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幽閉王女は考える。「うん、これから考えよう」  作者: 池田ん


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19/32

続 19

この文章には残酷な表現が含まれています。


「えっ、どこ」と思われる方もいるかと思いますが、

少しでも苦手な方は、お気を付けください。


※誤字修正しました。


私はここのところ、ずっとってほどじゃないけど、よく考えていたのは、あの男のこと。

ほら、ストーカー野郎!


「私は疑問に思ったんです。塔に侵入したあの男、隣国の外交官でしたよね。自白した限り、エルネシアを手に入れるためにかなり計画的だったと聞いています。詳細までは私には届いていませんが、そんな男が、幽閉されてから二か月も待ったのはなぜでしょうか」

「それは警備が……」

王妃様も断言できるわけではないのだろう。声が小さくなって言いきれていない。


「もし、この国の伝統として毒杯と言う処罰の方法は知っていたけれど、その中身までは知らなかったとします。エルネシアを死なせるわけにはいかないと、独自の眠り薬に入れ替えていたら。王家の方が、エルネシアを守るつもりの仕掛けと同じことを計画していたのではないかと考えました」

「しかし、どんな――」

「例えばですが、仮死状態から自然回復することはなく、解毒薬を飲ませなければならないとか」

元ネタは白雪姫。王子様のキスで目が覚めるなんてお伽噺じゃなくて、解毒の方が現実的だと思う。でも、捕まえたとき、なにか薬みたいなものは持っていなかったはずなので、その作戦は失敗したと考えて、強硬策にでたんじゃないだろうか。


もしかすると、陛下たちの考えが漏れていて、その別荘に移動してから誘拐する計画だったかもしれない。

そうなると、かなり陛下の近くにスパイがいるってことだけど、それを調べるのは私じゃない。


そんなあれこれも瓶に残っている薬を調べれば、結果がわかるでしょう。

三か月くらい過ぎてるけど、腐ってないよね?


「侵入犯は処刑されたと聞きましたが」

「正しくは処刑ではない。牢屋で息絶えていた。詳しい話を聞きたいかね」

「はい。あっ、でも、あまり生々しいのはパスで」

「『ぱす』? よくわからんが、其方の中身がどうあれ、エルネシアに詳細を語りたくないな」

つい前世の言葉を使っちゃったよ。スルーしてくれたからセーフ。


「あれは、牢屋の中で死んだ。役人が調査でつけた傷以外なかったようだが、心の臓に刃物を刺してから、牢から運び出し、罪人として焼却した」

そういうことか。万が一を考えて、確実に死ぬようにしちゃったんだ。

でも、これ以上真実を語る口がなくなっちゃったけど、どっちがいいのかな。


「もちろん彼奴と内通していたものは捕えている。全てかどうかわからないが、徹底的に行う」

本気で怒ってるんだって感じるよ。

さすが王様。迫力があって、私もびびっちゃった。


「それで、その、こちらではエルネシアだと思っていたのだが、其方自身が塔に残ることを望んだこともあり、警備を増やした上で、無理に王宮へ戻すことはしなかった。側回りも妃の手の者の方が安全だろうから、あえて変えなかったが、それが互いの利になったようだな。手紙が無視されたのは戸惑ったが、ようやく腑に落ちた」


話していてわかったけど、この人は――この二人ともかな、やっぱり王様なんだなあ。私的には政治家? 親としての情はあるけど、混乱してもすぐに平静を装えたり、決断が速かったり、冷徹に政治的な判断ができるって印象。

JKには無理だけどさ。


私の話も、鵜吞みにはしてないよね。ひとまず聞いてるって感じがする。感情的になるのが嘘とは思わないけど、その一方で色んな可能性を考えているように見える。

私一人だったら、もっと疑われていたんだろうな。今は置物状態だけど、アドレーヌを連れてきて正解だった。

アドレーヌはこの会談後に尋問されるかもしれないけど、ホントごめん。


だいぶ言葉が乱れちゃったけれど、始めの約束を守ってもらえそうなので良かったよ。

ただの願望かもしれないけれど、毒杯改め仮死薬を特定することがエルネシアの魂を元に戻す可能性が高いと思っている。

陛下の方で色々調べてもらう約束をして、塔に戻ることになった。


お互いの思惑もあって、塔への出入りの人材は今まで通りだけど、塔周辺の警備は増やすことになった。それは同意するよ。

でも、壁に隠れていた人たちが来るなら、ちょっと怖い。

私の事、恨んでないかなー。


あと、私が塔にいる間は、アドレーヌがメインの護衛騎士――は言い過ぎ、メインの護衛兵士? になることも許可をもらえた。


「良かったじゃん、騎士になれたよ」とアドレーヌをからかったら、「騎士ではありません。兵士です」って真顔で訂正されちゃった。

身分制度、難しい。


リネン室経由でまた着替えて塔に戻る。

やっぱりドレスは窮屈だ。今度、平民用の服をお願いしようかな。



ここまで読んでくれて、ありがとうございます。


これからもお付き合いいただければ、嬉しいです。

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