君のブラジャーになりたい
「君のブラジャーになりたいんだ」
今日も僕はナンパに失敗した。
僕には子供の頃から夢がある。
小学生のとき将来の夢に書いた。
『おっきいおっ●いをささえるしごとがしたいです!』
友達にブラジャーがあるじゃんと言われた。
衝撃だった。そして、悔しかった。ブラジャーがない時代だったら、僕がきっとやれた。
ブラジャーを恨んだ。憎んだ。
そして、学んだ。僕はブラジャーになることにした。
小・中・高、そして大学生になった今もバレーボールを二つ伸ばした手で支え中腰で歩く練習を欠かさずしている。
最初は身長も低く中腰にしなくとも二つの胸を支えることができる高さだったが、成長期に入って中腰が必要になった。
そして、歩く速度を女性の速度に合わせなければならない。しかも、女性を見ずに前を向いた状態でだ。
この訓練が大変だった。社交ダンスが非常にためになった。
もう僕に後必要なのは実践だけだった。
だから、大学生になってからずっとナンパをしている。
色々な街で声をかけている。胸が大きい女性がいれば3秒もかからず声をかけている。
「君のブラジャーになりたいんだ」
「キモッ」
大抵これだ。めげない。僕は諦めることを諦めた。
「君のブラジャーになりたいんだ」
「えっ!?なにそれウケる!」
来たっ!
街中で土下座しようとしたら、ホテルに連れ込まれた。
僕は今日ブラジャーになる。
彼女が服を脱いだタイミングでお願いした。その状態で歩いてくれと。
彼女は不思議そうな顔をして歩いてくれた。
僕は素早くポジションにつき大きな胸をそっと支えた。
「えっ?」
「そのまま歩いて」
彼女は不思議そうな声を出したが、歩いてくれた。
イメージ通り!見事にイメージ通り僕は胸を支えることができた。
感動して彼女にいった。
「どうだった?」
「どうって……意味わかんないんだけど……」
僕は続けざまに聞いた。勝った確信があった。
「ブラジャーと比べてどう?」
彼女の目を見てワクワクしながらいった。彼女は、
「えっ、普通にブラの方がいい」
「うわぁーーーーーーーーーーー!ブラジャーなんてものがなければーーーーーーーーーーー!」
僕はブラジャーを許さない。
「君の!僕が!ブラジャーになりたいんだ!」
悔しくなっていった台詞に彼女は笑って、気づけば僕に彼女ができた。
僕はまだ彼女のブラジャーになることを諦めていない。




