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ボールドウィン・ストライカー  作者: 三重野 創


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15/17

オルゴールで俺ゴール

 ワールドカップ前哨戦。日本代表にいつもの精彩がなく、惜敗に終わった。ここ5大会ほどは事前の盛り上がりに欠けるが、前大会の躍進を受け、注目度は鯉のぼりだ。


 日本代表の辞書に、練習不足の文字は無い。鎬を削る攻防戦で、後悔をしないためである。勝った時はあまり気付かないが、負けた時真っ先に思い当たるのは、練習不足である。試合前の緊張を落ち着かせるのは、あれだけやったんだという裏付けだ。


「どれだけ頑張っても、負けるときは負けるもんさ」

 頑張らなくてもいい社会など、まっぴら御免の決野。


「負けるってことは何かが足らなかったんスよ」

 そうやすやすと負けを認められない千田。実力が伯仲しているチームの勝敗を分ける物とは、何か。


「前線でプレスを掛けるのは今まで通りでいいと思います。それは上手くカット出来てましたからね」

 ディフェンスのオーバーラップも防げる。


「中と後ろで新顔を出したからかな。その辺の連携がな」

 決野たちも20歳前後なので、十分新顔だ。


「二大会続けて出れる選手のほうが稀っスからね。監督も色々試したいんスよ」

 急に総メンバー取っ替えは出来ない。


「アウェーだったってのが大きいと思いますけどね」

 ところが、日本人以外にも侍ブルー旋風が起きている。

 

「そんなダセー言い訳してんじゃねーよ」

 半分の負けを認めることになる。


「外弁慶になるんだよ、ノボル」

 かあちゃんには頭が上がらないが、外でバリバリ働くのが日本男児である。千田も彼女の言うことをはいはい聞く。


「家では大人しいのに学校ではっちゃける子っていますよね」

 あばれはっちゃくのように逆立ちすると、本当に良い考えが浮かび上がる。


「野球でもあるだろ、応援歌や登場曲が。ああいうのが欲しいよな」

 その大会のテーマソングならあるのだが。


「93年のCAMPIONE NIPPONみたいなやつですね!」

 ドーハの悲劇は動画で何度も見ているノボル。


「メロディはあのままでいいんだよな。選手名と歌詞を替えりゃいい」

 なるべく後ろで登場して欲しいと思っている千田。


「あとは攻撃の時のイメージソングだな」

 ムード盛り上げ楽団のような効果は確かにある。


「俺ら三人はトライガンって通り名が付いてますから、やっぱH.Tっスね」

 超攻撃サッカーにピッタリだ。


「それとメガデスのHoly Wars ですね!」

 人類の最終決戦にも相応しい。








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