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幽閉王女は考える。「うん、これから考えよう」  作者: 池田ん


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28/32

続 28


直前にこんなサプライズいらなーい。

サプライズって、する方は楽しいかもしれないけど、される方はそれほど嬉しくはない。……と思ったよ。


ベッドに腰かけた私の手を女性のエレッチェさんが、エイリンさんの手をロイスカー先生が取り、脈を測る。そのあと、首筋を触ったり、べろっと出した舌を見たりと健康状態を確認。聴診器がないだけで、お医者さんだよね。あっ、王宮主治医だった。


二人とも問題はないと言われて、ベッドに足を上げる。

キングサイズとはいえ、ベッドに二人で寝るのか。掛け布団は一つなのかな? 寝相ってどうなんだろう。なんか変なことが気になり始めちゃったよ。


「それではこの薬を飲んでください。少し苦くて飲みづらいと思いますが、全部飲み切ってください」

ミリネリンヌさんの言葉に合わせて、女性薬師のマロイッチさんが、コップを渡してきた。

エイリンさんと一緒に受け取ったけど、こんなにまずそうな緑色だったかな。

ちょっとドロッとした感じ。青汁だと思えば大丈夫かな。


エイリンさんが先に口にしたので、私も慌ててコップに口をつける。

んー、んー、っ? ちょっと苦いくらいで、案外飲みやすかった。

あー、でも少しだけ、舌がピリピリきてる。


コップをマロイッチさんに返すと、ミリネリンヌさんから声がかかる。

「さあ、横になってください。じきに眠たくなるはずです」


「エイリンさん、手をつないでいい」

「はい」

エイリンさんは素直に私の伸ばした左手を軽く握ってくれた。


これは事前にエイリンさんとロクセーさんに頼んでいたことでもある。眠りにつくときと解毒薬を使うときの二回、二人のどちらでもいいから手を繋いでほしいとお願いしていた。

まあ、エイリンさんとこんな形で手をつなぐとは思っていなかったけど、まあ良しとしよう。


エイリンさんもこの世界ではもうおばあちゃんだ。私がこうやって誰かと手をつなぐのは、初めてかな。

あっ、ヴァルネさんと握手したんだっけ。まあ、初めてでも、二回目でもいいや。

んー、でも、馬車から降りるとき手を取ってもらった?

はあ、こんなことを気にするなんて……。


それより、もう一つお願いしていたことが……。


「あれは?」

小声でエイリンさんに問いかけると、頷きながら、目線をベッドの脇に立っているロクセーさんに向ける。

ロクセーさんが私に頷いたので、私もロクセーさんに頷き返した。

でも、もう、瞼が閉じそうだよ。


唇が痺れてきて、足が冷たくなってきた。

ふと、今さら、疑問が沸き上がる。

「あの、解毒薬、どう、飲ませる……」

眠くなってきたけど、頑張って、ミリネリンヌさんの方に顔を向ける。

仮死ならさ、飲み込むこと、できない?


「ああ、それは注射で体に打ちます」

ミリネリンヌさんはにこやかに答えたけれど、なんとなく悪い顔に思えた。


注射……前世のような、細い、針、作、れな、い、の、では……。




意識が沈んでいく。

瞼も開けていられない。

唇はもう動かせない。


ああ、この感覚をエルネシアも経験したんだな。

辛くて悲しかっただろう。



でも、もう大丈夫だよ。

あなたの心配することは、もうないよ。

待っている人が、たくさんいるよ。

だから、もう起きようよ。


きっと、幸せに、なれる……。


ここまで読んでくれて、ありがとうございます。


もし気に入っていただければ、下の☆☆☆☆☆に評価をいただければ励みになります。


もう少しで完結します。

最後までお付き合いいただければ、嬉しいです。


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