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一つの命の終わり……?

「では、始めましょうか」


「うん」


「そうだな」


 三人は頷き、臨戦態勢に入る。

 レリアはブレードとサイドアームのマグナムを、リレイは先程使用した盾を腕に装着し、先程のレールガンを、星流はバリスティックシールドと、アサルトライフルを装備している。


「終わったかい?」


「ええ、終わりました――」


「じゃあ、もういいね?」


 そう言ってアルファは即座にブレードを構えて星流に突進する。


「やっぱりな!」


 星流はバリスティックシールドで攻撃をしっかりと受け止める。


「くっ……」


 それでも衝撃はあるようだが、アルファの攻撃を受け止めたことに意味がある。


「凄いね、君程度で受け止められ――」


「相手は三人だよ」


 レリアが横からブレードの攻撃を入れ、アルファはそれをブレードで受け止め、その後レリアとアルファがブレードでの攻防を繰り広げる。


 それをすかさず星流が援護射撃をする、ほとんどはアルファの少し後ろを掠めている用に見えるが、これもリレイの作戦だ。『星流さんの射撃は一発も当たらなくてもいいので、レリアに当てないことを第一に考えてください。レリアと戦っている中、レリアの斬撃よりは弱いとは言え、そこそこのダメージのある射撃が自分の後ろを掠めるのはかなり気が散るはずです。本命はレリアの斬撃と、私のレールガンです』

 リレイは三人にそう説明していた。


「私もいますから――ねっ!」


 リレイはレールガンを構え、アルファを狙う。

 レリアは射撃の寸前に一歩下がり、マグナムを撃つ。

 アルファを誘導しつつ、自分へ当たる可能性を減らす作戦だ。


「くっ!」


 それでもアルファはそれを身を捻って避けるが、少し体勢が崩れる。


 そこにレリアが再度攻撃をはさみ、それが重い一撃となる。

 それはアルファの腕を捕らえ、レリアが先程受けたのと同じような傷をつけた。


「これでおあいこだね」


 アルファは過負荷能力ですかさず炎を展開し、一度姿を隠して体勢を整えようとする。

 が、レリアも同様に過負荷能力を用いて冷たい風を起こし、炎を全て消す。


「うわぉ……まるで魔術師バトルだ」


「そんなこと言っている場合ではないですよ。レリアについていって援護しましょう」


「確かにそうだな」


 後衛二人はレリアの方へ寄っていく。


「対応が早いね……でも、すぐ息切れ起こしちゃうんじゃない?」


「そうだね。でもそれまでに終わらせればいい」


 レリアはそれを有言実行するかのように、先程よりも一層早い速度でアルファに迫り、斬撃を繰り出す。

 それは受け止められるが、直後にアルファの眼前に炎を展開し、目潰しをしつつ下がり、マグナムで射撃をする。直後、レールガンが飛んでくる。それはアルファの肩を掠め、少しのダメージを与えた。


 レリアはそこで体勢を崩したアルファに追撃を与えようとした。


「これで――」




「終わりだよ」


 アルファがそう言い放った瞬間、レリア、リレイ、星流の三人の動きが止まった。


 足元から過負荷能力を用いて電撃を展開していたのがレリアには見えていた。アルファは三人の配置が整う瞬間を待っていたのだ。


 次の瞬間、アルファは星流の方へ高速で向かい、星流を殴り飛ばす。次にリレイの方へ向かい、電撃を纏った拳を顔に打ち込もうとするが、動けるようになったリレイにすんでのところで避けられてしまう。

 が、すぐに二撃目をみぞおちに打ち込み、リレイを行動不能にする。


「ぐはっ……」


 レリアはブレードでの斬撃を繰り出し、援護に入るがアルファのブレードにて軽々と受け止められてしまう。


「このっ……!」


 最大の身体強化を乗せて斬撃を放つと、今度はそれをブレードで受けたアルファの体勢を崩すことができた。


「おっと」


「うぅぅあぁぁっ!」


 レリアは悲痛とも呼べる叫び声を上げながら、地面に電撃も展開しつつ、斬撃を放つ。

 が、電撃は相殺され、ブレードも避けられてしまう。


「焦ったら駄目じゃないか」


 レリアは無理な体勢で攻撃をしており、そこの隙にアルファは攻撃を――


「――え?」


 入れられなかった。

 それは横から飛んできたレールガンによって中断された。

 その射撃はアルファの腕を捉え、二の腕を吹き飛ばした。


「なん、で――」


 レリアはその隙にブレードをアルファの体に叩き込み、それはアルファの胸を貫通した。


「――ああ、終わりか」


 アルファは自分の胸を見てそう呟いた。


「……しぶといね」


「レリアが心臓を……がはっ、外したからさ」


 レリアのブレードは心臓から少しだけ外れていたようだ。

 しかし、このような状況では死亡は確実だろう。


 数秒後、アルファの服にポタポタと血ではないなにかによるシミができる。


「――なん……で泣いてるんだい?」


「だって……こんな、別れ方なんて……」


 嗚咽が混じり、途切れ途切れの声でレリアは言った。


「覚悟は――できてるんじゃないのかい?」


「殺す覚悟はした……でも……アルファとこんな別れ方は、嫌……」


「泣かないで――俺たちは家族、だろ?――」


 そう言ってアルファの瞳からは光が消えた。


 静かなただの廃墟に成り下がった建造物の片隅に、泣き声が鳴り響く。

「ここがよくないかも」「ここが面白いかも」などのご感想等あれば頂けると幸いです。

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