スクロール
基礎となる魔法陣が完成した。
魔法陣は、ただのインクで書いても発動しなかった。
だから、砕いた魔石に魔力を流して溶かし、魔力液を作った。
ここで大切なのは、魔法陣の属性と魔法液の属性を合わせること。
合わせないと、発動しないどころか爆発しそうになった。
何とか結界で押さえ込んだけど、背筋が凍るかと思った。
魔法陣の魔法の発動可能時間は、魔法陣内に組み込まれている。
攻撃系は、数秒で消える。
防御系と捕縛系は、魔法陣の種類によって長さが変わる。
そして魔法を使い終わったら、魔法陣は消える。
だから、使いきりになる。
つまり、たくさん作らないといけないというわけだ。
わたしはひたすら部屋に閉じこもって、魔法陣を描きまくった。
何度かアルが様子を見に来ていたが、そっと扉を閉じていた。
声をかけてくれてもいいのにね?
大小様々な紙に魔法陣を描きまくったので、今では見なくても描くことができる。
わたし、頑張った!
わたしは魔法陣を描いた紙を、スクロールと呼ぶことにした。
巻物にならないほど小さい紙もあるけど、別にいいよね!
さっそく完成したスクロールの束を持って、アルの執務室に突撃した。
「アル!できた!できたよー!」
「おおう。お疲れ?」
「うん。すっごく疲れた。アル、抱っこ。」
「いいぞー。」
アルに抱き上げてもらって、膝の上に乗せてもらう。
ぬくぬく、幸せ〜
しばらくアルの膝の上で癒されながら、まったりした。
…………はっ!?
ついまったりしすぎて、何のために来たのか忘れてた!
「あのね、じゃーん!」
「これは?ずっと集中して、作ってたやつだよな?」
「そう!魔法陣とスクロール!新しい概念の魔道具、みたいな?」
わたしはここ十数日の研究の詳細と、その結果を報告した。
「………………え??」
「だからね、これで魔法を使えない人でも魔法を使えるし、魔法を使える人でも自分の属性以外の魔法を使えるの!」
「…………はあ!?ちょっ……それ、とんでもないぞ!」
「……え?そう?」
「そうだよ!?めっちゃやばい代物だからな!?」
「ふえ……」
「何で、その反応……いや、まぁ、ユフィーレだからなぁ……仕方ないか。とりあえず、いろいろとやばい代物だから、自分で使う分以外は、俺を必ず通すこと。研究のことは……ギルド員以外には話さないこと!いいな!?」
「はーい。」
「本当にわかってるのか?……ま、俺が守ればいい話か。」
「わたしもアルを守るよ!」
「ああ。ありがとうな。」
その後は、久しぶりのアルとの時間を、満足するまで満喫するのだった。
あとでロシュアには、ちょっぴり怒られちゃったけど。




