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聖女は逃げ出した  作者: 氷桜 零
第2章
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魔石


宝石を机の引き出しにしまい込んだ私は、次に今日の戦利品である素材に向き直った。

素材のほとんどが角、爪、牙、そして魔石。

あとは、少しの毛皮。


魔石は、魔物1体につき1個。

魔物の属性によって色が違うけど、共通しているのは、濁っていると言う点。

この濁り具合が、買取金額の差に大きく響くと聞いた。

濁りが強ければ強いほど、魔石の価値が下がる。

なぜなら、魔道具に利用できなくなるからだ。


何故、魔石は濁っているのか、濁り具合が違うのかは、まだ解明されていない。

濁りをどうにかする方法もないので、価値の低い魔石は捨てられることが多い。


しかし、ここである問題が起こる。

魔石には魔力が宿っているため、大量に捨てるとそこから魔物が生まれてしまう。

また、大量の魔石が魔物を呼び寄せる危険性もある。

だがら、森の奥深い場所に捨てるのが鉄則されている。

魔石を捨てにいくだけの仕事もあるくらいだ。


魔道具は、魔石から魔力を抜き取っている。

使っていない時も微弱に使用されているため、魔道具をたくさん所持していても、魔物を呼び寄せる心配も魔物が生まれる心配もない。

魔石の状態で管理するには、魔力を遮断する箱に入れておくんだって。


このギルドにも魔道具職人を兼任しているギルド員がいて、そこでいろいろ教えてもらった。

調合と同じで、魔道具づくりにも適正があると褒められた。

今も時々、作っているのを見せてもらう。


今回手に入った魔石も、そのギルド員にもらった魔力遮断の箱に移し替えておく。

移し替える時に確認したけど、魔石は魔道具に利用できないくらい濁っているものが半分あった。

濁っていないものは小さすぎて、これも魔道具に利用できない。


この魔石、捨てるのがもったいない。

何かに利用できればいいんだけど……


問題は、濁りだよね。

この濁り、どっかで見たことあるような……

どこだっけ?

闇ギルドに来てからじゃない。

教会にいた時……?


…………あ。

思い出した。

嫌な笑顔の教会関係者と、教会に来ていた貴族だ。


思い出すと同時に、気分が悪くなる。


深く深呼吸をして、ざわつく心を落ち着かせた。


ハオウが頭を頬に押し付けてくる。

慰めてくれているみたい。

お礼に、わたしもハオウの喉元を撫でる。


濁り……

嫌な人たちが纏っていたモヤと、よく似ている。

他の人にアレが何か聞いたけど、他の人は見えなかった。

わたしにだけ見えた、変なモヤ。

わたしの方にも寄ってこようとしたとき、とっさに浄化したら消えたんだった。


魔石の濁りとあのモヤが一緒ではないと思うけど、やってみる価値はあるかも。






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