新人研修(3)『飛んでくるならフラグを立てろ!』
エルフの賢者は水の精霊に賢者の弟子に綺麗にするように告げると、校庭にあった川が流れが変わり、宙に吹き上げまるで滝のように賢者の弟子に降りかかった。
「ぼべっ、どばっ・・・ちょっ、強すぎっ!
流される!どひゃっ」
賢者の弟子は、水の勢いに追いやられ、泥の上を流されていく。
・・・
「賢者の弟子さんは相変わらずみたいですね」
ミエはその光景を見て苦笑いを浮かべてノヴァに話すと、ノヴァも苦笑いを浮かべて「そうですね」とうなずいた。
エルフの賢者の姿に気づいた研修の職員の一人が外にかけ出た。
「エルフの賢者様ぁ
魔物の数についてお伝えしたい事がぁ」
その男は身長が130cmぐらいでドワーフ族のような背格好なのに、髭を生やしておっさんっぽい。
「どうしたの?」
「魔物の数が70万ほどでして、
今回の研修生は1人につき10万程度の魔物を
倒していただく事になるんですが」
「・・・はっ、10万?!」
水に流され少し離れた所で立ち上がった賢者の弟子がその数を聞いて、驚きの声をあげた。
やばい、うちの賢者様はこういうの面白がって、いいわよぉっとか簡単に言っちまうタイプだ。
賢者の弟子は慌てて、エルフの賢者が浮いている場所にかけていく。
「70万?
たった70万しかいないの?」
エルフの賢者は、魔物の数を聞いて驚いている。
いやいや、70万って言ったら結構な量だよ。
それを1人10万倒すって、どんだけブラックな研修なんだよ。
「ちょっ、賢者様。
その魔物の数は多すぎだって、
そんなにたくさん倒せないって」
「魔物なんて倒すのは簡単よ。
あいつらは命の精霊のみが中に入ってて、
精神体が入ってないんですもの」
「いやいや、そうだとしても、
俺魔法使えないんですよ。
剣とか使った肉弾戦でしか戦えない
俺という存在を忘れてますよね。。」
エルフの賢者は、手のひらを叩く。
「それじゃあ、今回は魔物退治はなしにして、
私たちが研修生の相手をするってのはどう?」
・・・魔物70万と賢者様...どっちも地獄じゃねぇか...
「ねぇ、そうしましょ。
その方が、研修生たちもきっと楽しいと思うわ」
エルフの賢者は、建物から出てきたドワーフ族のようなおじさんに話をすると、そのおじさんはあっさりの「わかりました」と言って、建物の中に入っていく。
「そんなあっさり、いいのかよ、それで。。。」
エルフの賢者は賢者の弟子のすぐとなりに降りてきて、
「私たちに逆らうような人が、この世界にいると思うの?」
・・・ああ、そうでした。賢者様に意見をいう人なんかいませんよねぇ。
エルフの賢者は、窓から顔を出している研修生たちに笑顔で手を振っている。
ことわざかなにかで、親の気持ち子知らずってのがあるけど、ここは弟子の気持ち賢者知らずって感じだよ、ったく。
「ってか賢者様、おれびしょびしょなんですけど、
なんで今回はあの黒い玉みたいなので吸い取るとか
してくれなかったんですか?」
「あれは闇系統の魔法だから、
みんなが見てる前では使えないのよ」
闇系統の魔法?
「えーーーーんちゃーーーーーーん!!!」
「んっ、ぶげぇーーー」
空からエルフの賢者を呼ぶ声がして、慌てて賢者の弟子が声をした方向に振り返ると、海の賢者がものすごい勢いで飛んで、いや投げられてきた。
賢者の弟子はそれに気づいた時にはもう避ける事もできず腹部に激突。
賢者の弟子は、その勢いで吹き飛ばされ建物の一階に激突した。
・・・なっ、なんなんだこの展開。
なんもフラグ立ってない段階で登場してくんなよ...
「いや〜、君の肉体を強化しておいてよかったよぉ」
起き上がって、となりを見ると土まみれの小人の賢者が立っている。
「おまっ、おまえ裏切りやがって、
なんで俺だけがひどい目にあわされるんだよ!」
小人の賢者につかみかかろうとすると、腕の間をするっと抜けて
「ちゃんと肉体強化してあげたよぉ」
と小人の賢者はエルフの賢者たちがいる方向に逃げていく。
「あいつ・・・
だいたい走るの遅いくせにどうやって、
辿りついてんだよ。
それになんであいつあんな土まみれなんだ?」
エルフの賢者の元には土まみれの小人の賢者と飛ばされてきた海の賢者、そして飛んてきた空の賢者の4人が集まっている。
・・・まともな姿の賢者が2人しかいないって、研修初日からどうなってんだよ...
4人の賢者の元に、さきほど建物の中に入ったドワーフのようなおっさんがむかていく。
ドワーフのようなおっさんの手には地図らしき物が持たれている。
「賢者様の数が増えてますが、
それではこちらの魔物の退治をお願いします」
「ええ、私たちに任せておいてちょうだい。
それにあの子たちに
私たちの力を理解してもらういい機会だし」
エルフの賢者は建物を見つめて笑みを浮かべる。
「わかりました。
それでは皆さんの見学に行くという事で、
手続きしておきます」
ドワーフのようなおっさんは、エルフの賢者に頭を下げてまた建物にむかってかけていく。
あの人もなんか大変そうだよなぁ。
この世界の中間管理職って感じで、賢者のわがままで手続きとか。
なんだかとても親近感がわく。
体系がドワーフ族ということは、なにかとドワーフ族とのハーフなのだろう。
どこからのドワーフ族の長はとんでもない問題児だけど、
あの人はきっとまともな人なんだろうなぁ。
「ねぇ、いつまでそんな所にいるのよ?
魔物退治に行くわよ」
エルフの賢者はこっちに来いと手を振っている。
「いやいや、いくらなんでもいきなりすぎだろ?
せめてみんなに自己紹介とかやってからじゃないのかよ」
「なに言ってるのよ。
もう私はここに来てる子たちとは、
もう何回もあってるわよ」
・・・はいはい。わかりました。
知らないのは俺だけっていつものパターンね。。。
立ち上がって、自分の身体をみるとさっき洗ってもらったのに泥だけになっている。
そりゃ水洗いして、乾かさずにこんな吹っ飛ばされたこうなるわなぁ...
とりあえず大きな塊だけ手で払いのけ、エルフの賢者の元へと歩く。
賢者たちの視線が突き刺さる。
いや、これどっかの誰かさんが突っ込んで来たからだからね。
俺がなんかドジしたとかじゃなくて...ってなんで俺がこんな目で見られないといけないんだよ!
「はいはい。わかってるから、
拗ねてないで、一緒に魔物倒しにいくわよ」
「・・・はぁい」




