かっこいい女騎士はいつも僕に可愛いと言われたい
夜、誰もいない執務室。鎧を外す金属音が小さく響く。
「……ふぅ、今日の遠征訓練も無事に終わったな。お疲れ様、手伝ってくれて助かった。」
彼女は一息ついて、少し落ち込んだように声を落とす。
「……なあ。『今日の副団長様も凄まじい剣技でした!』『本当にかっこいいお方だ!』……って、また団員たちに言われてしまったよ。」
子供っぽい顔を小さくこぼす。
「むぅ……かっこいい、か。……知っているよ。私は騎士だし、背も高いし、可愛い服だって似合わない。凛々しいって言われるのが当たり前なのは分かっている……。」
椅子の背もたれに体を預け、上目遣いにこちらを見つめてくる。
「……でも、君の前でくらい、たまには違う言葉も聞いてみたいな。」
照れくさそうに顔を少し背けながら、ボソッと呟く。
「『かっこいい』はもうお腹いっぱい。……本当は、君に『可愛い』って言われたくて、今日だって髪型、少し変えてみたんだ……」
僕の言葉を待つように、期待と恥ずかしさが混ざった表情で待っている。僕は求められている言葉を口から出してみた。
「……バカ。気付いてたなら、最初に言え……。」
急に顔を真っ赤にして、両手で顔を覆う。
「……もうっ、面と向かって言われると……やっぱり、すごく恥ずかしい……!」
ああ、やっぱり彼女は可愛らしい。




