成功
俺達は祝杯をあげアルの作った料理でお祝いをしていた
「うまい!」
俺はステーキを頬張りながら声を上げた。
「アルが作る料理、絶品だな。うますぎだろ!」
「本当?」
アルは嬉しそうに笑った。
「うん、めちゃくちゃうまい!」
アルはすっかり上機嫌になり、俺たちはしばらく料理を楽しんだ。
ふと、俺は自分の指にはまった指輪に目を落とす。
「そういえば……この指輪、いつ外れるんだろうなあ」
アルが顔を上げる。
「僕の魔力が馴染んだら外れるんだろ?」
「うん」
「どれぐらい馴染んだ?」
その瞬間、アルの表情がほんの一瞬だけ曇った。
「……リクは、早く外したいの?」
「そりゃ、つけ外しできる方が便利だろ。早く魔力も馴染ませたいしな」
俺が何気なく答える。
するとアルは少し考えるように黙った。
「じゃあ……」
そして、顔を上げる。
「もう少し多く魔力を流して、馴染ませてみる?」
「え……」
「早く馴染んでほしいしさ」
アルはそう言って笑った。
俺はその提案に、なぜだか嫌な予感を覚えた。
けれど――何を警戒しているのか、自分でも分からない。
「……いいけど」
何も考えず、そう返事をしてしまった。
「ありがとう!」
アルは、とびっきりの笑顔で答えた。
「食べよ!」
「お、おう」
俺は再び箸を手に取った。
何気ない食事の時間。
けれど――なぜか胸の奥に、さっきの嫌な予感だけが残っていた。




