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求人募集

ぷるぷる

ぷるぷる


小さな洞窟の中で数十匹ほどのスライム達が元気よく跳ね回っていた。


その光景を見ながらエリシアは目を輝かせていた。


「なるほど!このスライム達を使って人間達を殺戮するんですね!」


「いや、それは無理だな」


ライムはあっさりと言い切った。


「え?無理なんですか?」


「無理だな」


「でも、こんなにたくさんいますよ!」


「数の問題じゃないんだよ」


ライムは足元に落ちていた小石を拾い近くで跳ねている一匹のスライムへ向けて軽く放る。


こつん。


ぱぁん!


スライムが弾け飛んだ。


「ええええええええええっ!?」


エリシアの悲鳴が洞窟に響いた。


「マ、マスター!?殺しちゃいましたよ!?」


「大丈夫、大丈夫」


ライムは慌てる様子もなく、飛び散ったスライムを集め始める。


「ほら。ごめんよ~」


ぷるぅ……。


集めたスライムの身体へ魔力水をかける。


すると飛び散った身体が少しずつ集まり始めた。


ぷるぷる


数分もしないうちに元通りのスライムへ戻っていく。


「おお!」


エリシアが手を叩く。


「凄いです!」


「再生能力だけは高いからな」


「じゃあ、やっぱり戦えますね!」


「いや」


ライムは首を振った。


「戦っている間に何回弾け飛ぶと思ってるんだ?」


「……あ」


エリシアが黙った。


目の前では復活したスライムが何事もなかったかのように跳ねている。


ぷるっ!


「こ、これじゃあ、弱すぎますね……」


「そういうことだ」


ライムは苦笑した。


スライムは弱く魔物の中でも最弱種に数えられる存在だ。


繁殖能力

再生能力

環境への適応力


優れた部分はいくつもある。


だが戦闘能力だけはどうしようもなかった。


「もちろん、高位種になれば話は別だぞ」


ライムが言う。


「高位種?」


「ああ」


「それより上の特殊個体もいる。エリシア、お前みたいにな。」


「じゃあ!」


エリシアの顔が明るくなる。


「この子達を進化させればいいんですね!」


「簡単に言うなよ」


ライムは頭を掻いた。


「普通にやれば進化には年単位は必要になる」


「え?」


「スライムに限らず魔物が高位種へ進化するには、”長い時間”をかけて魔力を蓄積しないといけない・・・それに」


ライムは隣で跳ね回るぷる吉を見る。


「どんなスライムでも強くなれるわけじゃない・・・進化には才能も必要なんだ」


「才能……」


「そうだ」


ライムは頷いた。


「俺のスライムマスターがあれば確かに普通より遥かに早く育てられるし、進化も手助けできる・・・けど、それでも今すぐ戦力を揃えるのは無理だな」


エリシアは考え込んだ。


「じゃ、じゃあどうするんですか?」


「求魔人を出す」


「きゅうまじん?」


「ここでダンジョンコアの機能を使うんだよ」


ライムはダンジョンコアへ向かった。


その後ろをエリシアがついていく。


ぷる吉もぷるぷると跳ねながらついてきた。


「ダンジョンコアには契約書作成機能があるって言っただろ?」


「はい!」


「その機能は魔神連邦の職業紹介所ともつながってるんだ」


ライムがコアへ手を置くと光の文字が浮かび上がった。


━━━━━━━━━━━━


各種契約機能


・労働契約書作成


・業務委託契約書作成


・階層主契約書作成


・求魔人票作成


・魔ロウワーク掲載申請


━━━━━━━━━━━━


「おお!」


エリシアが目を輝かせる。


「魔ロウワーク!」


「知ってるのか?」


「もちろんです!」


エリシアは胸を張った。


「魔神連邦最大の求魔人情報網ですよね!」


「そうだ」


魔ロウワーク。


魔神連邦全土のダンジョンと、仕事を探している魔物をつなぐ職業紹介制度である。


ダンジョンマスターが求魔人票を掲載。


それを見た魔物が応募する。


契約が成立すれば、魔ロウワークを通じて正式な労働契約を結ぶことができる。


「さっそく求魔人を出すぞ」


「はい!」


ライムは求魔人票を作り始めた。


エリシアが隣から覗き込む。


━━━━━━━━━━━━


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※現在、福利厚生施設は順次建設予定です。

※報酬は業績及び貢献度により変動します。


━━━━━━━━━━━━


「よし!」


ライムは満足そうに頷いた。


「完璧だな!」


「凄いです!」


エリシアも目を輝かせる。


「これなら即座に幹部クラスの人材を集めることができますね!」


「そうだろう!そうだろう!」


笑顔で頷き合う二人の横でぷる吉だけが求魔人票をなんとも言えない表情で見つめていた。


ぷるぅ……。


何故だろう。


その顔は本当にこれで大丈夫か?


そう言っているように見えた。


「なんだ、ぷる吉?」


ぷるぅ。


「心配するな!」


ライムは胸を張った。


「明日には応募者が殺到してるさ!」


「新たな楽しみですね、マスター!」


「ああ!」


ぷるぅ……。


翌日


応募者は一人も来なかった。

もし少しでも

「続きが気になる!」

「面白かった!」

と思っていただけたら、

【★★★★★】や【ブックマーク】を押していただけるとめちゃくちゃ励みになります!

それではまた次回!

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