スーサンあらわる。
嗣原総三郎
株式会社ネクスト総合経営 代表取締役社長
趣味
波止場で海釣り
映画鑑賞
好きな映画
幸福の黄色いハンカチ
男はつらいよ
釣りバカ日誌
その日もオレは一人ぼっちになったオフィスでカチャカチャとPCに向かって夜なべをしてる。
「あー!もう!あっちいけ!」
あの日、妹に説教されて以来、頭のなかはモヤモヤだらけ。
そりゃ二海由樹にはしあわせになってもらいたいと思う。だけど、自分が幸せにしてあげれるかどうかは“?”だ。
じゃあ自分は…。なんだかなー!
髪をくしゃくしゃっと軽くかく。
そして、そのゆびの股に引っ付いた抜け毛に絶句する。
「歳を思いしれハゲ!」と抜け毛が言っている…気がする…(泣)
オフィスから見える遠くの山々は紅葉が始まっている。しかし、秋の日は釣瓶落としの如く。夜の帳はすっかり落ちた。
今は夜の星々と見分けがつかない山裾の家々の明かりがぽつりぽつりと見える。
勤務時間中は仕事に忙殺され、気にならないけど、夜ひとりになったらモヤモヤがやってくる。
おかげで残業がはかどらないこと。たまんないな。
ちなみに残業代は出ない。なんせ管理職だから。
誰だよ。勤勉性の欠片も無いオレを管理職にしたのは。そしてオレに残業させやがって。社長の顔が見てみたいよ。クソ。
「よんだ?」
「わわを!社長!」
継原社長がいきなり目の前に顔を出した。
「いきなりなんですか!いらしたんですか?!」
「呼ばれた気がしてね。しばらく前からいたけど、気づいてくれないんだもん。」
“カンと経験の一代目”というが、カン鋭すぎです。社長。
「で、ハマチャンは何を悩んでるの?」
「いらしたなら声くらいかけてくださいよ!ちょっ、てか!なんですか“ハマチャン”て!蒲生和弘のどこにもあてはまんないですよ!」
「ふたりのときはスーサンでいいよ。ハマチャン。」
「意味わかんねーすよっ社長!なんですか、オレが仕事もロクにしない釣りバカのグータラ社員ですか!」
釣りあんまりしたことないけど。昔はザリガニ釣りの和ちゃんだったけどね。
「わははは!青年!オレの尊敬する人が言ってたよ。燃えるような恋をしろ。大声出してのたうち回るような、恥ずかしくて死んじゃいたいような、恋をしろ!だ。わかったか。」
…いえ、中年です。…とは言えなかった。社長が背中をバンバン叩くから。ああ、昔親父とビデオで聞いたことのあるようなセリフありがとうございます。




