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胡蝶の夢、夜に舞う  作者: 天霧 翔
第二章 新天地編
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恋心

 マシロです。


 ハルさんを寝室へ転移させた後はみんなで女子会です。今日もアマネ姐さん達はハルさんを苛めて楽しそうでした。でもまあ気持ちはわかります。最近のハルさんはちょっと欲望に忠実過ぎます。すぐに私達の尻尾や耳をもふもふしようとします。嬉しいですが、ちょっとあれは考え物です。


「まったくハルは仕方ないのじゃ!」

「そうね。でも私達もなんだかんだ甘やかしちゃうのよね。可愛いんだもん。」


 アマネ姐さんとコハル姐さんが顔を見合わせて笑っています。


 結局姐さん達はハルさんには勝てません。甘いです。甘々です。これが惚れた弱みと言うやつなのでしょうか。


 でも確かにハルさんは可愛いです。可愛い可愛い弟です。どこか守ってあげたくなります。アマネ姐さん達のように惚れてはいませんが、私達もハルさんの事が大好きなのです。


 だから少しアマネ姐さん達に対して不満があります。


「姐さん、少しいいですか?」

「ん、サクヤ、どしたん?」

「姐さん達ばかりずるいです。私達だけいつも留守番なのは不公平です。なので今度の下見は私達に行かせてください。姐さん達は留守番でお願いします。」


 そう、その通りなのです。サクヤさんが代わりに言ってくれました。なんでいつも私達だけ留守番なのでしょう。国の案内や説明くらい私でもできます。なのにハルさんと出掛けるのはアマネ姐さん達ばかり。これは絶対に不公平です。


「そうです!私もそう思います!」

「です・・・!思い・・・ます!」


 ユリやユイカもいきました。やはり気持ちはみんな一緒のようです。


「い、いやじゃ!ハルはわらわがいないと駄目なのじゃ!」

「せやで!うちらがおらんと守れへんやん!」


 必死に抵抗するアマネ姐さん達ですが、説得力はありません。


「そんな事はないです。私達でも十分守れます。そうですよね、マシロ?」

「え、はい。その通りです。」


 急に話を振られてびっくりしましたが、もちろん答えは決まってます。


「ダ、ダメよ!これは私達の仕事よ!」

「そんな事はないでしょう。私達でも十分務まります。」

「いやや!うちらが行くんや!」

「アマネ姐さん達も行きたい。私達も行きたい。これ以上は平行線です。埒が飽きません。ですので次からはハルさんに一緒に行く人を決めてもらいましょう。それならいいでしょう?」


 おお、いい案ですね。さすがサクヤさんです。


「なんじゃと・・・?」

「ダメですか?」

「くくく・・・墓穴を掘ったな!サクヤ!よかろう!それで構わん!ハルはわらわの事が大好きじゃならな!絶対わらわを選ぶに決まっておるのじゃ!」

「せやな!絶対うちが選ばれるわ!」

「もう取り消すのは駄目よ!それで決定だからね!」


 ・・・何故この3人はそこまで自信があるのでしょうか。ハルさんがアマネ姐さん達を選ぶ根拠なんてどこにもないのに。ここまで自信過剰になれるのはある意味尊敬出来ます。


「ええ、取り消しません。問題ありません。では次からはハルさんが行く人を選ぶと言う事でよろしいですね?ふふ、可愛い弟のハルさんは確実に私を選びます。」


 そして何故かサクヤさんも自信満々です。


 ふふ、サクヤさんはわかりやすいですね。アマネ姐さん達といい勝負です。


 少し前からサクヤさんの様子がおかしいなとは思っていました。もちろんユイカ達もそれには気付いていて、私達の間ではサクヤさんが怪しいと話題だったのです。最初は「これはもしかして・・・?」くらいだったのですが、もう確定でしょう。


「・・・うん。」


 ユイカが全員に目配せしてます。わかってます。打ち合わせ通りに。


 マシロ行きます。


「サクヤさん、あのー・・・」

「はい、なんですか、マシロ?」

「サクヤさんってハルさんに惚れてますよね!!!」

「・・・は?」


 私の役目は終わりました。あとはユイカ達がやってくれるはずです。


「惚れて・・・ます!」

「私もそう思ってました!」

「ちょ、ちょっと待ってください!貴方達は何を言ってるのですか!!!そんなわけありません!私はあくまで純粋に弟としてハルさんの事を・・・!」


 サクヤさんが慌ててます。可愛いです。


「えー、なに言ってるんですか?誤魔化しても無駄ですよー!」

「そうです。狐人族であるサクヤさんが尻尾を触らせてるんですからね。そう言う意味じゃないですかー!」

「ですです。『弟』だったとしても添い寝なんてしませんよ。」

「まあ最初は『弟』だったんでしょうけど、今は絶対『男』として見てますよね!」


 ユリやサラ達がここぞとばかりに畳み掛けます。


「い、いい加減にしてください!これ以上は許しませんよ!!!」


 サクヤさんが顔を真っ赤にして叫びます。


 ふふ、やっぱりそうだったんですね。


「サクヤよ・・・許さんのはわらわの方なんじゃが・・・?」

「なっ!?ち、違います!誤解です!」

「往生際悪いわよ!サクヤの反応見れば本当かどうかすぐにわかるわよ!!!」

「違いますってば!私は別に・・・!」

「問答無用や!覚悟しいや!!!」


 自分達の事を棚にあげてるようですが、コハル姐さん達も一緒ですからね。どっちもどっちです。むしろそんな露骨な反応をしていて何故ハルさんに姐さん達の恋心がバレてないのか不思議なくらいです。


 まあバレてない最大の理由は、誤魔化す為に暴力でハルさんを黙らせてるからですね。ハルさんが鈍感なのもあるでしょうが、さすがにあれだけ毎回毎回ぼこぼこにされてたら千年の恋も冷めます。


「ハルさーん!助けてください!!!」

「ハルに助けを求めるとはええ根性しとるやん!サクヤ!!!」

「一度わからせてあげないと駄目なようね・・・!!」

「尻尾・・・捥いでやるのじゃ・・・!!!」


 ふふ、しかし4人とも楽しそうです。


 しかしハルさんはこれから大変ですね。でも是非4人とも貰って頂かなければ。可愛い弟にこの騒がしい4人を任せるのは少々申し訳ない気もしますが・・・まあハルさんなら上手くやるでしょう。


 それに私達の楽しみも増えました。これからはサクヤさんの事もいっぱい弄れます。ふふふ・・・覚悟してくださいね。


「ハルさーん!!!」

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