続 12
連載を再開しました。
一応、今までのあらすじっぽい内容になっています。
ちょっと主人公の表現が怒りあらぶっていますので、苦手な方はお控えください。
私はエルネシア。リュゼンティア王国の第一王女エルネシア・アルフェリド……の肉体を借りている『相良愛子』。
日本人。十七歳のJKの記憶がある。
なぜか――そんなの知らない!
エルネシアの魂? は眠りについたまま、『相良愛子』の魂? 精神? らしきものがこの体を動かしている。寝て、食べて、トイレに行って……って、恥ず!
王城の裏の方にある罪を犯した王族専用の塔に住んでいます。
最上階は、えーと、マンションとか学校の四階くらいの高さ。窓には灰色の鉄格子がついているので、地面を覗くことができないけど、そんな感じでしょう。
広いよ。快適。だから監獄って感じは、あまりない。
……ないわけじゃない。
それが鉄格子。
全ての窓についているし、入り口にもしっかりと鍵付きでデーンと構えている。
まあ見慣れちゃえば、ただの飾り……は、ちょっと言いすぎだけど、正直今は気にならない。
だって、部屋の外はもちろん塔の外にも出ることができるから。
扉の前にある鉄格子にカギはついている。
今は、外から掛けるカギは開いたまま。新しくつけたのは内側から掛けるカギ。それは私がここにいるとき、必ず掛けるようにしている。
だって怖いじゃん、変質者。
私、ストーカーの被害者なんだけど。普通に腹立つよ。
おちゃらけていられるのは、いや怒っているのはホントだけど、犯人が捕まったから。
日本みたいにぬるくないので、かなり重い処分になったらしい。余罪や国がらみの色々があったみたいだけど、私が安心して暮らせるならいいや。
そう考えると、日本って、犯罪者に甘いよね。
犯罪者にも権利があるとか、更生の機会が必要だとか、日本にいた頃はニュースで聞いても「そういうものなんだ」と思ってた。
でも実際に被害に遭うと、そんなに簡単に割り切れない。
被害者側になると、考え方って変わるんだなあ。
もともとは妹王女と『癒し』の権能をもつ令嬢への殺害未遂容疑がかけられて、抗弁も聞いてもらえずエルネシアがこの塔に幽閉されたんだけど、その容疑も冤罪とわかって、無事解決……なわけないじゃない!
私は怒ってる。
だって、エルネシアは毒杯を飲んで、死ぬつもりだったんだよ。犯罪を認めたからじゃなくて、無実を誰にも信じてもらえない状況に絶望したんだから。
この肉体が生きているのは、運が良かったから?
でも、エルネシアの魂は、今はいない。
死んだわけではないと思う。ただ、この体の中の奥の方に縮こまって殻のようにギュッとなって拒絶しているだけ。
まあ私の印象だから、真実はわからないけど、魂がこの体にまだあると感じている。
そして、私は、どうすればエルネシアの魂を元に戻せるのか、ずっと悩んでいる。
私自身が混乱していた、というかまだ絶賛混乱中なので、どうも考えがまとまらない。
この国のトップ・オブ・トップでエルネシアの幽閉を決めた国王や、エルネシアに恨まれた被害者だと信じこんだ年下の王女とか、エルネシアに「愛していなかった」と吐き捨てた貴族のボンボンとか、『相良愛子』には関係ない人たちじゃん。
父親で国王? 可愛かった妹? 愛していた婚約者?
それはみんなエルネシアのもの。
私はエルネシアを貶め苦しめたこの人たちを許せない。許したくない。
でも、これは『相良愛子』の気持ちであって、エルネシアが望んでいるというわけではない。
SNSでよくいる善意の押し売りとか正義の味方面した人たちと同じじゃない。
自分は正しいと信じて、短絡的に「悪」を決めつける自称善人の愚か者。
そんな思いがぐるぐるしてさ、何が正解かわからないんだよ。
私がみんなを罵倒するのは簡単だけど、その後エルネシアの魂が戻った時、それがエルネシアのためになるのかわからない。
だから私は筋トレする。
腕立て、腹筋、スクワット。
筋肉は嘘をつかない!
……王女としてそれでいいかは、ちょっと脇に置いておくよ!
この作品をみつけてくれて、ありがとうございます。
ここまで読んでくれて感謝いたします。
今後も楽しんでいただけるよう、頑張ります。




