第二十話~侵攻の狼煙【後編】
通勤は?
愛車~アルマ・シリウス
送迎車~カロリーナ・ジェニー
徒歩~アガト・リン
バス・電車~クレメンス・ボンド
送迎車~グルーナ・サヴィー
無し(お店に住む)~ルスノア・ククル
護衛車~リリ・プリムロス
電車~ピーター・ハラルド
建物の裏口付近~
微かに鳴った銃声で、木々に留まる鳥々が、空へと羽ばたく。
「・・・始まったか」
物陰から顔を覗かせ、建物の裏口を見張る、カロリーナ。
「扉の近くには誰も居ない…本当に第三班だけで?」
銃の確認を終えたアルマは、弾薬箱の弾数を確認していた。
「人数は問題ない。『裏口は手薄』という情報が正しければだが…」
「無駄口をたたく暇があるなら、手伝って!」
小さなドライバーを口に銜えたリンが、カロリーナに謎の球体を押し渡す。
「こちらは?」
「手製の手榴弾」
「手榴…ば、ば、ば、爆弾‼」
驚いた反動で爆弾を手の平から零れ落とし、お手玉を披露する。
宙を舞う爆弾を片手で掴み取り、カロリーナの手の平にそっと返す。
「扱いを誤れば、辺り一面が木端微塵だ。くれぐれも、慎重に…」
「は、はい」
深く深呼吸をして、気持ちを落ち着かせる。
「でも…即席の手榴弾が、十分な威力になるとは思えませんけど?」
「・・・リン?」
「大丈夫ですよ~通常の二倍の火力になる様に、なりますから~」
手榴弾作りに集中するリンは、返答が疎かになっていた。
手に持った手榴弾を、緊迫した面持ちで見つめる。
「…大丈夫?」
〖ボンッ〗
閃光と共に、建物内から爆発音が鳴る。
建物に視線を向けると、煙が帆を描き、裏口の扉が吹き飛んでいた。
「・・・リン?」
「私は、何も・・・」
静かなカロリーナに、ゆっくりと視線を向ける、アルマとリン。
「え・・・違います!違いますよ!」
手を震えさせながら、手元の手榴弾を、二人の目の前に差し出す。
「あれ?居ませんね~」
黒く焦げた建物の裏口に現れた、第二班の制服を着た人物。
「だ、誰か出て来ましたよ!あれは・・・え?ア、アルマさん⁉」
人物が”ククル”だと気づいたアルマは、物陰から出て姿を晒す。
「・・・なぜ、ここに?」
「総督に、第三班に協力するよう、命じられたんですよ」
「どのような方法で、建物の中に?」
「それは、秘密です。潜入は、第一班の専売特許なので…ね」
詮索をしてくるアルマに、敵意を含んだ笑顔を向ける。
「・・・建物内部の状況は?」
「…はい。私が仕入れた第二班に接触しない情報を、ご提供いたしますね」
物分かりが良いアルマに、ククルは冷めた笑顔を見せた。




