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お姉ちゃんの荷造り

 お姉ちゃんはセーラー服が好きだけど、転校先の中学校はブレザーらしい。なので、一年間だけ着たセーラー服を大事そうに段ボールにしまっていた。

 でも逆に、今の中学のジャージはどこか野暮ったい深緑色だったから、それに比べて転校先のシンプルな紺色のジャージはお姉ちゃんの好みのようだ。

 だけど、引っ越しが決まってから深緑色のジャージを部屋着としてずっと着ていた……やっぱり転校するのが寂しいんだよね? 僕だってそうだよ……友達と離れるのは嫌だよ……でも仕方がないよね……。


 あと、いつも着ているトレーナーやジーンズ……普段着はお母さんが選んでたけど、中学に入ってからは殆ど自分で選んで着ていた。お母さんが選ぶのはカジュアルなのに対して、最近のお姉ちゃんはどこか可愛い感じのものを着たりしている。まぁ、どっちもいいと思うよ。でもさ、多分バスケ部の先輩が可愛い系の子がタイプだっていう事を友達のサキちゃんから聞いて……そう、ケナゲなオンナゴコロ? そんなのお姉ちゃんには似合わないよ。あのバスケ部の先輩ってそれ程カッコよくないし……ま、でも関係ないか。引っ越すんだし。新しい学校でもっとカッコイイやつがいるかもだし。


 もう殆どの荷物を段ボールに詰め終わったっぽい部屋は、机とベッドと……本がぎゅうぎゅうに入ってた本棚の中も綺麗さっぱり何もない。SFとかミステリー小説、漫画本は友達にあげたりして少しは減ったみたいだけどね。僕にも何冊かくれたけど……スポーツ系の漫画はいいとしてさぁ……少女漫画は読まないよ。推理小説も苦手だし……でも転校先で退屈だったら読むかもね。


 だいたい荷物を詰め終わったら軽く伸びをして、お姉ちゃんはベッドに座ってスマホを触り始めた。友達にLINEとか送ってるのかな?

 なんて思いながらお姉ちゃんの荷造りを部屋の外から眺めていたら……


「何見てんの! もう荷造りは済んだの?」


 この言い方、お母さんにそっくりになってきたな……だから僕はただ頷くしかない。


 でも……


「ねぇ、離れても連絡するからね……メールするから……」


 お姉ちゃんの言葉に、やっぱり僕は頷くしかないんだ。

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