。