第4話 11の視線
リオたちの帰還は、関係者にすぐに伝えられた。
錬環区の建物の一つで休んでいると、続々と人が集まって来た。
まずはノエルとラウレンがやって来る。
ノエルがユリウスをぎゅっと抱きしめ、ユリウスは顔を赤くして離れようとする。
その様子を、微笑ましげにラウレンが眺めていた。
続いて、ジークとイゼリアも来た。
ジークがイリスの頭を撫で、イリスは満面の笑みを返す。
イゼリアは、ほっとしたように胸を撫で下ろしていた。
イゼリアの肩に乗っていたアリアが、イリスへ向かって飛び、抱き合う。
リオ、アレン、フィオナ、ヴァルセリオ。
さらに、ノエル、ラウレン、ジーク、イゼリア。
そして、ユリウスとイリス。
総勢十名と、1号を含めた十一名が集まった。
海底都市に向かったリオたちと、残った者たちとで、向かい合うように立つ。
再会の喜びを分かち合ったところで、アレンが、リオにくっつくようにして身を隠す1号の背をそっと押した。
「1号だ、海底都市で会った。科学に精通していて、古代の遺物にも詳しい。敵ではなく、瘴気問題を根本的に解決するための協力者だ。1号がいれば、瘴気の発生を抑えるだけではなく、減らす方法も見つけられるのではないかと見込んでいる」
そう、一息に言い切る。
息を呑む音だけが、室内に残った。
ノエルとジークはアレンに。
イゼリアとラウレン、ヴァルセリオは1号に。
視線がそれぞれ交差し、沈黙が重く落ちる。
ノエルが訝しげに目を細めた。
「随分、饒舌ですね」
ノエルだけではなかった。
海底都市にいた──その事実だけで疑うに値する。
そう言わんばかりに、皆の目は厳しかった。
リオは、説明しないと、と口を開きかける。
だが、フィオナがリオやユリウス、イリスを隠すように、前に立つ。
「この子たちが私を助けに来てくれた間に、アレンが全部終わらせてくれたの。ね?」
振り返りながら、フィオナが微笑む。
リオたちは無言で、何度も頷いた。
「あのなあ……いくらなんでも、説明が雑すぎじゃねえの?」
呆れたようにジークが言う。
アレンもまた、1号を庇うように一歩前に出た。
「事情はいずれ、すべて話す。今は、俺を信じてほしい」
何かある。
それは十分に伝わっていた。
それでも──アレンとフィオナが、今は言わないと決めたなら。
リオも口を滑らせまいと、唇に力を込める。
イゼリアが、額を押さえた。
「お前はまた……」
残った者たちは、皆、眉を寄せながら顔を見合わせる。
だが、少しして、それぞれにため息をついた。
ジークが、アレンの胸に拳をぐっと押し付ける。
「待ってるからな。あんまり待たせんなよ」
「ああ」
アレンは、しっかりと頷いた。




