表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/44

学園襲撃と仮面の男

第十二話 学園襲撃と仮面の男


 特別クラスの教室。

 天井は吹き飛んだ。

 生徒たちは避難した。

 そして。

 僕たちだけが残っている。


「アキラを連れて行く」


 仮面の男は静かに言った。

 その声には妙な威圧感があった。

◇◇◇


「断る」


 即答したのはメイアだった。

 一歩前へ出る。

 銀髪が揺れる。


「アキラは渡さない」


 仮面の男が少しだけ首を傾げた。


「なぜだ?」


「友達だから」


 シンプルだった。

 でも。

 なんだか嬉しかった。

◇◇◇


「ならば力ずくで――」


 男が手を上げる。

 その瞬間。


「待ったぁ!!」


 シオンだった。

 勢いよく前に出る。


「なんだ?」


 仮面の男が見る。

 シオンは腕を組んだ。


「まず自己紹介しろ!」


 全員が固まった。


「……」


「……」


「……」


 なぜそこからなのか。

◇◇◇


「敵にも礼儀は必要だろ!」


 シオンは真面目だった。

 本気だった。

 仮面の男も少し困っている。

 たぶん初めての経験だと思う。

◇◇◇


「私は……」


 なぜか答え始めた。


「境界破壊者所属」


「おお」


「第七執行官」


「うん」


「ゼクト」


 シオンが頷く。


「よろしく!」


「よろしくではない」


 ゼクトが初めてツッコんだ。

◇◇◇

 その隙だった。


「えい」


 メイアが動く。

 神速。

 完全な不意打ち。

 しかし。

 ガキィィン!!


「止めた!?」


 ゼクトは片手で剣を受け止めていた。

 強い。

 今までの敵とは違う。

◇◇◇


「厄介だな」


 ゼクトが呟く。

 すると。

 背後に黒い魔法陣が出現した。

 そこから無数の黒い槍が現れる。


「来る!」


 ルナが叫ぶ。

◇◇◇

 槍が一斉に放たれた。

 だが。


「防御します」


 ベルが前へ出る。

 光の結界が展開される。

 ドドドドドド!!

 槍が次々に弾かれた。

◇◇◇


「ベルすごい!」


 僕が言う。

 ベルは少し照れた。


「当然です」


 ドヤ顔だった。

 珍しい。

◇◇◇

 その時。

 エルフィアが真面目な顔になる。


「アキラ」


「なに?」


「そろそろ使えます」


「何が?」


「新しい力です」


 嫌な予感しかしない。

◇◇◇


「右手を見てください」


 見る。

 腕輪が光っていた。

 遺跡で手に入れた管理者の腕輪。


「また?」


「またです」


 ベルが頷く。


「だいたいアキラ様の問題はそれです」


「僕のせいなの!?」


「八割くらい」


 結構高かった。

◇◇◇

 その時。

 腕輪から文字が浮かぶ。


【管理者権限解放】

【空間収納機能 使用可能】


「空間収納?」


 僕が首を傾げる。


「便利なやつです」


 ベルが説明する。


「物を収納できます」


「へぇ」


「かなり便利です」


◇◇◇

 試しに念じてみる。

 すると。

 ポンッ。

 目の前に何か出た。


「おお!」


 成功した。

 と思った。

◇◇◇

 出てきたのは。

 巨大なたらいだった。


「なんで!?」


 僕が一番驚いた。

◇◇◇

 たらいは重力に従う。

 つまり落ちる。

 どこへ?

 もちろん。

 ゼクトの頭へ。

◇◇◇

 ゴンッ!!


「ぐあっ!?」


 直撃した。

 教室が静まり返る。

◇◇◇


「……」


「……」


「……」


 ゼクトが膝をついている。

 頭を押さえている。

◇◇◇

 シオンが震え始めた。


「ぶっ……」


「シオン」


「ぶははははは!!」


 耐えられなかった。

◇◇◇

「伝説の敵が!」


「やめろ!」


「たらいで!」


「やめろ!!」


 リンまで笑いを堪えている。

◇◇◇

 メイアが真顔で言った。

「アキラ最強」


「違うから」


「たらい使い」


「嫌な二つ名だなぁ」


◇◇◇

 ゼクトが立ち上がる。

 少し怒っていた。

 いや。

 かなり怒っていた。


「貴様ら……」


「ごめんなさい」


 条件反射で謝った。

◇◇◇

 しかし。

 その時だった。

 鳥が叫ぶ。


『今だ!』


「え?」


『奴の仮面を壊せ!』


◇◇◇

 メイア。

 ルナ。

 シオン。

 ベル。

 全員が同時に動く。


「せいっ!」


「はぁっ!」


「おりゃあ!」


「支援します!」


 連携攻撃。

◇◇◇

 ドォォォォン!!

 爆発。

 衝撃。

 そして。

 パキッ。

 仮面に亀裂が入った。

◇◇◇

「なっ!?」


 ゼクトが後退する。

 初めて焦った顔を見せた。


「まずい!」


 ルナが叫ぶ。


「仮面の下を見ちゃダメです!」


「なんで!?」


「説明すると長いです!」


 説明してほしかった。

◇◇◇

 亀裂は広がる。

 パキパキパキッ!

 そして。

 仮面が砕け散った。

◇◇◇

 全員が息を呑む。

 現れた顔を見る。

 そして。


「……え?」


 僕は固まった。

◇◇◇

 なぜなら。

 そこにいたのは。

 僕と同じ顔をした少年だったから。

◇◇◇

 教室に沈黙が落ちる。


「え?」


 シオンが言う。


「え?」


 リンも言う

「え?」


 メイアも言う。

◇◇◇

 そして。

 ゼクトも固まっていた。


「……あれ?」


 敵も驚いていた。

 なんで?

◇◇◇


「誰?」


 僕が聞く。


 ゼクトが聞く。


「誰だ?」


 全員が混乱した。

 本人も混乱していた。

◇◇◇

 どうやら。

 とんでもない事実が判明しそうだった。


第十三話へ続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ