104話 「仲間」
翌日、北西部への出発の為に大門に来た一同。
「なぜお前がいるんだ」
「丁度また北西部に用があるんで、同行しますよ~」
私とシルフさんの隣に当たり前のように立っているが…
「まぁ、ふざけたやつではあるが実力は本物だ。きっと役立つだろう。」
「ひどい言われようだなぁ」
「よろしくお願いします、エナンジさん」
「ん~?フェリスちゃん違うよ?」
「え?」
「もぉ~呼び方だよ、エナと呼んでおくれ」
「あぁ、あはは…」
「はぁ…エナンジ、おまえが旅に同行する事は百歩譲って認めよう。だが、フェリスを口説くようであれば…」
「わーかってますって!さ、行きましょ!」
少し旅が賑やかにはなるだろうけれど、いざこざも増えそうだ…
マスターとユウビの手を降る姿が小さくなり、もう見えなくなった頃…
大門を出てからエナは一秒も黙ることなく喋り続けていた。
「本当に彼で大丈夫でしょうか?」
「何か心配な事でもあるのかいユウビちゃん?」
「確かに我がギルドでも上位に入る実力者ですが、どうも掴み所の無いというか…」
「それでも、あの二人にはエナの力が必ず必要になるときが来るさ」
「なぜ言いきれるのですか?」
「なぜってそりゃあ…おぉ、ユウビちゃん顔怖いよ」
「なぜですか?」
「それは…」
「少し宜しいでしょうか?」
二人の背後から声をかけてきたのは王直属の兵士だった。
「珍しいな、普段は城から出てくる事はないだろうに、どうしてまた…」
「マスターザウール殿、貴殿のギルドにノアの一族の女が所属していると噂を聞いたが、それは本当か?」
「あんたらに何か関係あるのか?」
「大いにある。その女は王都…いや大陸全土に関わるからな」
「なんだそりゃ?」
「とにかく、ノアの一族の女を引き渡してもらおう」
「もうここにはいませんよ」
「貴殿はユウビ・ミュラー殿だな?それはどういう事だ?」
「そのままの通りです。もう既に出発して…」
「総員!!馬を走らせろ!!」
兵士の号令と共に、背後から馬に乗った兵士達がフェリス達の歩いていった方向へ向かった。
「一体何を…!!」
「いくら王直属の兵隊さん達といえど、うちのメンバーに何かしようってんならマスターである俺が黙っていないが?」
ザウールがわざと自身の手首を噛み千切り、血を流した。
「分かっているのか?こちらに攻撃しようものなら反逆罪で刑罰に処されるぞ?」
さらに背後から複数の歩兵が現れ、ザウールとユウビを囲むようにして槍を向けた。
「ったく…なぜ貴様らがフェリスを探しているかは良く分からんが、久しぶりに暴れるぜ…」
グルォォォォォォォォォォッ!!!




