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満点祝いと小さな異変

第六話 満点祝いと小さな異変


 テスト結果発表から二日後。


 王立アルカディア学園。

 中庭の一角。

 そこでは。


「満点祝いパーティー開催!」


 シオンが高らかに宣言していた。


「おー!」


 僕も拍手する。

 テーブルの上には。

 ケーキ。

 クッキー。

 ジュース。

 そして。

 プリン。

 大量のプリン。


「なんでこんなにあるの?」


 僕が聞く

 すると。

 メイアが答えた。


「重要だから」


 真顔だった。

 妙に説得力があった。

 いや。

 あってはいけない説得力だった。

 ルミナはすでに目を輝かせている。


「プリンだぁ!」


 メイアも輝いていた。


「プリン」


 なんだろう。


 この二人。

 時々本当に姉妹みたいだ。

 パーティー開始。


「乾杯!」


 みんなでジュースを掲げる

 そして。

 楽しい時間が始まった。

 シオンはケーキを三個食べた。

 リンに怒られた。


「食べすぎ」


「まだ二個しか食べてない」


「三個目持ってる」


「ほんとだ」


 シオンは素直だった。

 僕は笑った。

 すると。

 ルミナが僕の服を引っ張る。


「お兄ちゃん」


「どうした?」


「これあげる」


 差し出されたのは。

 小さな紙。

 折りたたまれている。

 開いてみる。

 そこには。

 みんなの絵が描かれていた。


 以前よりもずっと上手くなっている。

 中央には。

 僕たち全員。

 そして。

 大きな文字。


【ずっとなかよし】


 思わず笑った。


「ありがとう」


 ルミナは嬉しそうだった。


「えへへ」


 その笑顔を見ると。

 なんだか心が温かくなる。

 夕方。

 パーティーも終わり。

 みんなで片付けをしていた。


 その時。

 ルミナが突然立ち止まった。


「……あれ?」


「ルミナ?」


 僕が振り返る。

 ルミナは自分の手を見ていた。


「どうしたの?」


「なんか」


「うん」


「手が光った」


 全員が止まる。

 ベルの表情が変わった。


「光った?」


「うん」


 ルミナは首を傾げる。


「ほんの少しだけ」


 だが。

 ベルは何かを考え込んでいた。


「……」


 少しだけ。

 不安そうだった。

 その夜。

 研究室。

 ベルは石板を確認する。

 すると。

 新しい文字が浮かんでいた。


【第三封印 68%】


 ベルは目を見開く。


「早すぎます……」


 普通ではありえない速度だった。

 そして。

 さらに新しい文字。


【保護対象 ルミナ】

【危険度 不明】


 ベルは深く息を吐く。


「危険ではなく」


「守るべき存在であってください……」


 小さく呟いた。

 一方その頃。

 女子寮。

 ルミナの部屋。

 ルミナはベッドの上でお絵描きをしていた。


「ふふふ」


 楽しそうだった。

 新しい絵。

 みんなが笑っている絵。

 描き終わって満足する。

 そして。

 眠くなってきた。


「おやすみなさい……」


 小さく呟く。

 そのまま眠りにつく。

 だが。

 夢の中で。

 誰かの声が聞こえた。


『見つけた』


 知らない声。

 優しい。

 だけど。

 どこか悲しそうな声。


『もう少しだ』


『もうすぐ会える』


 その瞬間。

 ルミナの額に。

 一瞬だけ。

 金色の紋章が浮かび上がった。

 そして消える。

 誰にも知られないまま。

 第三の封印は。

 静かに開こうとしていた。

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