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誤字脱字へんなとこあったらお願いします。
4月11日、早朝。
皆さん、おはようございます。迷宮主の紫です。
迷宮の試しが終わり現在、小夜の自宅の使われていない一室で迷宮内を観察しています。
今日も迷宮へ挑む者達が街灯に集まる虫のごとく集まっている。
冒険者と村人が犠牲を払いながら天然洞窟内の地図が埋まり、様々な組織が洞窟の外に拠点をつくっている事を確認。
犠牲で得られた迷宮へ還元されるエネルギー、迷宮内に滞在することで得られるエネルギーは迷宮の施設運用、迷宮で産まれた生き物達の維持へと回され活用されている。
それと同時に、死骸から還元されるダンジョンエネルギーではなく、生きたまま還元されるエネルギーに興味を持ち始めていた。
(どういった力を吸い上げているのだろうか?
生命力?
魂?
何なんだろか。
それに、攻略側は犠牲が出るたびに迷宮が成長すると理解していないのか。
迷宮の領域にした土地、水、空気を浄化し始めている。まるで、星自体が汚染されていると言わんばかりに。
調べるには、長い時間がかかる。
ちゃんと調べるために私は体調を戻し、迷宮を拡張し強くならなければならない。
)と考える。
私はまずは、DPの容量拡張。
現在、最大500まで貯められる。
地上、洞窟、迷宮地下一階に住む原生生物から徴収することにより、余裕で溜まる事を考慮し容量を5000へと拡張。
それから、天然洞窟と地下一階層の罠を致命傷を与えるものではなく行動を抑制するトラバサミと破片や釘をばら撒く爆弾とワイヤーを使ったブービートラップを追加。
地下一階の中立地帯の定住数を500人まで拡張。
使用できるDPがなくなり、機械生命体女王蟲から産まれた統括型機械生命体『アラクネ』幼体、蜘蛛型、蠍型を地下一階層に配置する。
「さてと、当分はこれで様子見か」と、椅子から立ち上がり朝食を作りに行こうとした瞬間。
さっそく洞窟に設置されたトラバサミに引っかかったアラームが鳴る。
「あ、こいつ。この前、私にボコられた見習い冒険者だ。
馬鹿かよこいつ」
画面向こうで泣き叫ぶ少年の姿に、私は鼻で笑った。
ーーーーーーーーーー
午前9時、リリス村の市場。
サザンカの道具屋で、迷宮の宝にする物を物色する私。
小型浄化装置と書かれたタグのついた商品と大型浄化装置の設計図を手に取る。
「サザンカのおっさん、これくれ」
「それか。どういった物なのか知らないが、新人冒険者が外界で回収して来たものだな。何か知ってるか?」
「ああ、まずは先に支払いだ」と、私はサザンカに代金を払い商品をバックへつめる。
「これはね、汚水だろうが海水だろうが飲水にろ過してくれる機械。まさか、外界にまだあると思わなかったわ」と説明する私。
「高く売らなかった俺も馬鹿だが、冒険者も馬鹿だな」と、サザンカは苦笑いする。
「次から高く売るとしてあんちゃん、聞いたか?
冒険者と若い村人の連中、だいぶ迷宮で犠牲を増やしているらしい。
そのせいか知らないが、冒険者組合に出資しているこの土地の領主が、さらに冒険者組合へ出資。
軍は探索者組合と他の組合と協力体制を築き、冒険者組合と対立したって話だ。
若い連中は、冒険に憧れてるし無理に冒険者へ勧誘された者もいる。気をつけな」
私はサザンカの話を聞きながら、追加で野菜や干し肉を買う。
「そりゃ大変だ。家帰って、物騒な連中に見つからないよう療養しよ」と、サザンカに別れを告げ、小夜の家へと小走りで向かう。
その途中の道の脇で、観測者のヒスイが立っていた。
私は立ち止まり、じっとヒスイを見つめる。
「おはようございます、紫さん」
「おはようございます、ヒスイさん。何かご用ですか?」とたずねる私。
「強敵が現れたとはいえ、迷宮の試験運用成功おめでとうございます。と、お祝いに来ました。
いまだ体調が万全ではない状況で、よく出来ていますよ。
東西南の迷宮主ときたら、侵略だ。ハーレムだ。支配だといい、前回の迷宮主様と同じ破滅へ向かっていますから」と、ヒスイは頭を抱えていた。
「観測も大変そうですね。おつかれ様です」と、他人事のように言葉をかけると、携帯端末が鳴る。
『探索者、軍人が採掘場を発見』と携帯端末に表示される。
「階段にだいぶ近づき、本格始動となりそうですね。これから、おもしろいものを見せてくださいね。紫さん」と、ヒスイが私の端末を覗き込み笑った。
ーーーーーーー
それから迷宮の改造を行ったその日の午後、迷宮に新人達が現れた。
私が惰眠を貪ろうと、ベッドに横になろうとした瞬間、携帯端末の警戒アラームがけたたましく鳴る。
侵入者は30人、正確には人狼6、下位吸血鬼6、小さな精霊3、黒い天使のような羽根を生やした悪魔3、幼い闇エルフ12
それを追いかける人と亜人の集団40人が洞窟内へと侵入。
「珍しい種族の連中が、追いかけ回されてるな」と、洞窟の奥へ逃げる連中を画面越しに見ている。人狼6人、下位吸血鬼6人が追いかけてくる集団の足止めをする。
しかし、数の暴力には勝てず吸血鬼は胴体と首を剣で斬られ、人狼は槍で貫かれ絶命する。
『残りは精霊、闇エルフ、悪魔か。悪魔、えらい美人だったな』
『闇エルフも育てば、美人になるぞ』
『はやく、とっ捕まえて奴隷商に売っぱらおう。物好きな貴族が買えば、我々の資金になる』
追いかける男達が、めんどくさそうに会話してる。
迷宮の力使って能力値見てみるか。
侵入者/男/年齢21
職業:冒険者
所属:冒険者組合、反乱軍
筋力:C:500
耐久:C:500
敏捷: E:200
器用さ:E:200
幸運:F:100
スキル
なし
ーーーーーーー
この歳でこの能力値、ありえないくらい弱い。よく、今の戦い勝てたな。
数の暴力か。
さて、どうするか。助けて、地下一階の中立地帯に住まわせる。
奴らを手伝い、逃げてる奴らを捕まえる。
全員まとめて皆殺しにするか、捕縛するか。
考えながら、画面を見つめる。
地下一階層へ下る階段前で、闇エルフの幼い少女が転び夢魔が抱きかかえ逃げる。
『静かに平和に暮らしていても、悪魔も悪魔に連なる者も、反乱軍にとっても、国にとっても駆除対象だ。
迷宮になんて、逃げやがって』
『バケモンは、くたばれ』
侵入者の口から出た言葉。
平和に暮らし、何も悪い事をしていない者に対しての非道な行い。
それは、軍人だった私にとって許されざる行為。
私が動く理由に充分だった。
「地下一階にいる蠍型と蜘蛛型機械生命体は、至急洞窟内にいる武装集団、5人ほど除いて処理。
アラクネは、逃げている悪魔と子供を救助」と、指示を出す。
そして、私は戦闘準備をし迷宮に転移門で移動するのだった。
ーーーーーー
北の迷宮地下一階に下る階段前。
追ってから逃げた悪魔と少年少女達の視界に恐ろしいものがはいる。
暗闇の中に蠢く何か、数え切れない赤い瞳。蜘蛛と蠍の怪物が、近づき私達を避け追っ手を襲った。
機械と生物が混じり合ったような怪物達は、左右上下に広がり追っ手が逃げられないように囲み1人1人を群がるように襲ってむさぼり食う。
「た、だすけてくれ」
「囲まれて、逃げられねぇ」
追っ手が10人を下回った所で、悪魔の顔を覗き込む統括の蜘蛛型機械生命体『アラクネ』。
蜘蛛頭の上に女性の身体が生え、機械と生物が混じる怪物。
(やられる)と、唇を噛みしめる悪魔をよそにアラクネは蜘蛛と蠍に指示を出す。
「お前たち、ヤメ⋯⋯ロ。なんにん⋯⋯か。5人、ホリョ⋯⋯スル」と、今だうまく喋れないアラクネの指示に蜘蛛と蠍が離れ5人が生きている。
「おっ、生きてたか」と階段から現れた迷宮主に、悪魔達は警戒する。
「とって食おうなんてことはしない。皆、助けたこいつら地下一階の中立地帯まで護衛。捕虜は、手当てして独房へ移動だ」
部下達が捕虜と助けた者たちを運ぶ所を見届けた迷宮主がつぶやく。
「助けたのが正しい判断か間違った判断か、わからんなぁ」
その言葉を拾った悪魔は、視界から消えるまで見つめるのだった。




