僕の憧れの職業
夜、ボロボロな服を着て大都会東京の路地裏に座る。
僕は憧れの職業についた。
狭いビルとビルの狭間で狭い空を見る。都会の空も悪くない。
今日は客が来るだろうか。
そう思っていると、周囲をキョロキョロと見渡しながら挙動不審の男が近づいてきた。
お客様だ。
「例の情報が知りたい」
僕は紙切れを手に握らす。そして、手を出せば男が札を渡してくる。
「まいどあり」
そう、僕は情報屋になりたかったのだ。
ドラマやアニメで出てくる情報屋に子供の頃から憧れていた。
でも、現実は情報屋で食べていくなんて難しい。
昼間は普通に綺麗な身なりでサラリーマンをしている。
夜、この路地裏で情報を売っている。
僕は考えた今の時代に皆が求めていて、僕にも売れる情報とは何か?
またお客様だ。
「ここに来たら情報が買えると聞いた」
「1000円だよ」
男は1000円を受け取り、情報が書かれた紙を受け取るとニヤニヤして帰っていった。
「私にも売ってくださるかしら?」
おっと、珍しいマダムだ。
「1000円だよ」
1000円を貰う。紙切れを渡すとニヤリと笑う。マダムは息をのみ紙を見るとこう尋ねる。
「このサイトにアクセスすればいいのかしら?」
「そうだよ。そのURLにアクセスすれば望みのものがある」
「わかったわ」
口コミが広がり、お小遣い稼ぎくらいはできるようになった。
僕は、紳士淑女用の生成AIを作った。そして、僕が渡す紙切れに書かれたログイン情報でないとログインできないようにしている。ログインした後は無料であんなものやこんなものが生成し放題である。
「例の情報を売ってくれ」
悩める紳士淑女が僕のお客様だ。
売る情報はアレだけど、僕は情報屋がやりたかった。
だからいいのだ。僕は憧れの職業についた。
今日も路地裏から見る星は綺麗だった。




