第二部 学園編 第一話 なんか押したら起動した
第一話 なんか押したら起動した
「なんでぇぇぇぇぇ!?」
僕の叫び声が教室中に響いた。
数秒前。
僕は普通に授業を受けていた。
本当に普通に。
先生が黒板に魔法陣を書いて。
生徒たちがノートを取って。
平和だった。
それなのに。
「アキラ君」
「はい」
「この古代魔法陣についてどう思いますか?」
先生に当てられた。
だから。
「えーっと……」
近くで見ようと思って。
黒板の魔法陣を触った。
軽く。
ほんの軽く。
スっと触っただけだった
そしたら。
ゴゴゴゴゴゴゴ……
教室が揺れ始めた。
「え?」
黒板が光る。
床が光る。
天井が光る。
ついでに僕も光る。
「なんで!?」
クラス全員が後ろへ下がった。
そして。
シオンが言った。
「まただね〜」
「またって何!?」
最近ひどくない?
リンも慣れた顔をしている。
「うん、まただね」
「事件の原因みたいに言わないで」
すると。
魔法陣が完成した。
巨大な光の輪。
そして。
ドォォォォォン!!
何かが召喚された。
「うわぁぁぁ!?」
煙が晴れる。
そこに立っていたのは――
小さな女の子だった。
「……へ?」
銀色の髪。
紫色の瞳。
年齢は十歳くらい。
可愛らしい顔立ち。
そして。
なぜか。
僕を見るなり走ってきた。
「お兄ちゃん!!」
ぎゅっ。
抱きつかれた。
沈黙。
教室が静まり返る。
「……え?」
僕。
「……え?」
リン。
「……え?」
シオン。
「……え?」
先生。
全員同じ反応だった。
女の子は満面の笑みだ。
「会いたかったよ!」
「誰!?」
僕は全力でツッコんだ。
すると。
女の子は首を傾げた。
「ルミナだよ?」
「知らないよ!?」
なぜ当然みたいな顔をする。
その時。
教室の扉が勢いよく開いた。
バァン!!
ベルだった。
続いてルナ。
メイア。
エルフィア。
学園長。
なぜか全員来た。
「どうしたの!?」
ベルが女の子を見る。
そして。
固まった。
「まさか……」
「知ってるの!?」
ベルが震えながら言う。
「古代文献に記録があります」
嫌な予感。
「なんて?」
ベルはゆっくり答えた。
「管理者アキラの妹」
沈黙。
「へ?」
僕が固まる。
「へ?」
シオンも固まる。
「へ?」
リンも固まる。
ルミナだけが笑顔だった。
「久しぶり!」
「初対面だよ!?」
すると。
ルミナは少し考えて。
「細かいことは気にしない!」
「気にするよ!?」
教室中が大混乱になった。
その様子を見ながら。
メイアが小さく呟く。
「増えた」
「増えてないから!」
しかし。
シオンは真顔だった。
「いや」
「うん?」
「アキラファミリーが増えた」
「家族扱いするな!」
だが。
ルミナは僕の腕にしがみついたまま離れない。
「お兄ちゃん♪」
嫌な予感しかしなかった。
平和な学園生活。
たった一日で終わった気がする。
第二話へ続く




