可憐なる処刑の華達を乗せて
026
「いや~緊急招集がかかって良かったよ~。今日の数学のテスト、勉強してなくってさ~。
招集かかればテストは免除だよね。免除されるよね。未来ちゃん?」
「・・・・・・」
「も~う。変態が運転しているからって緊張しすぎなんだよ~」
「・・・・・・緊張はしている」
「お、喋ったね。未来ちゃん。」
「・・・・・・楓ちゃん。・・・・・・うるさすぎ」
「わかったよ~。ちょっとだけ黙るよ」
「・・・・・・ありがと」
女子高生二人を乗せてドライブという最高のシチュエーションなんだけれど。
楓さんが、さんざん僕を友達に変態と紹介するので車内の空気は最悪だった。
とりあえず僕からこの友達に少し話をしてみようか。
「え~と霧崎未来さんだったよね。楓さんは学校でどういうキャラなの?」
「・・・・・・ウザイ」
楓さんに言ったのか、僕に言ったのかわからない。後者なのか!?
「正一に言ったんだよ。ね~未来ちゃん」
マジですか。どんだけ嫌悪感を与えたんだ僕は。断じて変態ではないぞ。
「・・・・・・楓ちゃん。・・・・・・勝手な解釈しないで」
「わ、私なの!?ウザイって」
「・・・・・・そう」
「正一。私、超ショックなんだけれど~。慰めてよ」
逆に僕が慰めてほしいものですが・・・・・・
とりあえず助手席の楓さんの頭をなでであげた。
「エヘヘ。ちょっと回復したかも♡」
良かった。良かった。
顔面にパンチが飛んでくるかと思ったが選択は間違っていないようだった。
あ。そういえば何故、普通の女子高生の未来さんが僕の車に乗ったのだ?
疑問だ。聞いてみるか。
「霧崎未来さん。未来さんでいいですよね?」
「・・・・・・うん。・・・・・・いいよ」
「なんで未来さんも僕の車に乗ったの?」
「・・・・・・仕事」
仕事・・・・・・仕事というのは処刑のことか?
だが招集されたのは世界のSランク以上の処刑人だと聞く。
Sランクにこんな子がいたはずはないが・・・・・・
「正一。知らないの?」
「何がです。楓さん?」
「この「貧乳」黒髪美少女はね~」
その時車内の空気が一瞬張りつめたのを感じた。
「・・・・・・楓ちゃん・・・・・・今なんて言ったの?」
「この「ツルペタ」「貧乳」美少女はね~」
「・・・・・・変身」
突如。某初代特撮ヒーローのような構えを取る。未来さん
「え!?」
後部座席の未来さんの左の腕輪から激しい閃光が放たれる。
「処刑の華。光神機・装着
斬り裂きミラ。ドライブ!!。」
「・・・・・・」
「どうした須藤さん。そんな顔をして」
突然、後部座席に現れた仮面の変身全身装甲ヒーローに戸惑う僕。
「・・・・・・てゆうか未来さんて」
「そうさ。私は特Sランク処刑人。ミラだ」
「・・・・・・」
口調と態度が変わりすぎだよ。
さっきまでの暗い未来さんはどこに行ったのだ。
てか未来さんがあの特Sランクの仮面の処刑人、素顔を公開してないミラで。
あ~もう何がなんだかわからない。
「大丈夫だ須藤さん。困惑するな。気持ちはわかるぞ安心したまえ。
霧崎未来がミラだということを世間に黙っていてくれれば処罰はしない」
なんか恐ろしいことを言っているよ。後ろの人。
処罰とはなんだ!?
「変身してもツルペタなんだよね~ミラちゃ~ん♡」
ポンポンとミラさんの胸を叩く楓さん。
「私の気にしていることを何度も何度も言うな!!貴様から処罰するぞ!!」
後ろの変身ヒーローが構えを取った。
「KILLBLOOD覚悟。光神機解放。」
ミラさんの装甲の腕の部分が光を放ち始める。
「お!!ミラちゃん殺るき?」
楓さんが怨月の柄に手をかける。
「僕の愛車の中で闘わないで下さーい!!!」
「・・・・・・すまない」
「処刑人同士の私闘はNGだもんね。ゴメンネ☆」
僕の叫びで彼女達の戦闘は回避された。
良かった。良かった。
「面白いでしょ?未来ちゃんの変身っぷり」
「流石にちょっと引きましたけどね」
「何に引いたんだい。須藤さん」
後ろで腕を組んで座っている、豹変したあなたにだよ!!
仮面の下側の口元の部分から覗く唇は、
確かに未来さんのものだけど、明らかにテンションが違う。
二重人格か?それともこれが本来の性格なのか?
ハーフ・ヴァンパイアの女子高生処刑人
特撮ヒーローまがいの仮面変身女子高生処刑人
車内に危険人物二人を乗せて走る僕のエアドライブ。
安全に目的地に着くのだろうか?
「私が乗車している限り車内は安全だぞ」
「同じく☆」
不安だっつーの。
特にこれと言ったイベントは発生せず。
処刑連盟本部に到着した。




