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恋姫OROCHI(仮)  作者: DTK
97/107

伍章・弐ノ捌 ~一縱一禽~

どうも、DTKです。

お目に留めて頂き、またご愛読頂き、ありがとうございますm(_ _)m

恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、97本目です。


猪々子と斗詩がそれぞれ捕まり、その後麗羽はどう動くのか?




麗羽の本陣に、一騎の伝令が駆けてくる。

掲げている旗を見るに、緊急の伝令のようだ。


「え、袁紹さまーー!!」

「なんですの騒々しい…敵が降伏でもしてきたんですの?」


移動式の玉座にどっかりと腰を下ろし、うんざりといった感じで麗羽が対応する。

そんな麗羽の前に、息を切らしながら跪く伝令。


「いえ…お味方、壊滅。文醜さま顔良さま、両名共に敵方へ囚われた模様です…」

「んなっ……!?」


想定外の報に、絶句する麗羽。


「あの~ちょっといいですか伝令さん」

「はっ!」


麗羽に代わり、側に控えていた七乃が話を進める。


「猪々子さんと斗詩さんは別々の道を攻めあがってたんでしたよね?確か、麓に連絡隊も残してなかったはずですし…二つの部隊の情報を持ってるって、一体あなたはどちらの隊の方なんです?」

「そ、それは…」

「そんなことより!お二人は無事なのでしょうね!?」


七乃と伝令の間に麗羽が割って入る。


「それは分かりかねますが、まだ時はそこまで経っておりません。願わくば、袁紹さま率いる本隊に救出に動いて頂きたいのですが…」

「分かりましたわっ!皆さん!聞いておりましたわね。今すぐ、文醜さんと顔良さんを取り戻すために、雄々しく前進ですっ!!此度は何があっても退きませんわよっ!!」

「「「うおぉぉ~~~~!!!」」」


いつもは不動の総大将の不退転の檄に呼応して、厭戦気味だった兵の士気も上がる。


「伝令さん。あなたは道案内として私の側についてきなさい。お名前は?」

「はっ。正成とお呼び下さい」

「珍しい名前ですのね」

「よく言われます」

「ま、いいですわ。進軍っ!進軍ですわ!雄々しく駆けなさい!!」


麗羽の檄に応じて、いよいよ袁紹軍本隊が動き出した。






――――――

――――

――




「お~お~、敵さんぎょーさん来よったで」


袁紹軍の動きを俯瞰出来る崖の上には、真桜と烏・雀が陣取っていた。

真桜は片眼式の遠眼鏡で、雀は裸眼で袁紹軍の行軍を眺めている。

烏はといえば、火の入った火縄銃を構え、袁紹軍に標準をあわせていた。

袁紹軍は山の麓、道が分かれる手前辺りまで来ていた。


「小波ちゃんの報告どおり、おっぱいのおっきい人は中軍にいるみたいだよー」

「せやな。趣味のわっるい金ピカの鎧がよう目立ってるわ。烏、作戦通りに頼むで」

「(こくっ!)」


真桜の言葉に頷くと、烏は銃口を目標に定めた。






――――――

――――

――




「――――ででしてね、全く不甲斐ないんですのよ、文醜さんと顔良さんたら…」

「は、はぁ…」


行軍の最中、延々と麗羽の話を聞かされる正成。

掴まった猪々子と斗詩のことを、自分のことは棚に上げて、散々にこき下ろしている。

それでいてそわそわと、節々に二人の安否を気にする麗羽に、正成は少し惹かれていた。

そしてこれから起こる事を思うと、少し申し訳なく感じていた。


「ちょっと!聞いておりますの正成さん!?」

「は、はい!申し訳ございません!」

「まったく、シャンとして下さいな。道案内はあなたが頼りですのよ!」

「はっ……その、少々この後の道が……」


パーーンッ!!パーーンッ!!


と、大きな破裂音が二つ轟き、同時に隊列の前後から悲鳴が響いた。


「なんじゃあっ!?」


麗羽の御輿の後ろをトボトボついていた美羽が泡を食う。


「袁紹さま!」


一人の兵が麗羽に近付く。


「報告なさい!」

「はっ!我々の前後の地面に突如大穴が現れました!穴に落下したもの多数。穴は深く、救出・脱出は難しい模様!我々は前後を分断されました!」

「ぬぅわんですってぇ~~!!?」


驚愕の麗羽。


「わぁー、やっぱり罠だったんですねー」


大した緊張感もない七乃。

しかし袁紹軍のほとんどの者が混乱の渦中にあった。

そんな中、一人冷静に麗羽を導く者がいた。


「袁紹さま、こちらです」


正成…袁家の兵に扮した小波である。

混乱状態のものほど御しやすい者はない。

小波は麗羽の手を引き、部隊から離れていった。






――――――

――――

――




作戦はこうだ。


袁紹軍の進軍路に真桜が大穴を掘り、その上に真桜謹製の絡繰で蓋をする。

この絡繰は、支えている紐さえ切れなければ象が乗っても大丈夫!という代物だ。

距離を置いて穴を二つ設置し、麗羽が真ん中にいる時機を狙い、遠方から烏が紐を狙撃する。

麗羽たちには、音と同時に突然大穴が開いたように見える、という寸法だ。

そして、この作戦のトリを飾るのは…




「袁紹さま、こちらです。こちらが安全です」


麗羽の手を引き、脇の林へと小波が誘導する。


「本当にこちらが安全ですのね。信じていますわよ、正成さん」


チクリと胸が痛む小波。


「申し訳ございません、袁紹さま」


小波は小さく口の中で謝る。


「え?なんです……」


その瞬間、麗羽の視界から正成が消えた。

いや違う。麗羽の視界が急に動いたのだ。


「きゃあぁぁーーー!!!」


麗羽の全身を網が包み込み、上へと引き上げる罠だ。


「袁本初は、蜀に咲く一輪の華、馬岱が召し取ったりーー!!」


茂みからポーンと飛び出した小さな影。

蒲公英だった。

その大音声は、近くの袁紹軍本陣へも届いた。


「ちょっ……これは何の真似ですの小娘!!」


網に絡め取られながらも、喚きつつ蒲公英を睨みつける麗羽。


「へへーん♪そんな格好で凄んでも怖くないよーオバサン!それに、これはご主人様の命令なんだからね」

「一刀さんの?」


一刀の名前に動きを止める。


「そ。猪々子も斗詩もちゃんと保護してるから、ちょっと我慢しててねー」


そう笑いながら槍を取り出すと、


「袁家のみんなー!聞こえるかなー!?武器を捨てて投降してねー?じゃないと、袁紹が串刺しになっちゃうよ~?」


ペチペチと穂先の背で麗羽を叩く。


「ちょおっ!お、おやめなさい!わたくしの玉の肌に傷が付いたらどうするんですのっ!?」

「ならほら!さっさと投降の命令を出す!」

「み、みなさんっ!!今わたくしが猪々子さんと斗詩さんの無事を確認しました!もう戦う理由はありません。だから今は矛を収めなさい!」


スラスラと立石に水の如く言葉が口をついて出てくる。

混乱の最中ではあったが麗羽の言葉は不思議と兵の耳に届いた。

元々厭戦気分があったこともあり、兵は次々と武装を解いていく。

そんな中、


(七乃や、今なら逃げ出す好機なのじゃ!)

(はぁ…でも美羽さま、逃げてどうするんです?)

(妾は虜囚の憂き目を見るのは嫌なのじゃ!これ以上麗羽姉さまに振り回されるのもゴメンなのじゃ!!)


美羽が小さく癇癪を起こしていた。

こうなると美羽はもう止められない。


(なら……逃げちゃいます?)

(うむっ!それでは…)


パーーンッ!!


美羽が輝かしい一歩を踏み出そうとした所へ、小さいが綺麗な穴が空いていた。

そこからは少し煙が立っている。


「あ、あわわわわ……」

「ひぃ~~~~…!」


二人は一気に顔が青くなる。


「お二方」

「「ぴぃっ!!」」


いきなり真後ろから掛けられた声に、大きく肩を跳ね上げる。

声の主は正成だ。


「凄腕の射手がこちらを狙っております。大人しくして頂ければ危害は加えません。何卒、おかしな気は起こしませぬようお願い致します」」

「「は、はいぃ~……」」


抱き合いながら、揃って腰を抜かす二人。

こうして小波たちは、僅か数人で袁紹軍本隊の無力化に成功したのだった。





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