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面接②

私事により更新ペースがかなり落ちます。申し訳ないので自分で作って遊んでるゲームを貼ります。完全無料なので遊んでみて下さい。感想もあれば嬉しいデす。*サイズを軽量化するために初期のVerにしてます。なのでスマホでも遊べると思います。

https://naraku-chikujo-2026.hezhenzhuxia24.chatgpt.site



「それじゃあ、次の人どうぞー」


俺が扉へ向かって声をかけると


「おう!」


バンッ!


勢いよく扉が開いた。


「おお!?」


俺達全員が少し驚くとそこに立っていたのは俺より頭一つ以上大きな少女だった。


赤みがかった肌に額から伸びる二本の角と筋肉質な腕はどう見てもオーガだ。


「オレの名前はクロエル!」


少女は堂々と胸を張る。


「よろしくな!」


そして俺達が何か言うより先にドスンッ!と椅子へ腰を下ろした。


「……」


「……」


「……」


ぷる。


元気だなものすごく。


「あの」


ミレイアが少し戸惑う。


「まだ何も言っておりませんわ」


「ん?」


クロエルが首を傾げた。


「自己紹介するんだろ?」


「まあ、そうなんだけど」


クロエル

十九歳

オーガ


現在は学生・・・と履歴書には書かれている・・・


「今は学生なんだな!」


「おう!」


「どうしてバイトを?」


「実績作りだ!」


即答だった。


「実績?」


「オレは中央魔兵騎士団志望なんだ!」


クロエルは拳を握る。


「学校を卒業したら絶対に入る!」


「おお」


中央魔兵騎士団とは魔神連邦でも名の知られた精鋭部隊だ。


当然採用試験も簡単ではない。


「じゃあ、就職前の経験を積みに来たのか?」


「ちょっと違うぜ!先生から言われたんだ!」


嫌な予感がする。


「なんて?」


「筆記試験が絶望的だって!」


「……」


「……」


「……」


ぷる。


思った以上にはっきり言われているんだな。


「それは……」


エリシアが言葉を探すがクロエルはむしろ胸を張った。


「だから一般枠の採用じゃ無理そうなんだ!」


「そこ、誇るところなのか?」


「でも方法はある!」


クロエルが人差し指を立てる。


「スカウトだ!」


「スカウト?」


「おう!」


中央魔兵騎士団には通常の採用試験とは別に実戦で目立った功績を挙げた者が、直接声をかけられる場合があるらしい。


「だから!」


クロエルが机を叩く。


「人類圏のど真ん中にあるダンジョンで暴れまくる!それで有名になる!そして中央魔兵騎士団からスカウトをもらう!」


まったく止まらない。


エリシアは感心したようにクロエルを見る。


「へー!そんなルートもあるんですね!」


「かなり稀ではありますけど……」


ミレイアが頷いた。


「人類圏のダンジョンで多大な功績を挙げると、スカウトされる場合もあるという噂を聞いたことはありますわ」


「だろ!」


クロエルが嬉しそうに指を差す。


「お前!分かってるな!」


「人を指差してはいけませんわ」


俺はクロエルを見る。


「人類圏のど真ん中だからってだけで、ここを選んだのか?」


「それもある!」


「それも?」


「募集に書いてあっただろ!」


クロエルはぷる吉を見る。


「戦闘経験不問!」


ぷる。


「でも能力に応じて戦闘業務あり!」


ぷる。


「危険業務手当もある!」


ぷる!


ぷる吉が少し誇らしげに跳ねる。


「オレにぴったりだ!」


なるほど求人票がちゃんと刺さっていたらしい。


「得意なことは?」


「殴る!」


「他には?」


「蹴る!」


「他」


「ぶん投げる!」


「・・・戦闘しかできないわけだな」


「まあな!」


分かりやすい。


今までうちには戦闘を専門にする人員がほとんどいなかった。


「戦闘メインの人員はいないからありがたいな!」


「だろ!」


クロエルがニッと笑う。


「う~ん!採用!」


「よっしゃあ!」


クロエルが立ち上がった。


「早いですよ!」


エリシアが叫ぶ。


「だって欲しかった戦闘員だぞ?」


「せめてもう少し質問しましょうよ!」


「じゃあクロエル」


「おう!」


「遅刻する?」


「朝は強いぞ!!」


「仲間の言うこと聞く?」


「ああ!!騎士団では上官の言うことは絶対だって先生から聞いてるからな!」


「……俺の言うことは?」


クロエルが俺をじーっ。と見つめる。


「たぶん聞く!」


「採用!」


「基準が軽いです!」


まあ問題ないだろう。


少なくとも働く理由がはっきりしていて、しかもその理由が”実績”が欲しいというものなら・・・つまりやる気もあるということだろう。


「細かい勤務日や契約についてはぷる吉と相談してくれ!ただ基本的には学業を優先して貰うからな!」


「おう!」


ぷる!


クロエルはすぐにぷる吉の横へ移動した。


「よろしくな! ぷる吉!」


ぷる。


「契約ってどこに名前書けばいい?」


ぷるぷる。


「そこか?」


ぷる。


「分かった!」


・・・やっぱりプル吉は俺より人事向いてないか?


「さて」


俺は最後の履歴書を見ると残る応募者は一人。


「次の方どうぞ~」


今度はすぐに返事が返ってきた。


「はい! 失礼します!」


コンコンとノックがなり、合図と共にゆっくり扉が開く。


「おお」


礼儀正しいじゃないか!さっきとの差がすごい。


「失礼します!」


入ってきたのは二足歩行の――


犬だった。


茶色でふわふわくるくるの毛並みにくりくりとした丸い目。細長くはない鼻先にそして全体的に小さいフォルム、その姿はまるで・・・


「……」


どう見てもトイプードルだ。


「どうぞ、座ってくれ」


「はい!」


犬いや青年がちょこんと椅子へ座る。


足が床に届いておらずぶらんぶらんと揺れている。


ちなみに本人はものすごく真面目な顔をしている。


「それでは」


俺は履歴書を確認する。


「名前と自己紹介をお願いします」


「はい!」


青年は背筋を伸ばし胸を張る。


「ボクは誇り高きウェアウルフの一族!セヴェルと申します!なんでもします!」


「……なんでも?」


「はい!」


かなり肩肘を張っているが緊張しているのだろう。


「ウェアウルフですの?」


ミレイアが目を輝かせた。


「はい!」


「まあ!」


ミレイアが少し身を乗り出す。


「ウェアウルフの一族と言えば、魔神連邦でも有数の力を持っていると言いますね!」


「はい!」


「その強靱な爪に!」


セヴェルが少し固まる。


「鋭い牙は!いかなる敵をも討ち滅ぼすと言われています!」


「……」


セヴェルがゆっくり俯いた。


俺もセヴェルを見てみるが特に手はふわふわで肉球がふにふにしている。口元は小さくかわいい。


「爪と牙……ねえ」


「うっ」


セヴェルの身体が震えた。


「あ」


ミレイアがようやく気付く。


「あのあの~……」


「いいんだよ」


セヴェルが小さく言った。


さっきまでの勢いが消えた。


「た、確かに」


前足いや手を見る。


「ボクには強靱な爪も牙もないんだよ……」


「……」


「走るのも・・・そんなに速くないんだよ」


「そうなのか」


「力も……」


さらに小さくなる。


「普通のウェアウルフよりずっと弱いんだよ」


エリシアが少し困った顔になる。


「でも!」


セヴェルが急に顔を上げた。


「がんばります!」


大きな声だった。


「なんでもしますから!」


椅子から身を乗り出す。


「どうか雇ってほしいんだよ!」


必死に懇願する姿を横目に俺は履歴書を見る。


二十歳

ウェアウルフ

職歴はなし

資格なし

特技は特になし。


「今まで働いたことは?」


「ないんだよ」


「学校は?」


「高等学校は出たんだよ!学院には行かせて貰えなかったけど・・・」


「戦闘訓練は?」


「一族で少しだけ……」


「ぶっちゃけ戦闘は得意?」


「……」


黙った。


分かりやすい。


「手先は?」


俺が聞くとセヴェルは肉球を見る。


「……たぶん不器用なんだよ」


「たぶんか」


「はい……」


なかなかだな


悪い意味で


「どうしてうちに応募した?」


セヴェルの顔が曇った。


「実家を……」


ぽつり。


「見返したいんだよ」


「実家?」


「ボクの一族は」


セヴェルは自分の手を見る。


「強さを誇りにしているんだよ」


ウェアウルフは高い身体能力に鋭い爪、そして強靱な牙を持つ魔族の中でも戦闘に向いた種族として知られている。


だがセヴェルはトイプー型だった。


「子どもの頃から」


苦笑する。


「お前はウェアウルフじゃないって、よく言われたんだよ」


エリシアの顔から笑みが消える。


「同じ一族なのにですか?」


「そうなんだよ」


「種族が同じなら仲間じゃないですか!」


セヴェルは少し笑った。


「でも」


成人した時に家を出された。


形だけは自立としてだが実際は違う。


戦えない者を一族の家へ置いておきたくなかっただけだ。


「それで」


セヴェルは拳を握る。


「ちゃんと働いて」


小さく震えている。


「ちゃんと役に立って・・・いつか」


顔を上げた。


「ボクだって一人で生きていけるって証明したいんだよ!」


なるほど俺は頷いた。


悪い奴ではない。


むしろかなり真面目だ。


ただ力がないだけ。


「あの」


エリシアがそっと俺へ近づいてきた。


小声で耳打ちする。


「資格や経験もないみたいですし……」


「そうだな」


「一人しか応募がなかったらよかったんですが……」


エリシアが少し言いにくそうにする。


「さ、さすがに・・・今回は・・・採用しませんよね!?」


「う~ん……」


セヴェルの耳が下がりエリシアが俺を見る。


ミレイアもぷる吉もこちらを見ている。


「………………採用!」


「そ、そうなんだよ……」


セヴェルが俯いたまま言う。


「いくらなんでもボクなんて雇われるわけないんだよ…………え?」


「だから採用だよ」


「ボクが?本当に?」


「本当に」


「な、なんでですか!?」


ついにエリシアが大声を出した。


「なんでって・・・まあ」


俺はセヴェルを見る。


「何かはできるだろ?本犬もやる気みたいだし」


セヴェルの耳がぴくりと動く。


「とりあえずやってみようぜ」


「そんな理由ですか!?」


「十分だろ?」


働いたことがないなら働いてみればいい。


得意なことが分からないなら一緒に探せばいい。


何もできないと決まったわけじゃない。


まだセヴェルは何もやっていないだけだ。


「じゃあ、まず掃除からだな」


「はい!」


「運搬も軽いものならできるだろ」


「できます!あと!実は嗅覚なら自信があって!」


そこでセヴェルが止まる。


「あ」


「どうした?」


「嗅覚なら」


少し自信なさそうに。


「普通の魔族よりは、かなりいいんだよ」


「やっぱりあるじゃないか!得意なこと」


「え?」


セヴェルが固まる。


「あ……」


「使えるだろ!絶対それ!」


セヴェルが自分の鼻に触れた。


「初めて言われたんだよ」


「何が?」


「ボクにもできることがあるって!」


俺はぷる吉を指差す。


「契約は人事部長と詰めてくれ」


ぷる!


セヴェルはぷる吉を見て勢いよく立ち上がった。


「は、はい!」


深く頭を下げる。


「頑張ります!」


「そこまで力まなくていいぞ」


「はい!」


こうして最後の一人セヴェルも採用となった。


「……」


エリシアが遠い目をしている。


「これって面接する意味、ありました?」


「あるぞ」


「どこにですか!?」


「誰にどんな仕事を任せるか分かっただろ」


「そういう面接だったんですか!?」


そういう面接だよ・・・最初から。


俺達に必要なのは完璧な奴ではない、働いてくれる奴だ。得意なことがあるならそこを使えばいいし分からないなら一緒に探せばいい。


「よし」


俺は四人分の履歴書をまとめ、明日からの防衛に想いを馳せた。

もし少しでも

「続きが気になる!」

「面白かった!」

と思っていただけたら、

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それではまた次回!

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