ペット
それと目と目が合ったまま、お互い動かない。
何で、逃げないんだろう?
わたしが首を横に傾けると、それの頭も同じ方向に傾いた。
なんか、ちょっと可愛い?
しゃがんで、もっと近くでそれを観察する。
ヘビのように見えるけど、虹色の身体をしている。
見たことも、聞いたこともない魔物?だ。
たぶん、魔物。
動物とかではない、はず。
「ユフィーレ?」
じっと観察していると、上からアルの声が聞こえてきた。
パッと顔を上げると、すぐ近くにアルがいた。
本物のアルだ。
「アル?何で?」
「あ、あー……思ったより仕事が早く片付いたから、迎えに来たんだ。」
「そっか。見てた?」
「見てた。すごいなぁ!いつの間にあんなに強くなったんだ?頑張ったな!」
えへへっ
アルの撫で撫で、嬉しい。
褒めてくれた!
アルとニコニコ笑い合っていると、足に何かすべすべしたものが絡んできた。
「ん?あっ……」
思い出した。
この子がいたんだった。
ヘビ?が、尻尾をわたしの足に絡ませていた。
「アル、この子知ってる?」
「ん?」
アルと、アルの後ろにいたミスティ、ロシュア、ノインがじっとヘビ?を見つめる。
「たぶん、ユルルングルの子じゃないか?」
「そうですね。かなり珍しい。」
「ユルルングルって、何?」
「虹蛇とも呼ばれる魔物で、天候を操ることができる神話級の魔物だな。俺も見たのは初めてだ。……随分と、懐いているな。」
ユルルングルを見つめると、舌をチロチロと出していた。
何だか、機嫌が良さそうな?
「一緒にくる?」
手を伸ばすと、手を舌で舐めて、腕を這い上がりながら肩に落ち着いた。
頭を掻いてあげると、目を細めて気持ちよさそうにしている。
ちょっと、可愛い。
「アル……飼っていい?」
わたしの家は、アルの家でもある。
勝手に連れて帰っては、ダメだろう。
「……ダメ?」
いいって言って。
飼っていいって。
連れて帰りたいなぁ。
じぃー
「お願い……」
「喜んで!……あ……」
やった!
アルがいいって言ってくれた!
やっぱり、アルは優しい。
「今日から一緒だねー。よろしくね。」
シュー
アルがわたしを撫でてくれるみたいに、ユルルングルのすべすべの身体を撫でる。
ツルツルしてて、気持ちいい。
わたしは夢中になって、撫で撫でしていた。
すぐそばで落ち込んでいるアルと、慰めているロシュアには気がつかずに。
ノインはユルルングルに触ろうとして、ものすごく威嚇されている。
ノインは嫌いみたい。
生き物に好かれやすいノインにしては、とっても珍しい。




