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聖女は逃げ出した  作者: 氷桜 零
第1章
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見守る保護者 SIDE:アルトゥール


今日はユフィーレの、初の魔物討伐の実践。

ミスティがいるから、心配はないとわかっている。

わかっては、いるのだ。

いるのだが……

心配なものは、心配なんだ!!


無言で席を立つ。


「行ってくる。」


「いや、『行ってくる』じゃ、ないでしょう!」


「仕方ないだろう!?心配なものは、心配なんだから!」


「こんなに書類の山を前に、何を言ってるんですか!?」


「行ってくる。」


「ちょっ……」


ロシュアが止めてくるが、知るもんか。

書類の山は、帰ってから崩していく。


執務室を出て行った俺の後ろを、ロシュアがため息をつきながらついてくる。


結局お前も、心配なんじゃないか。


途中の廊下で合流したノインとともに、3人で実践訓練場所である岩場に向かった。




俺たちが岩場に着くと、ミスティがすぐにこちらに気がついた。

とても呆れた目で、ため息をつかれた。


仕方ないだろう!?

心配なんだから!


岩場の影に隠れて、そっとユフィーレを見守る。

すごく緊張しているのが、手に取るようにわかる。


頑張れ、ユフィーレ!


普段の仕事で緊張なんか全然しないのに、今はいつになく緊張で空気が張り詰める。


「……おいっ!何であんなにクマどもがいるんだ?」


「私に聞かないで、そのクマに聞いてちょうだい。」


「クマにまで好かれるくらい、可愛いってことっすね!」


「助けに……」


「大丈夫よ。あれくらい、ユフィーレちゃん1人で倒せるわ。」


「…………」


ユフィーレは、最初は慌てていたが、落ち着きを取り戻してからは手際良く倒していた。


「〈光のギロチン〉!」


「「「「何でぇぇぇぇ!?!?」」」」


何で、そうなった!?

誰だ、あれ教えたのは!?

ってか、何でそこでミスティまで驚くんだ?

お前じゃなければ……まさか、あいつか……?

帰ったら、吐かす!!


それにしても……倒し方がえげつない。

いや、弱点を狙うのは理に適っているが、それにしても……

誰に似て…………


チラッとミスティを見る。


「何よ?」


「いや、なんでもない。」


可愛いユフィーレが、ミスティみたいになったらどうしようか……

いや、それでもユフィーレは可愛い。

ユフィーレは、ユフィーレというだけで、可愛い。


「あれ、まずくないですか?」


「何でこんなに集まってるんだ?」


さすがにあの数は多すぎる。

岩の影から出ようと一歩進めたが、俺たちの心配をよそに、的確に一体一体を倒している。


「強いっすね。」


「素質だけなら、ギルドいちでしょうね。」


「魔物が引いていきますね。終わりでしょうか。」


あれほど殺到していた魔物は、何かに怯えるように後退り、方々に逃げて行った。

俺たちも、ほっと一息をついた。


さて、ユフィーレを迎えにいくか。

たくさん褒めてやらないとな。






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― 新着の感想 ―
可愛くて強い! これに勝るものなし! 変な性癖の奴がきたらアルが潰し…追い払ってくれる!
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