魔石
宝石を机の引き出しにしまい込んだ私は、次に今日の戦利品である素材に向き直った。
素材のほとんどが角、爪、牙、そして魔石。
あとは、少しの毛皮。
魔石は、魔物1体につき1個。
魔物の属性によって色が違うけど、共通しているのは、濁っていると言う点。
この濁り具合が、買取金額の差に大きく響くと聞いた。
濁りが強ければ強いほど、魔石の価値が下がる。
なぜなら、魔道具に利用できなくなるからだ。
何故、魔石は濁っているのか、濁り具合が違うのかは、まだ解明されていない。
濁りをどうにかする方法もないので、価値の低い魔石は捨てられることが多い。
しかし、ここである問題が起こる。
魔石には魔力が宿っているため、大量に捨てるとそこから魔物が生まれてしまう。
また、大量の魔石が魔物を呼び寄せる危険性もある。
だがら、森の奥深い場所に捨てるのが鉄則されている。
魔石を捨てにいくだけの仕事もあるくらいだ。
魔道具は、魔石から魔力を抜き取っている。
使っていない時も微弱に使用されているため、魔道具をたくさん所持していても、魔物を呼び寄せる心配も魔物が生まれる心配もない。
魔石の状態で管理するには、魔力を遮断する箱に入れておくんだって。
このギルドにも魔道具職人を兼任しているギルド員がいて、そこでいろいろ教えてもらった。
調合と同じで、魔道具づくりにも適正があると褒められた。
今も時々、作っているのを見せてもらう。
今回手に入った魔石も、そのギルド員にもらった魔力遮断の箱に移し替えておく。
移し替える時に確認したけど、魔石は魔道具に利用できないくらい濁っているものが半分あった。
濁っていないものは小さすぎて、これも魔道具に利用できない。
この魔石、捨てるのがもったいない。
何かに利用できればいいんだけど……
問題は、濁りだよね。
この濁り、どっかで見たことあるような……
どこだっけ?
闇ギルドに来てからじゃない。
教会にいた時……?
…………あ。
思い出した。
嫌な笑顔の教会関係者と、教会に来ていた貴族だ。
思い出すと同時に、気分が悪くなる。
深く深呼吸をして、ざわつく心を落ち着かせた。
ハオウが頭を頬に押し付けてくる。
慰めてくれているみたい。
お礼に、わたしもハオウの喉元を撫でる。
濁り……
嫌な人たちが纏っていたモヤと、よく似ている。
他の人にアレが何か聞いたけど、他の人は見えなかった。
わたしにだけ見えた、変なモヤ。
わたしの方にも寄ってこようとしたとき、とっさに浄化したら消えたんだった。
魔石の濁りとあのモヤが一緒ではないと思うけど、やってみる価値はあるかも。




