最悪の出会い
025
朝はトマトジュースとパンケーキ。
毎日の食事と運動によって僕の体は常に健康体だ。
この後日課である、
腕立て伏せ 二百回
腹筋 二百回
背筋 二百回
ランニングマシン 十キロ
をこなして事務所に向かうつもりだ。
おはようございます。
須藤正一です。
僕は飲みかけのトマトジュースを全て口に含んだ。
「全世界のSランク処刑人に告ぐ。私の挑戦に挑んでみせよ!!」
テレビの映像が急に切り替わり、
楽し気な音楽と共に
笑顔の仮面をつけた人物が急に大声で画面に指を差し叫んだ。
ブー!!!!!!!!!!!!!!!
僕は口に含んでいたトマトジュースを全て吹き出してしまった。
なんだ電波ジャックか?よくもこの和やかな朝を邪魔してくれやがって。
僕はテレビのチャンネルを変える。
だがどのチャンネルも仮面の人物からの挑戦状だった。
「全世界のSランク処刑人達。見ているかな?私の名前は『ファントム』
君達凄腕の処刑人を憎む者さ。君達に挑戦状だよ」
「『ファントム』だって!?」
僕はまじまじとテレビの画面に食いつく。
「私が製作した最強の処刑人殺戮マシン。「Killers9」見えるかな?
ジャーン。これを丁度今夜の零時丁度にここNEO東京で起動させるよ。
Sランクの処刑人でも勝てないと思うよ。さぁ今日の零時に
凄腕の処刑人達~NEO東京に集合だ。
まぁ来ない場合はそれなりの覚悟をしておいてね~バイバ~イ」
テレビが元のニュース番組に切り替わった。
あまりの急展開に僕は困惑していた。
『ファントム』
2040年。全世界を震撼させた大量殺戮者。
ダークソウルの拡散事件を起こした首謀者の名前だ。
ダークソウル拡散マシン「Killers8」で
地球上の生物30%を死滅させた男。
まさかあの処刑された『ファントム』が・・・・・・
いやそんなわけは無い。
ただの模倣犯だろう。
奴は死んだのだ。
だがあの処刑人殺戮マシン「Killers9」
黒い影でよく見えなかったが、
あれはヤバそうだった。僕の直感がそう言っている。
ピロリ~ピロリ~
僕の携帯タブレット「QA」が着信音を鳴らす。
楓さんからだ。
「正一。今のテレビ見た?」
「見ましたよ。楓さん今学校ですよね」
「Sランク処刑人達に緊急招集がかかったの。今から迎えに来てくれる?」
「楓さんの学校ですね。わかりましたすぐにお迎えに行きます」
「ああそうそう。私の処刑服と怨月も持って来てね」
着信が切れた。
僕はまず事務所に顔を出すことにした。
「おはようございます。須藤さん」
「おはようございます。魔夜さん。
楓さんの処刑服を取りに行ってもよろしいでしょうか?」
「緊急招集の件ですね。事務所にも電話がきました。鍵は開いてます。どうぞ」
「対応が早いですね。では」
僕は楓さんの部屋。事務所の二階に向かう。
そういえば楓さんの部屋に入るのは初めてだな。
てか女の子の部屋に入るのが初めてだよ。
楓さんの部屋は広く。
色々なピンクのグッズでいっぱいだ。ファンシー。
楓さんってこんな物が好きなんだな~と部屋を物色する。
あった!!怨月。
怨月はベッドの布団の中に置いてあった。
いつでも処刑できるぞという心持ちからかな。
さすがSランク処刑人だ。僕も見習わなければ。
先日手に入れた新月は床に投げ捨てられているように落ちていた。
師匠泣きますよ。
宣言撤回だ。
楓さんの処刑服もクローゼットから、畳んで鞄にしまい。
楓さんの部屋をあとにする。
「須藤さん」
「なんでしょう?」
「今日は事務所臨時休業です。お気を付けて」
「わかりました。ありがとうございます」
「あと鼻血、出てますよ」
僕は興奮していたらしい。
脱ぎっぱなしであった楓さんの下着などをモロに発見してしまったから。
「だから童貞なんですよ」
事務所を後にする前の魔夜さんの一言が地味に心に突き刺さった。
次の目的地は桜丘女学園だ。
エアドライブを加速させ、楓さんの学校に行く。
門の前で楓さんが待っていた。
「遅いよ。正一」
「怨月とか探すのに時間がかかっちゃって」
「あー!!勝手に部屋に入ったなー。乙女の部屋に勝手に入ったなー!!」
「いや処刑服もって来いと言われましたからね」
「魔夜に頼めばいいじゃない。この超B級変態童貞処刑人」
「・・・・・・」
超B級変態童貞処刑人呼ばわりですか。
今日の僕のメンタルダメージは凄いな。
HP9999でも死んでるよ。
そして散々僕を罵ったあと、急に服を脱ぎだす楓さん。
「こんな公道で何やっているんですか?」
「処刑服持って来てくれたんでしょ。頂戴」
「はい」
「ありがと」
公衆の面前で下着姿になるのはいいんですか。
あなたのほうが変態ではないのか!?
これは心の中にしまっておく。
いいものが見れたからね。
「あ、そうだ未来ちゃーん」
下着姿で誰かを呼ぶ楓さん。
服をまず着なさい。
「・・・・・・」
桜丘女学園の白い制服を着た。当たり前だろ。
黒いショートカットの小柄な女の子が無言で門の影から出て来た。
「紹介するね。この子。私の友達の霧崎未来ちゃん」
「はじめまして。須藤正一です」
「・・・・・・」
無言だった。
「未来ちゃんは恥ずかしがりやさんだからね~、
それとも~正一が変態童貞だって直感でわかったからかな~?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
楓さんの発言で二人とも無言になった。
僕と未来さん。最悪の初遭遇だった。




