あとがき(落窪物語について)
「落窪物語」の作者は分かりません。
源順、源相方などが候補に挙がっており、巻四は清少納言が書き加えたとする説までありますが、いずれも確定に至っていません。(Wikipediaより抜粋転載。)
継母の継子虐めの物語でありますので、「和製シンデレラ」と言われています。
シンデレラと同じようにプリンスも出て来ます。
シンデレラ(ヒロイン)は落窪の君で、プリンス(ヒーロー)が右近の少将です。
この「落窪物語」を優しく現代語訳し、少し変えて世に出されたのが、田辺聖子です。
当初は「舞え、舞え、蝸牛。」という題名でしたが、今は「おちくぼ姫」と題名が変わりました。
この田辺聖子版の「落窪物語」が原作と大きく違うのは、「面白の駒」と「四の君」です。
このことは、次に記します。
この田辺聖子版「落窪物語」が広まったのは、今を生きる私達にとっては分かりやすかったからだと思います。
「ヒーローはあくまでもヒーロー」が今を生きる私達にとって分かりやすく納得しやすいのです。
ただ、それを良しとしない方もおられます。
あくまでも原作通りでなければ「面白くない物語」と思う方々もいらっしゃいます。
ただ、私は原作のヒーローは「私から見たらヒーローではない」ので、田辺聖子版「落窪物語」に非常に近い「一条戻り橋」になりました。
「落窪物語」の作者を男性にせず、女性にしたのは、「ただ一人の妻」を欲するのは女性だからです。
WEB小説でも、「転生物」や「異世界物」の原作者が男性の場合、ハーレムが形成されることが多いような気がします。
その逆で女性が原作者の場合、「ただ一人の妻」が多いような気がします。
それで、この「一条戻り橋」では、「落窪物語」の原作者を女性にしました。
「落窪物語」では、出産が全て無事なのが、現実ではないと思いました。
実際は乳幼児の死亡率が下がったのは、昭和40年代に入ってからかもしれません。
私の曾祖母や祖母、そして、それより以前に生きていたご先祖様の家系図を見ると、出産後1か月~1年までの乳児期に死亡した子が多いのです。
また出産時、もしくは産後に亡くなった人も少なくはありません。
ずいぶん昔のNHKの番組で、「平安時代の姫君が亡くなる年齢が低い」と知りました。
早くに(非常に若く)出産しなければならなかった姫君にとって、出産は今よりもずっと命懸けだったのでしょう。
現実は大変だった出産が「落窪物語」では描かれていません。
それで、私は、その出産の大変さを公廉と孝子夫婦の子ども達の人生として描きました。
また孝子も子を失った母にしたのも、少し現実を入れたかったからです。
「面白の駒」などの登場人物については、次に書く「あとがき」に記します。
「あとがき」が一つではないこと、何卒ご理解ください。
「あとがき」は、まだまだ続きます。
【参考文献】
田辺聖子・著「おちくぼ姫」
有吉佐和子・著「和宮様御留」
田辺聖子・著「おちくぼ姫」は面白の駒と四の君の仲について参考にさせて頂きました。
有吉佐和子・著「和宮様御留」は御所言葉を参考にさせて頂きました。




