表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/44

学園祭フィナーレと銀色の来訪者

第十二話 学園祭フィナーレと銀色の来訪者


 学園祭も終盤。

 王立アルカディア学園は最後まで大盛り上がりだった。


 校庭では音楽。

 ステージでは演劇。

 あちこちから楽しそうな笑い声が聞こえてくる。

 そして。

 王子様&お姫様カフェもついに閉店時間を迎えた。


「ありがとうございましたー!」


 最後のお客さんを見送る。


 拍手が起こった。

 予想以上の成功だった。


「終わったー!」


 シオンが机に突っ伏す。


「疲れた……」


 僕も同じだった。


 すると。


 担任の先生が入ってきた。


「みんな、お疲れ様」


 教室が静かになる。


「今年の学園祭」


「来場者数一位です」


 一瞬の静寂。

 そして。


「えぇぇぇぇ!?」


 教室が揺れるほどの歓声。

 僕も驚いた。


「一位!?」


「本当に?」


「すごい!」


 みんな大喜びだった。

 そして先生は続ける。


「特に好評だったのは――」


 嫌な予感。


「アキラとシオン コンビです」


 沈黙。

 僕とシオンだけ固まった。


「やっぱり……」


「そうだと思った……」


 クラスのみんなは拍手している。


 逃げ場はなかった。

 片付けも終わり。


 外はすっかり夕方だった

 校庭には夕焼けが広がっている。

 僕たちは芝生の上に座っていた。


「楽しかったね」


 リンが言う。


「うん」


「疲れたけどな」


 シオン。


「またやりたい!」


 ルミナ。


「お姫様はもう嫌だよ」


 僕。


 すると。

 メイアが一枚の紙を取り出した。


「見つけた」


「何を?」


差し出されたのは写真だった。


 そこには。

 お姫様姿の僕。

 お姫様姿のシオン。

 完璧に写っていた。


「……」


「……」


「燃やそう」


 僕。


「賛成」


 シオン。


「却下」


 リン。


「宝物」


 ルミナ。


「保存する」


 メイア。


 終わった。


 僕たちの黒歴史は永遠に残るらしい。

 その夜。

 学園祭の後夜祭も終わり。

 みんな寮へ戻っていた。


 静かな夜。


 窓から月明かりが差し込む。

 ルミナは自室で眠っていた。


 そして。

夢を見る。


 白い神殿。

 金色の光。


 前にも見た景色。

 だが今回は違った。


 目の前に。

 あの少女がいた。

 銀色の髪。

 紫色の瞳。


 ルミナによく似た顔。

 少女は優しく微笑む。


『やっと会えたね』


「あなた誰?」


 ルミナが聞く。

 少女は少しだけ悲しそうな顔をした。

 そして。


『私は――』


 そこで夢が途切れた。

 翌朝。


 王立アルカディア学園。


 学園祭の翌日なので授業は休みだった。

 みんなでのんびり過ごしている。


「平和だなぁ」


 僕。


「平和だな」


 シオン。


 その時だった。

 学園の正門付近から。

 大きな騒ぎ声が聞こえた。


「ん?」


 みんな顔を見合わせる。

 そして。


 外へ向かった。

 正門前。

 たくさんの生徒が集まっている。


「何だろう?」


 僕たちも人混みをかき分ける。

 そして。

 目の前の光景に固まった。


 そこには。

 一人の少女が立っていた。

 銀色の長い髪。

 夜空のような紫の瞳。

 年齢はルミナと同じくらい。


 そして何より。


「……そっくり」


 僕が呟く。


 ルミナに。


 本当にそっくりだった。


 周囲もざわついている。


「双子?」


「妹?」


「どういうこと?」


 その少女は真っ直ぐこちらを見る。

 そして。

 ルミナを見つけた瞬間。

 ぱっと笑顔になった。


「見つけた!」


 次の瞬間。

 全力で走ってくる。


「え?」


 ルミナ。


 そして――


 ぎゅうっ!


 思い切り抱きついた。


「会いたかった!」


挿絵(By みてみん)


 ルミナは完全に固まっていた。


「え?」


「え?」


 僕も固まる。

 シオンも固まる。

 リンも固まる。

 メイアだけプリンを食べていた。


「通常運転だ」


 シオン。


「通常運転だね」


 僕。


 そんな中。

 銀髪の少女は満面の笑みで言った。


「お姉ちゃん!」


 ――場の全員が固まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ