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悪夢そして母校へ

032


「ロシアンルーレット」

リボルバー式の拳銃に一発だけ弾丸を装填し、

適当にシリンダーを回転させてから自分のこめかみに当て引き金を引くゲーム。

ゲームというより罰ゲームだ。

その罰は死が待っているのだから。


それを僕は母校で行っている。

勤勉を尽くした「NEO東京大学」にて。


僕の番が来た。

リボルバー拳銃を手に取り

僕は銃口をこめかみに当て引き金を引いた。


バン!!!!!!!!!!!!!!!!!



「・・・・・・はぁはぁ。またあの夢か」

いつか見た悪夢。

決して消えない追憶の記憶。

あの悪夢を見るなんて久しぶりだ。

処刑人になってからもう二年位になる。

それから何故だかあの悪夢は見なくなったのだが。


大量の汗が僕の全身から流れていた。

人間は寝ている間に五百ミリリットルの汗をかくという。

僕のこの汗はそれ以上の量だった。

「シャワーでも入るか」

僕の全身から出た汗を流すべく、読者サービスなんてものはない。

男のシャワーが始まる。


シャワーから上がって僕はふと、

郵便受けに手紙が入っているのを発見した。

このご時世、手紙なんてものは珍しい。

皆、電子メール、立体ホログラムメールを使うものだ。

あ、スティシーさんも手紙使ってたっけ・・・・・・


手紙の差出し人は、

僕の母校、

「NEO東京大学」の学長からのものだった。

早速封を破り手紙の内容を確認する。


「須藤くん。日頃の活躍。私の耳にも届いているよ。

本日午後九時に私と二人で話さないか?学長室で君を待っているよ」


達筆な筆での文章だった。

先生らしい字だ。


だが何故学長を先生と呼ぶ?

違和感を感じた。


僕は朝の日課を行い。

昼は事務所で処刑の依頼を受けてこなし、

少し早く早退をした。


着替えるのは面倒だった。というか。

僕の処刑スタイルは全身黒のスーツに黒の革靴だ。

母校に行くのにこれほど相応しい服装はないだろう。

今日の依頼では返り血などは浴びてない。

ピカピカの新品スーツだ。

このままの服装で行こう。


僕は愛車エアドライブに乗り、

夜のNEO東京大学に向けて発進した。


突然だが、今から僕が話す物語は本当につまらない。

最初から重大なネタバレを言おう。


楓さんも社長も魔夜さんもこの話には一切出て来ない。

そして他の処刑人達さえも。

そして最期は「バッドエンド」を迎える。

それを覚えていて欲しい。

どうあがいても絶望。確かそんなキャッチフレーズのゲームがあったような・・・・・・


僕の母校、NEO東京大学についた。

時間は午後七時。

予定の時間より二時間早いけど、

車で仮眠をとり時間でも潰そうか・・・・・・いや久しぶりに見学でもするか。


外部から見える母校の内部はまだ明るかった。

もう普通の生徒達は皆下校しているのであろう。

後は教授達や研究生、院生を残しているだけで。


普通の生徒?普通の生徒とはなんだ?

自分が出した考えに引っかかる部分があった。


車を駐車場に停め、

正面玄関に向かって僕は歩きだした。

玄関に僕を迎える?人影が見えた。

誰かを待っているのかな?

いや確実に僕に手を振っている。

僕はその人影に近づいた。


「久しぶりです先輩。さすがいい車に乗っていますね。よっエリート!!」

「えーと誰でしたっけ?」

元気で溌剌とした声の学生。

ニット帽をかぶり、ロング丈のニットカーディガンに

下着が見えそうなスカートを履いた、

スレンダーの美学生。


だが僕は覚えていなかった。


「もう。忘れたんですか~?檜山、檜山翠ひやますいですよ」

「あ~あ!!僕の三年後輩の檜山くんね」

「二年です。私は四年生です。先輩。絶対覚えてないですよね?」

「・・・・・・すいません」

図星であった。

僕はこの後輩どころか、この学校での記憶が曖昧だ。

確かに四年間勉強しっぱなしだったのは覚えている。

僕は自慢だが、常に学力テストで一位をキープしているのだった。

ずっと勉強していたのと、本来の学力のおかげでだ。

自慢ウザイ?


「先輩、先~輩。聞いているんですか?悦に入っているんですか?」

檜山くんが話しかけていたようだ。

僕は自分の世界に入ってしまうと中々抜けられない性格だ。

檜山くんの声で我に返る。

「先輩。確か時間は会合の時間は九時でしたよね。それまで学校を周りませんか?

たぶん覚えてないでしょうから。私がご案内させていただきます。

構いませんよね?時間ありますよね?先輩」

「ああ、いいかもね」

僕はこの檜山くんと学校内を周ることとなった。

元々車内で仮眠を取るつもりだったので丁度いい。

はて?何故檜山くんは学長と会うことを知っているのだ?

学長から会合の話を聞いたのかな?

まぁそんな細かいことは聞くまい。


「さ。逝きましょ。先輩」

「なんか行くという字が違うような気がするのだが」

「気のせいですよ♡」


檜山くんがIDカードで玄関のロックを外す。

二年ぶりの母校。

変わらない外観。入念なロック。

僕は母校の中に足を運んだ。



今回は僕の記憶を辿る物語。

僕の四年間の忘れられていた記憶を取り戻す物語。


最悪の最期でこの物語は終わるのだけど・・・・・・


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