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恋姫OROCHI(仮)  作者: DTK
96/107

伍章・弐ノ漆 ~囊中之鼠~

どうも、DTKです。

お目に留めて頂き、またご愛読頂き、ありがとうございますm(_ _)m

恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、96本目です。


それぞれ、翠と秋蘭を追いかける猪々子と斗詩。

次に見える相手とは…?




「くっそ~!翠のやつ、どこまで行ったんだよ~」


一方その頃、翠を追いかけていた猪々子だったが、完全に見失っていた。

山道でも全く苦にしない騎乗の翠と徒歩の猪々子では、追いつけないのも当然だった。


「んお?また開けたところに出るぞ」


それでも歩みを止めなかった猪々子たちの向かう先には、再び木々の切れ間が見えた。

先ほどのような広い空き地があるようだ。


「はっは~ん。さてはまたあそこで待ち伏せしてるんじゃないか?」


如何な猪々子と言えど、さすがに数を重ねられれば策に気付く。

だが、猪々子が他の将と違うところは…


「その程度であたいを止められると思ったら大間違いだぜ!」


止まるどころか、速度を上げて広場へと雪崩れ込んだ。

が、そこには罠などなく、一人の少女が槍を片手に立っていた。


「……誰?」


トラの皮を纏ったその少女からは武の心得が滲み出ているが、猪々子の知らない顔だった。

先ほどと違い、掲げている旗もない。

ポカンとする猪々子に対し、少女はニヤリと笑みを浮かべながら口を開く。


「へっ!誰だっていいじゃねぇか。何せ…っ!」


ヒュッ!ギィ…ン!


「おわっ…!」

「テメェはすぐに死んじまうんだからなぁっ!」


少女に一瞬で間合いを詰められた猪々子の眼前には、鋭い穂先があった。

反射的に剣で弾いたが、非常に危険だった。


「あ…っぶねぇ~。なんだよマジじゃん、ガキんちょ」


冷や汗を流しながらも、口は減らない猪々子。


「ちったぁやるじゃねぇか。面白くなってきたぜ」


間合いを取り改めて槍を構えると、少女は瞳を爛々とさせて妖しく嗤う。

と、その後ろから、


「ちょっとちんくしゃ!人の話を聞いていましたのっ!?殺したらいけないとあれほど…」


という声が飛んでくる。

そこには少し麗羽に似た少女が立っていた。


「るせぇなチョロギ!少しくらい雰囲気出さねぇとノれねぇだろうがっ!!」


虎の少女は噛み付かんばかりに、麗羽似の少女へ吼える。


「なんだぁ?ちんくしゃちゃん、お仲間がいたのか。チョロギちゃんに手伝ってもらっても、あたいは構わないんだぜ?」

「抜かせ。テメェなんざサシで充分だ!」

「上等っ!」


同時に地を蹴る二人。

大剣と大槍が火花を散らした。






――――――

――――

――




同時刻、斗詩の方も新たな敵と遭遇していた。

猪々子の部隊とは違い、警戒しながら入った広場には、


「おおぉ~来たっす来たっす!」


斗詩たちを見るや否や嬉々とする、胸の大きな少女がいた。

その手には少し特殊な十文字槍が握られている。

恐らく、彼女は武将なのだろう。


「おーーーい!大将出てくるっすよー!!出てきて柘榴と一騎打ちで勝負っすー!!」


少女の大音声に、思わず士卒が一斉に後方を振り返る。

バババッと開いた人垣の先に、


「え?…あ、はい……」


斗詩がいた。

出ないつもりはなかったのだが、押し出されるように前に出る斗詩。


「お~、こりゃまたおっぱいの大きい人っすねぇ~」

「あ、あなたに言われたくありません!」


斗詩は顔を真っ赤にしながら反論する。

確かに、相手の方が豊満な胸をしており、露出度で言っても明らかに向こうの方が上手だ。


「ま、腰周りは柘榴の方が細いっすけど」

「うっ…うぅ……」


大変痛いところを突かれてしまった。


「柘榴殿。あまり本当の事は口にしないのが華ですぞ」

「うっ…うぅぅ~……」


相手の後方に立っていたもう一人に追い討ちをかけられる。


「もぅ……もうっ!なんなんですかーーー!!!」


恥ずかしさのあまり、斗詩は大槌を敵と思しき少女に叩きつける。


ドッスーーーン…!!


だがそれは空を切り、地面を叩き潰した。


「おぉ、こえぇっすー。お姉さん、なかなかやるっすね~」

「もう!乙女を怒らせたら怖いんですからねー!」


と、巨大な槌をブンブンと振り回すその姿には、乙女の要素は微塵もない。


「やる気っすね~?柘榴もいくっすよー!!」


ここでもまた、二人の武将の衝突が始まった。






――――――

――――

――




その少し前。

二つの街道で袁紹軍と剣丞軍が戦っている最中、街道と街道の間の山中を突っ切る五つの影があった。


「はぁ…ひぃ…ふぅ…へぇ……ま、まだぁ~?」


そのうちの一人、蒲公英は息せき切らし、最後方をついていた。


「もう!だらしないなぁ~!って、お姉ちゃんが言ってるよー」

「…………」


雀の通訳に、烏はふいっとそっぽを向く。


「…言うてたんやな」


突っ込む真桜。

烏は、そ知らぬ顔で首を横に振った。


「間もなく街道の合流地点に到着します。そこからが出番ですよ、蒲公英殿」


先導する小波が蒲公英を励ます。


「う゛ぅ~~!!」


蒲公英が恨めしい声を出すが、それが敵に届くことはなかった。

こうして『主攻』の五人は猪々子と斗詩の部隊に見つかることなく、下山することに成功するのだった。








猪々子対小夜叉

斗詩対柘榴


この二組が接敵して約四半刻。

未だどちらの決着も付いていなかった。




――――

――




「へっ、やるじゃねぇか。ここまでとは思わなかったぜ」

「あたいもだぜ。このピリピリした感じ…恋とやりあったとき以来かもな」




――――

――




「お姉さんやるっすねー柘榴も楽しいっすー」

「はぁ…はぁ…私、なんで戦ってるんだっけ…?」




――――

――




四者四様で戦い続けていた。

そんな中、猪々子らの後方から狼煙が上がった。


「「今ですっ」わ!」


ドォーーン…ドォーーン……


小夜叉と柘榴の後方にいた梅と幽の合図で、太鼓が鳴らされる。


「チッ…もう終わりかよ」

「えぇ~もう終わりっすか…?」


小夜叉と柘榴はほぼ同じ反応で、それぞれ矛を収める。


「な、なんだぁ?」

「えっ…どうして?」


いきなり相手に武器を引かれ、虚を突かれた猪々子と斗詩は一瞬立ち尽くす。


「へっ、なかなか楽しめたぜ。機会があったらまた殺ろうや」

「おっぱいのおっきいお姉さん!また後で続きをやるっすよー」


それぞれに捨て台詞をかけながら距離を取る。


ドォーーン!!


一際大きな太鼓が鳴ると、猪々子と斗詩らを囲む茂みから、大量の鈍色の筒が彼女らに向けられた。


「なっ!?」

「やっぱり罠だったんだー!?」


敵兵器から覗く闇が、彼女らを半包囲する。

そして、


ジャーン!ジャーン!


今度は耳馴染みのある銅鑼の音が、後方から鳴り響く。

猪々子と斗詩が先ほど来た道から飛び出してきたのは…


「げげっ!?」

「うそ……」


大量の馬旗と夏侯の旗だった。


「全員武器を捨てなっ!」

「投降したものの命は保障しよう。ただし、逆らえば容赦はせんぞ」


前門には強力な兵器の林。

後門には部隊を率いた一騎当千の武将。

それぞれ一本道の入り口と出口を完全に塞がれた猪々子と斗詩の部隊は、まさに袋の鼠だった。


「文醜さま…」

「顔良さま…」


それぞれの兵が将軍に判断を仰ぐ。


「…翠の言う通りにしろ。あたいらの負けだ」

「皆さーん。秋蘭さんの指示に従ってくださーい!くれぐれも抵抗しちゃダメですよー!」


即断即決。

二人の全面降伏によって、袁紹軍の大半が剣丞らに下ることとなった。






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