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異世界2日目エルフの街(6)『カゴ』

エルフの街の通りに面したカフェの中、

エルフの賢者、小人の賢者、エルフの賢者の物、騎士のノヴァ、異世界からやってきたミエ、異色ともいえる5人のテーブルには、視線(主に女性)が集まっていた。お店の出入り口には、金髪の少女と銀髪の少女の2人が立っており、カフェへの入店を断っていた。カフェの外には人だかりができ、お店は入場制限になっていたというのは、原因となった5人はまったく気にせず呑気にお茶を飲んでいた。


入場制限をおこない、女性に頭を下げ続ける金髪の少女と銀髪の少女とお店の男性スタッフ。お店の前に集まった入店する気のない女性に関しては、警備兵が緊急出動をして対応。小人の賢者の為のエルフの街の神対応だ。


「小人の賢者様もいらっしゃいますので、城よりかごを運ばせています」


ノヴァに対して、店の中に入ってきたエルフの警備兵が連絡をいれる。


「かご?果物とか入れるかごって、

 いくら小人の賢者でもかごには入らないでしょ」


ノヴァに対して、思わずツッコミをいれてしまった。

「君は勘違いをしているよぉ。

 かごはかごでも人を運ぶかごだよぉ」


エルフの賢者が笑みを浮かべて教えてくれたが、わからない。


かご・・・人を運ぶカゴ?

異世界の乗り物はまだ全然みてないしな。

どんな乗り物なんだろ。


「時代劇なんかで、お姫様なんかを運ぶ駕籠ですよ」


ミエがクスクスと笑いながら教えてくれるが、頭に思い浮かぶのは男2人で担ぐ駕籠だ。


・・・魔法のあるこの世界で駕籠?


店の外をじっと見つめていると、

確かに時代劇で出てくるような駕籠がきた。

ただ・・・浮いてる。人が持ってない。

しかも、もしかして自動運転。


「なんであんな物がこの世界にあるんだ?」


「あれぇ。

 前に君たちの世界に行った時に、

 ニャゴヤジョォって所に遊びに行ったんだぁ。

 そこで見つけてピピピッってきて作ってみたぁ」


犯人は、おまえか賢者!!!

どうも、うちのお師匠様は自分たちの世界の物が好きようだが、

ずれてる。確実にずれてる。

人が持たないなら、前と後ろに伸びてる棒は必要ないだろ。

あれを、人がどうやって使うのかまでちゃんと理解しないで作ったんだろっ。


店を出て、誰が駕籠の中に入るかを決める。

まずは、小人の賢者は確定。

ただ、あともう1人入れそうだ。


本来ならエルフの賢者を乗せるのだろうが、


「すいません。

 エルフの賢者と小人の賢者をこんな密室に閉じ込めておくのは、

 危険だと思います」


ノヴァに対して、エルフの賢者を乗せないように頼む。

ノヴァは既にわかっていたようで、ミエを呼び、乗るように勧める。

まあ、女性優遇の街です。男である自分に乗ってくださいとは言わないよな・・・

エルフの街の往来を歩く5人と宙に少し浮いた状態で動く駕籠。

西洋っぽいデザインの町並みに、どう考えても駕籠があっていない。

エルフの賢者の美的感覚はかなりおかしな方向に行ってるようだ。


自分は、ノヴァにどうしても聞きたい事が聞き出せずにいた。

横を歩く、エルフの賢者に視線を送っているのだが、ガン無視されたままである。


「ダメ?」


「ダメェ」


やっぱり聞いてはいけない事なのか、実に気になる。


心を読まれているので、エルフの賢者には内容を話す必要がない。

考えれば伝わっているのだ。


金髪で、肌も白く、目鼻立ちも良い。

もうはっきりとした美形である。

しかも、紳士なのだ。

なのに、身長だけが160cmもないぐらいの高さなのだ。

エルフの賢者も身長が低く、おそらくは150cmないだろう。

エルフと言えば、長身というイメージが強かったのだが、

この世界のエルフは人間でそっくりで、人間より慎重が低い。


・・・となりから殺気を感じるので、この先は考えないようにしよう。


お城へ続く橋の前に到着。

でかい。城の横幅はゆうに100メートルを超えているだろう。

お城の外観は、夢の世界とはかけ離れており、

古い大学や修道院などの宿舎を思われるようなデザインだ。

街が暖色系だったのに対して、お城の色は城と灰色で、石とコンクリートで作られているように見える。

建物の周りは堀に囲まれているが、水は張られておらず、一体どこまで底がわからないぐらいに深い。


これ、落ちたら確実に死ぬな・・・


「ここから先は駕籠は禁止されておりますので」


金髪の少女らと先頭を歩くノヴァが足を止め駕籠の中の小人の賢者とミエに話しかける。


ノヴァが駕籠の扉を開けると、小人の賢者が飛び降りるようにおりる。


「なかなかいい乗り心地だったよぉ」


小人の賢者は笑顔を見せるが、頭に赤いシミがついている。

その赤いシミに気づいたノヴァが慌てて、駕籠の中を確認すると、

ミエが鼻血をだして気を失っている。


ああ、そうだった。この小人と女性を密室に入れるなんて。


ノヴァと目が合い、2人そろってため息をもらす。

ミエはノヴァにお姫様抱っこされ入城する事になった。


異世界に来て、お城への初めての入場がノヴァにお姫様抱っこなんて、完全にお姫様ポジじゃねぇか・・・

なんで、そんなお姫様ポジのおいしい役回りがこんな身近にいんだよ。


自分がもし・・・


エルフの賢者の笑顔が目に入り、これ以上の事を考えるのをやめた。

エルフの賢者は小人の賢者を片手で持ち上げ門の方向を見る。

正直、ドワーフの街でこれをやったら相当もめる。

国際問題に発展する。

エルフの賢者の小人の賢者の扱いは、

自分たちの世界だったら間違いなく問題視されるレベルだ。

ノヴァが注意しないのが謎で仕方ない。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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