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ダイランは翌朝白の光りに目を覚まし、なんだか温かい。ダイランは、?と思って初めて目を開けながら寝返った。
「うわああ!!!」
飛び起きて唇がガタガタ震えた自分も服を着ていなかった。フィスターはなめらかで狭くなだらかな背を上に枕に両手を乗せ眠っていて、ダイランは混乱して辺りを見回した。服は散らばっている。ダイランはストレッチトランクスを引っ張り履いてイージーパンツを履き、フィスターの白薔薇レースのランジェリーを拾い集めてガタガタ震える手で顔を反らしながら付けて行った。
顔はもう真っ赤を通り過ぎて真っ青で、心臓は今にも停まりそうだった。彼女にシーツを掛けて彼女の散らばった服を一つの所にまとめるとドアを閉じた。
背後を見る事も出来なかった。
まさか、体の関係を?分からない。だがあんな状況で目を覚まして何も無かったら逆に凄い事だが、まさか自分があのフィスターに手を出せる筈が無い。ダイランはその場をぐるぐる歩いて顔を押えた。
完全に覚えていない。酒なんか飲んだか?2,3口しか飲まなかった筈だった。よく分からない。
歩き体を冷やす為に冷たいシャワーを浴びた。
フィスターはごろんと寝返って、唸ってから目を覚ました。
「きゃあ!!」
フィスターは叫んでシーツを引き寄せ、それを被った。何故自分が下着姿などで眠っているのかが全く分からなかった。手を付き、横のスペースが暖かかった……。
「きゃああ!!!」
フィスターは叫びドアの方を見た。彼女は急いで服を着て、ドアから淡い瞳を覗かせた。ダイランはいない。涙を拭いながらソファーに座り、膝を抱えて膝小僧に顔を乗せた。
ダイランはドアから出てフィスターはソファーにうずくまっていた。
「おいさっさと支度しろよ。湯は張ってある」
「……」
「おい」
「……」
彼女は膝をもっと抱えて、くしゃみをした。
「……」
ダイランは彼女の肩に手を置いて彼女の背後に座り、髪を撫でた。シャツを通した肌は冷えていた。
「体だって冷たいじゃねえか。入って暖まってくるんだ」
フィスターは涙で濡れ泣く真っ赤な顔を上げてなはをすすりながら何度も頷いた。ダイランは瞬きして、全身が硬直し肩から手を離して顔を反らし、ソファーから離れて窓際へ行った。
ベランダに出て煙草に火をつけ思い切り吸い込んだ。
頭を抱えたい気分だった。本気で惹かれ掛けている女と何があったのかを覚えていないなんて。
フィスターはバスルームに駆け込んで、ユニットバスに入った。頭はもう真っ白だった。
彼はいつものあの冷めた風だったから、別に何も無かったのかもしれない。それはそうよね。考えすぎだわ。寝返ったから広範囲が温かかっただけよ。
フィスターはドアをなかなか開けられなくて、ボストンバッグからブラシを出して髪をとかした。頬はまだまっピンクのままだ。ブラシを仕舞って深呼吸し、彼女はバスルームから出た。
彼は窓際にもたれてコーヒーを手に、朝陽と窓枠の影とスモークが揺らめき、外を眺めていた。
「……」
フィスターは心臓が高鳴って、うつむいた。
ダイランは振り向き、身支度を終えた彼女を見るとテーブルを顎で示した。フィスターは「あ、ありがとうございます、」と言ってコーヒーを飲んだ。真っ赤なままだ。自分でも分かる。
彼はキーを持ちコートを肩に担いだ。フィスターも急いでコートを着てボストンバッグを持って付いて行った。
通路を歩いてエレベータに乗り、2人は黙っていた。
平静を装うダイランはそれに長けていた。フィスターは俯いていて、ダイランは一度彼女を見下ろした。抱きしめてあげたかった。
「おい何俯いている。しっかり顔ぐらい上げろよみっともねえな」
フィスターは顔を上げて、表示を見上げるダイランの横顔を見て、口をつぐんだ。やっぱり恐い。唇をまるで子供の様に突き出して床を見つめて、エレベータが止まった為彼女はそのままふらりと歩いて行った。階が違う。
ダイランは彼女の腕を引っ張る前に、彼女はそのまま入って来た人間と衝突した。その事で父親が抱えていた女の子を泣かせてしまった。
「あ、ごめんなさい!」
「何やってる!!ぼさっとしてるからだろうが!!!」
「ご、ごめんなさい、」
今にも泣きそうな顔で真っ青になって泣き叫ぶ女の子の頭を撫でてその父親に謝った。
父親は怒鳴ったダイランの方に驚いて、険しいが真っ赤になる顔を見上げ、くすりと笑って娘をあやしてフィスターに微笑んだ。
「大丈夫だ。メリールも大丈夫だよな?」
「うん、へいき、」
「本当にごめんね。お姉さんの不注意だったの」
女の子はにっこりして真っ赤なダイランを見上げて笑った。
ダイランは口をつぐみ顔を反らした。
「部下が失礼をしたな。怒鳴って悪かった」
女の子の頭を撫でてからフィスターを中に引かせエレベータは動き出した。
「アメリカから?ここへは『ビジネス』のために?」
いかにもワシントンDCから来たハイセンスなビジネスマンとビジネスウーマンの2人である。
「そういうようなものだ」
「パリは満喫出来て?仕事の合間にも楽しめる所だよ」
「そうだな」
「ねーお姉さんは何ていうの?」
「あたしはフィスターというのよ」
「フランス語お上手」
「ふふ、ありがとうメリールちゃん」
「あたし達ね、今日ボルドーに帰るの。フィスも来て。お兄ちゃんも」
「俺達は今日フランスを離れる」
「本当?残念だわ」
「ボルドーは素敵?」
「とっても!」
「あたし達も今度行ってみたいわ」
「どこででもまた会えるわ。世界はとっても広いから!」
「そうね」
「その時はメリール達のお城で2人の結婚式が出来るといいわね。じゃあばいばい」
2階のレストランの階で親子は降り、ダイランとフィスターは互いに顔を見合わせ、また顔を戻した。
「「夫婦には見えないんだな俺達は」
ダイランがぼそりとそう言い、フィスターはピンクに染まり押えていた頬の顔を上げ、表示を見上げる彼の横顔を見た。耳が、赤くて可愛かった。フィスターは俯いたが嬉しそうに微笑み、ダイランは言った。
「捜査でそう見えない位なら演技が下手だと言うだけだ」
「そうですね」
それでもフィスターはくすくす笑いっていた。
「可愛い子でしたね。警部はもしも誰かと将来結婚をされたら、お子さんは何人くらい欲しいですか?」
フィスターは5,6人作って幸せな家庭を作りた
「5,6人くらい」
フィスターは、将来の相手が自分の事で無いと分かっていながらも真っ赤になって、エレベータから颯爽と歩いていくダイランの背を一瞬を置き見て、追って小走りした。
キーを渡してからタクシーに颯爽と乗り込んだ。
一度ラヴァスレピッピーというFBI捜査官との面通しを済ませることになっている。ノートパソコンに通信が来た。
姉は開かれるパーティーには必ず参加する女だ。網を張らせていたのだ。
どうやらFBI捜査官はその姉の催すパーティーの招待状を手にしたらしい。しかも我々も。
早速4人で参加するようにフィスターが姉に宛てた手紙を作成した。




