あとがき(三の君)
「落窪物語」の原作では、右近の少将が太政大臣になり権力を掴んだ物語でもあります。
「落窪の君」に恋して、「落窪の君」を妻に迎えて、そして源中納言家の人々に仕返しをします。
その中に「三の君」もいます。
「三の君」は夫である「蔵人の少将」から「あまり良い妻とは思えない」と思われている所へ、右近の少将から「我が妹の中の君」を勧められて妻にします。
それまで持て成してきた源中納言家から左大将家に乗り換えました。
もう通って貰えなくなった「三の君」は独り身になりました。
仕返しが終わってから、「三の君」と「四の君」の再婚をさせようと考えた太政大臣は、「四の君」には「筑紫の帥」と再婚させました。
ですが、「三の君」の再婚相手を探さなかったのか?
「三の君」だけ独り身で、そして中宮に仕える道を太政右大臣は用意しました。
……ということで、原作では「再婚相手を探そう!」と思いつつ、「三の君には中宮さんにお仕えして貰いましょう。」と今でいう「キャリアウーマン」のような道を用意しました。
私は「何故なのだろうか?」と不思議でした。
この「落窪物語」は登場人物を中途半端に描いていると私は思っています。
「典薬の助」は出なくなって、最後に「死にました。」ですし、「面白の駒」に至っては「仕返しの為の登場人物だから、法師になって旅に出て死にました。と書かれているだけで終わり」です。
そして、仕返しされたもう一人の人物である「三の君」も「中宮に仕えた。」で終わります。
私はなんとなくスッキリしないので、勝手に創作しました。
「三の君」が再婚しなかった理由を「探しても貰えなかった」ではなく「二度と結婚したくないのよ。私は! だって、もう捨てられたくないから」にしました。
それを書き加えました。
これなら、太政大臣…いいえ、敢えて……右近の少将が「仕返しした相手を大切にした」ことになると思いました。
そして、それが「三の君」にとっての幸せということにしました。
そして、右近の少将も……今のヒーローになれたのではないか?と思っています。
「三の君」は中宮に仕えることが出来て活き活きと幸せだったのだと私は思います。




