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須藤正一 処刑連盟本部へ

011


黒いスーツに黒い靴。

革のジャケットをその上から羽織る。

髪型はオールバックにジェルで固めて、

黒の伊達眼鏡を装着。

これが僕の処刑スタイル。


今日はいつも以上に気合が入る。

何故かって?

世界処刑連盟会長から直接のお呼び出しがあったからね。

僕は最近買った愛車、「エアドライブ」にキーを差して出発した。

流石に一億二千万もしたんだ。この高級感はたまらない。


処刑人を束ねる、世界政府、世界処刑連盟の拠点はNEO東京に存在する。

全ての処刑申請はこの街に集まるのだ。

そして処刑人も。


僕は約一年ぶりに世界処刑連盟に足を運ぶことになった。


面接室。


「ようこそ須藤くん。そこに座りたまえ」

「はい」

僕は用意された椅子に座る。


グレゴリー・アンダーソン。

世界処刑連盟会長。

会うのは二度目だ。

「まぁ令状を見てもらったからわかっていると思うが」

「はい」

「『Bランク』昇格おめでとう。須藤くん」

「ありがとうございます!!」

心からの言葉だ。


「キミは数々の難事件をあのKILLBLOODと共に解決に導いてきたね

いや、一人での任務もあったか。

本来ならば、EランクからBランクの昇格はあり得ない話なんだが、

キミの場合は特別だ。依頼のレベルが全てAランク以上だからね」

「はい!!」

僕も数多くの死線を潜り抜けて今を生きている。

あのヒマラヤでの『雪男』との激闘なんて今思い出しても寒気がするほどだ。

あと『無限銃男』とか『影男』とか『雲女』とか

みんな手強かったな~

いつか皆に話せる機会があるかな~


「須藤くん聞いているのかな?」

「あ、はい。すいません」

「ゴホン、話を続けよう。本来ならDランク、Cランクと

段階で上がっていくのだけれど、キミの功績をたたえ、これを用意したよ」

奥の部屋からワゴンに乗ってあるものが運ばれてきた。

「それを首に打ちたまえ」

僕の前に用意されたのは注射器。

「キミも一年前それを撃ったから知っていると思うが、

それはBランクの注射針だよ」

「では打たさせて頂きます」


ブスッ

「あ痛っ!!」

首に激痛が走る。

相変わらずこの注射針は苦手だ。

血液中に『ナノマシン』が循環されていくのが体感でわかる。

「それで、キミのダークソウルへの対抗レベルが上がった。

つまり、今まで以上に魔法の酷使限界量が増え、

使える魔法のレベル・種類も上がるだろう」

「ありがとうございます」

「これからも世の中に蔓延る悪を処刑してくれ」

処刑連盟会長と僕はガッチリ握手を交わした。


僕も今日からBランク処刑人。

嬉しくないわけがない。


今夜はパーティーだ。

面接室を出て僕はスキップをしながら廊下を歩いた。


ドン


「痛っ!!」

僕は通路の死角から出て来た巨大な影に倒された。

「なんだ小僧・・・・・・ん?お前は?」

「すいません。よそ見をしていました、って貴方は!?」


金色の髪、金色の指輪、金色のコート、超長い剣、

全身金色で固めたこの男は世界の英雄。特Sランク処刑人。

世界最強の処刑人。


ヴィンセント・ゴールドマン。


生で見たのは初めてだよ!!

「大変失礼致しました。僕は須藤正一と申します。Bランク処刑人です」

立ち上がり僕は頭を下げる。

「Bランクか・・・・・・ふん、知らんな人違いか」

凄く冷たい対応だった。

「いきなりでアレなんですが」

「なんだ?」

「サインを頂けないでしょうか?」

「あん?」

僕は鞄から、マジックペンと色紙を出した。

まさかこんな大物に会えるとは、

処刑連盟に来たのも大物処刑人にサインを貰うという。

チンケな野望もあったのだ。

「ならかねを出せ」

突如の反応に僕は少し困惑する。

「・・・・・・はい?」

「金だよ金。タダで俺が動くと思っているのか?この世は金が全てだろうが」

「・・・・・・いくらでしょう?」

「三十万と言いたいところだが、お前金持って無さそうだもんな~

そんな安っぽいスーツにジャケット。笑わせてくれるぜ。

いいだろう。良心価格三万でいいだろう。出せ」

僕は財布から三万円を出した。

すぐにバッと奪われ懐にしまわれる。

「おら。ペンと色紙よこしな」

ゴールドマンさんにペンと色紙を渡す。

サインを書くことは慣れているらしく、スラスラとサインを書いていく。

「お前の名前は入れるのか?」

「お願いします」

「じゃあ追加で三万だ」

「・・・・・・わかりました」

追加で三万円を取られた。

ぼったくりだね。

「おらよ。俺も呼び出しがあったんでな。こんなところで長話はできねぇ。

・・・・・・生きてりゃまた会おう」

「ありがとうございます!!」

ゴールドマンさんは片手を上げ、面会室のほうへ歩いていった。

六万円もとられたけど、これは国宝級のサインだ。

あとで皆に自慢しよーっと。

「あ!!ザ・ヒートマンさん。サインいいですか?」


その日の夜、午後七時

超高級焼肉店 ミート・ヘブン

「では須藤くんのBランク昇格を祝って乾杯」

「かんぱーい!!」

夜になり社長にBランクに昇格したことを報告したら、

それは祝うしかないなと超高級焼肉店に、

神谷処刑事務所のメンバー全員で来店した。

珍しく社長が代金を払ってくれるらしい。

僕がBランクになって報酬金が増えるからかもしれないけど・・・・・・

お酒とうまい焼肉を楽しんだ。

未成年の楓さんもビールを何杯も飲んでいたが、今回だけはお咎め無しとしよう。

「社長。焼肉のタレには「ニンニク」は入れないんですか~?」

「絶対に入れないでくれ」

「私も~ニンニクきらーい★」

僕もお酒でかなり酔っていた、自分の昇格記念ってこともあるけど、

嬉しくて嬉しくて皆に報告したかった。

「皆さ~ん。珍しいものを手に入れてきましたよ」

「何々?正一~?」

「ジャンジャジャーン」

効果音と共に出したのは、

処刑連盟本部で手に入れたSランク処刑人達のサインだ。

「凄くないですか?レア物ですよ

焔の貴公子 ザ・ヒートマン

雷帝    ブレイブ・アレクサンダーソン

鬼畜紳士  ドクター・バット

世界最強の処刑人 ヴィンセント・ゴールドマン」

その時、僕達の席がピーンと殺気で張りつめられた空気になった。

「あれ?一体なんですか?この雰囲気」

隣の席の楓さんが急に立ちあがり、

怨月を鞘から抜いた。

「楓さん?」

ピシュシュシュ

その音と共にヴィンセント・ゴールドマンのサイン。

六万円もしたサインはバラバラの塵となった。


「正一。次にその名前を出したら、ぶっ殺すから」


と僕を飛び越え店を出ていった。

「楓さん?」

「須藤くん。一緒に追おう」

「はい」

僕は社長と共に楓さんを追った。

酒の酔いなど吹き飛んだ。


楓さんは近くの公園に俯いて立っていた。

「楓。つらいかもしれないが、正一にお前の過去を話してやってくれ」

「・・・・・・社長が話してよ」

「う~む。どこから話そうか」

「・・・・・やっぱり私が話す?」

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