表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/34

一人で戦う少女、到着する仲間

『全く、レリアはいつも一人で突っ込んでくんですから』


 ケイルから聞いたアルファの到達予測地点は、リレイの元いた場所、バリアス連邦の主要拠点だった。


「まさかここまで猪突猛進だとは思わなかったぞ……」


 星流が装備を整えながら言った。


「ところで、体を取り戻すって言ってたよな。あれはどうするんだよ」


『それですが、私の体が、アルファのところにあるかもしれません』


「流石にそんなこと……いや待て。まさかアルファがリレイの体を――」


 星流は何かに気づいた様子だ。


『察しがいいですね。私はそう見ています。私に深く関わった人間であり、私と同じ組織に所属している人間がいて、私の体があったのはその組織。多少気が触れていますが、元の記憶はあるようで、何らかの目的で私の体を連れ去ってもおかしくありません』


「確かにそうだな……あ、でも下の体に戻る方法はあるのか?」


『そこが問題です。元の施設ならばそういったことが可能になる装置もありますが、それを取っている暇はない上に、細かい操作を知っている人間も私以外いません』


「じゃ、じゃあ無理じゃないか、どうするんだよ」


『そうですね。ですから『一応』ということです。足手まといになる可能性もなくはないですが、そうなれば逃げればいいんです。アルファ相手ならそれができるはずですしね』


「ほとんど博打になるのか……」


『ですがそもそも、レリアはかなり強いです。何もしなくても勝っているかもしれません』


「まあ確かに……そうだな」


『ですが、やれることはやりましょう。作戦はこの物資を持っていき、その先の施設で私の体を探して、どうにかそれに戻る。できなければ足手まといにならないように加勢する。足手まといになるようなら逃げる、です。』


「そうだな、分かった。うだうだ行っててもしょうがないしな。行くか!」


『いざレッツゴーです! ……あ、道中の戦闘は任せましたよ』


「分か……うん?」


 ◇


「このっ……! ふぅ、終わったな」


 星流は機械獣に向けてライフルを撃ち、機械獣を倒す。

 一息ついてから、そう言った。


 外に出てから初めての交戦だ。


『たった一戦で随分お疲れのようですね』


 そう横からリレイに茶化される星流。


「うるせ、ほぼ初戦闘なんだからしょうがないだろ? まず俺に戦闘全部任せてるのお前だろがい」


『はは、そう言われると何も言えませんね。とりあえず初戦にしてはかなり良い方です。腕は悪くないようですので頑張ってください』


「お、やっぱり体補正が聞いてるのかな?」


『でも、油断は禁物ですよ?』


「分かってるって。さ、急ぐぞ」


 ◇


「よっと……なんだ、一匹で終わりか」


 星流は機械獣の直線的な攻撃を避け、銃弾を撃ち込んで倒した。


『なんだか数が少なくなってきましたね』


 先程は一度に数匹来ていたのに比べ、今は最初の頃と同じく数匹しか来ていない。


「そうだな。アルファの居場所の予測地点もかなり近いし、その影響か?」


『その可能性はありますね。ですが、それらしい施設はここからは――』


 直後、遠くから爆発音のようなものが響いた。

 方角は彼らが今いる場所から北西。アルファの居場所の予測地点の西のあたりだ。


『……どうやら、あっちのようです。爆発音が聞こえました、まずい状況かもしれません。急ぎますよ!』


 そう言ってリレイは一人飛んでいった。


「あ、おい待てって!」


 それを追うように星流も走っていく。


 ◇


 崩壊した何らかの施設。

 周りには何らかのきかいだったであろう残骸が多く転がっている。


 そんな中、二人の人物が激しい戦いを繰り広げていた。


「凄いね、今度は本気で殺すつもりかい?」


 アルファはレリアのピストルでの銃撃を余裕の表情で躱しながら、そう言った。


「そうだよ。前とは違うから、今度こそ……殺す」


 レリアは無表情のまま刀身が淡い赤色に光るブレードを持って、アルファに剣を振るう。

 アルファはそれを回避して反撃しようとするが、レリアはそれをブレードで弾いて、背中のショットガンを構えて射撃する。


「っ!」


 アルファはそれを避けようとするが、その銃弾はアルファの体を掠めた。


 そばに落ちていたサブマシンガンを拾い、それを一マガジン分片手で射撃した後に放り投げた。

 半ば乱雑に撃たれたそれをアルファはなんなく避ける。


「たくさん武器がある場所で戦ってくれて助かる」


 その後、冷たい表情のままそう言った。


「でも、それは俺にも有利に働くよ」


「生かせるかどうかは本人次第。銃はただの道具。そっちはできてないみたいだけど?」


「いいや? それに、俺はまだ本気じゃないからね」


「それは知ってる」


 レリアはアルファの右肩の辺りににピストルを数発撃った後に、右からアルファに向かって接近し、袈裟斬りでブレードを降った。


 アルファはそれを避けきれず、浅くない傷を負う。


「やるね」


 レリアはその言葉にも反応せず、ショットガンを構えて発射しようとする――が、それはアルファによる銃口の蹴り上げによって止められる。


 レリアはそれの反動によって体勢を崩し、その隙にアルファの電撃を纏った拳が飛んでくる。

 レリアはそれをブレードで受け止めた。


「っ!」


「ふぅ、流石にそれで受けられると痛いね」


 アルファの拳はシューという小さな音ともに煙を上げていた。


「さっきからずっとこんな感じだね、これを続けてどうするの?」


「……じゃあ、そろそろ終わらせ――」


『レリア!』


 その時、後ろからリレイの声が聞こえた。


「――え?」


 後ろを振り向くと、リレイが一人で顔を覗かせていた。


「なんだ、あいつか。一体何しに来たっていうんだ、ただの球体が――」


 不機嫌そうにアルファは言うが、それにレリアは割り込んで発言する。


「あれは、リレイだけど?」


「――まさか、いや、もしかして前にやってた俺の実験の影響で……なるほど。それは悪いことをしたね……」


 アルファは申し訳無さそうに言った。


「話してきなよ。何か用があるんだろうし、レリアにも休憩が必要だろ?」


「……気味が悪いったらありゃしないね。あなたはいいの?」


「俺はいいよ。レリアと同じで嫌われていたら怖いしね」


「そう……じゃ、行くから。後ろから攻撃しようなんて考えないほうがいいよ」


「もちろんさ」


 レリアはアルファに背を向け、リレイの方に歩き出した。

「ここがよくないかも」「ここが面白いかも」などのご感想等あれば頂けると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ