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45. 期末テスト

 季節は冬に差し掛かり、厚手の服を着ている生徒が増えてきた。


 この時期は冬用の制服を着る人が大半だ。


 冬服は袖が長く、厚めの服となっている。


 ただし、それだけでは寒いため、最近では通学用に外套を羽織っている。


 教室の中は、それほど寒くなく外套を脱いで授業を受けている。


 クリス先生はホームルーム後に、みんなを見つめながら、


「来週から期末テストがある。ちゃんと勉強しておけよ」


 その言葉に教室は騒がしくなった。


―――えー、テストやだぁ……。


―――どうしよう。私、もう中間テストまでの範囲忘れちゃった。


 テスト自体は1年に2回あり、1回目のテストはハイオーク戦の直後にあった。


 筆記は前世の知識を生かして、好成績。


 実技に関しては、筆記よりも成績が良かった。


 期末テストも高得点を取れるだろうな、と高をくくっている。


 これが転生チートだ! わーはっは。


 ……そんな余裕ぶっこいていると、足をすくわれるんだけどな。


 と、そんなこんなで1週間が過ぎ、期末テストが始まった。


 試験期間は3日間。


 最初の2日間で筆記試験があり、どれも簡単な問題だった。


 前世の記憶があるってのは、なかなかチートだよな。


 そして3日目に突入し、実技試験が始まる。


 試験の中に得意な魔法を発動する項目がある。


 俺は重力魔法を使った。……この魔法が俺の代名詞だからな。


 なんたって俺は【飛翔】のオーウェン! これを見せないで何を見せる?


「引力解放―――」


 10メートルの高さまで浮き、空を駆ける。


 と、まあこれだけだとつまらないから、ちょっと、魅せてやろうじゃないか。


 俺は空中でバク転し、ついでに高速移動。


―――いいぞ、いいぞー!


―――おおおお!


 観客の応援が気持ちいい。


 と、楽しく飛んで地面に着地する。


「オーウェン……。実技試験は遊びじゃないぞ。減点な」


 オーマイガッ! クリス先生に怒られてしまった。


 調子に乗りすぎたようだ……自重しよう。

 

 次にベルクが、身体強化を使って剣技をみせた。


 身体強化は魔法ではないが、そこは問題ないらしい。


 居合斬りをしたようだが、早すぎて動きが見えなかった。


 え、音があとから聞こえてきたんだけど?


 気のせいだよね?


 そして、ナタリーは雷魔法、ファーレンは聖魔法を使う。


 最後に……ドミニクの番になった。


 ドミニクは黙って訓練所の真ん中に立つと―――ぱっと俺の方に手のひらを向けてきた。


 何をする気だ……?


 俺は一瞬で警戒態勢に入った。すると、


「炎弾……!」


 ドミニクは魔法を放ってきた。


「土壁!」


 咄嗟に防御魔法を使う。しかし―――、


――――――ドオォーーーン


 壁はあっけなく破壊され―――目の前に炎弾が迫ってきた―――。


「顕現せよ、氷の盾!」


 これはやばい……そう思った瞬間、突如目の前に盾が出現。


 それによって守られた。


 あっぶねぇ……。


 危うく丸焦げになるところだった。


 それにしても……なんだったんだ……今の威力は。


 ドミニクの魔法なら、土壁でも十分対処できると思ったのに軽々と打ち砕かれた。


「おい―――」


 俺がドミニクを呼ぼうとした瞬間、


「何の真似だ、ドミニク」


 クリス先生がドミニクに咎めるような視線を向けた。


「やだなぁ、クリス先生……。ちょっとばかし、手が滑っただけですよ。―――そんなに怒らないで下さいよ」


「私には、わざとオーウェンを狙ったように見えたが……?」


「そんなわけないじゃないですか。それにオーウェンを狙ったって証明できるんですか?」


「……わかった。だが、魔力制御に失敗したということで、評価は下げさせてもらうぞ」


 以前から、ドミニクは乱暴なやつだったが……クリス先生の前では大人しかったはずだ。


 反抗期かよ、この野郎。


 俺はドミニクに苛立ちを感じて睨みつけると……逆に見下すような視線を向けられた。実技試験が終わると同時にドミニクに詰め寄る。


「……どういうつもりだ?」


「雑魚が何のようだ?」


「さっき魔法を放ったのは、どういうつもりだって聞いてんだよ!」


「言っただろ。手が滑っただけだって……。てめぇもしつこい奴だな」


 ドミニクはバンッと俺の胸を押して離れていった。


「くそっ……なんなんだよ」


 苛立ちが募る。その日は一日中、嫌な気分が続いた。


 そして、試験が終わり下駄箱で靴を履き替えたときだ。


「オーウェンさん……相談があります」


 ファーレンに声をかけられた。

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