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恋姫OROCHI(仮)  作者: DTK
94/107

伍章・弐ノ伍 ~黄金の親征軍~

どうも、DTKです。

お目に留めて頂き、またご愛読頂き、ありがとうございますm(_ _)m

恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、94本目です。


今回より、紀州編再開です。

雑賀衆に毎回退けられている麗羽たち。

今回はどうなるのでしょうか?




地平線を埋め尽くさんばかりの人波。

金の鎧に身を包んだ彼らは、整然と列伍を為して進んでいる。


所々に掲げられる大旗には『袁』の文字。

軍の中央には、一際派手な袁旗。

その元に御座すは、袁本初。

かつて河北四州に君臨した王者の親征である。


目標は異変と呼ばれる地に潜む蛮族。

幾度か討伐軍を送っているが、全て退けられている。

なので、今度は必勝を期しての大軍団だ。


「よろしいですの?猪々子さん、斗詩さん」


本陣では麗羽の訓辞が響く。


「ん~そりゃ頑張りますけど~…」


麗羽の檄も、猪々子の心には響かないようだ。


「なんですの猪々子さん、その態度は!?」


当然、鶏冠に来る麗羽。


「だってー連中おかしな兵器使ってくるだけで全然向かって来ないんですよー?やる気がおきない~~」

「だったら、その兵器を突破してごらんなさいな!」

「いやぁ~、それは難しいっすよ麗羽さま」

「そうだよね…あれの直撃喰らったらタダじゃすまないもんね…」


斗詩はしみじみと語る。

前線指揮官として敵兵器の恐怖が身に沁みているようだ。

麗羽もその恐怖に晒されたはずなのだが、どこ吹く風。


「なんですの!二人揃いも揃ってだらしのない。それでも誇り高き袁家の将ですのっ!?」

「そう言われましてもね~」

「もう泣き言は聞きたくありませんわ!蛮族の拠点を落とすまでは許しませんわよ!」

「ふぇ~~い」「はーい…」


肩を落としながら持ち場へ向かう二人の後姿は悲哀で満ちていた。

その後方では、美羽と七乃が顔を寄せて小声で話している。



(なんで妾たちまで戦場に出ねばならんのじゃ)

(さぁ?なんでも真直ちゃんが、自分の代わりに補佐して欲しい、ってことらしいんですけど…)

(なら真直本人が来れば良いではないか!)

(ん~でも、真直ちゃんは留守居のお役目がありますからねー)

(むぅ~…なら早く戦を終わらせてたも!妾はもうイヤなのじゃー!)

(ん~でもでも、何回やってもダメだったんだから今回もダメなんじゃないですかね?何か策でもないと)

(なら、七乃が策を立ててたも!)

(え~~~~……………無理)

(なんじゃとっ!?)

(だってー、私がそんなに優秀なら、今みたいな状況になってませんよー)

(む~…ならどうすれば良いのじゃ!)

(真直ちゃんがいないと勝てませんね~)

(本末転倒ではないかっ!)



このように、袁軍本陣では厭戦気分が蔓延していた。






――――――

――――

――




「敵軍、領内に侵入したよーー!」


剣丞らの本陣がある雑賀荘には、雀のやや間延びした声が響いた。


「攻め口は?」

「前と同じだねー。左翼はおっぱいの小さいお姉ちゃん、右翼はおっぱいの大きいお姉ちゃんだよ!」

「左翼が猪々子ちゃん、右翼が斗詩ちゃんですね~」


袁家の将軍は二人しかいないとはいえ、何とも分かりやすい報告である。


「本陣は?」

「…………」

「こっちもいつもと一緒で、おっぱいのでっっっかーい!お姉ちゃんが大将だって!」

「真直さんは?」

「…………」

「眼鏡のお姉ちゃんはいなかったよ、ってお姉ちゃんが言ってます」

「想定どおり、だね」


烏と雀の報告に剣丞が頷く。


「それでは、右翼左翼には作戦通りと伝令を出してください」


それを受けて、稟が指示を出す。


「主攻の方も、作戦通りでいいですねー」

「はい、烏さんたちもよろしいですね」

「……(ビッ!)」

「任せといて!って、お姉ちゃんが鼻息荒く言ってます!」


グッと親指を立てる烏。雀もやる気満々だ。


「小波、真桜姉ちゃんに蒲公英姉ちゃん、二人をお願い。みんなも気をつけて」

「はっ!」

「ウチに任しとき!」

「はーい!」

「それじゃみんな、よろしく!」


剣丞の言葉に応えると、五人は部屋を出ると山の中へと消えていった。



…………

……



「のぅ、主様…」

「ん?なに一葉」


それまで言葉を発しなかった一葉がポツリと呟く。


「余もカラス達についていってよ……」

「ダメ」


食い気味に否定。


「何故じゃ!」

「無理はしないって約束で連れてきたんだよね?」

「う……」

「それに、一葉がついていっても、多分何もすることはないよ」


まだぐずる一葉から、五人が出て行ったほうへ目を転ずる。

作戦の成功を祈るのだった。






――――――

――――

――




猪々子と斗詩ら先鋒は、ゆっくりと進軍していた。


それぞれが進軍する道は、周りと森に囲まれた一本道。

ただでさえ兵法では進軍ご法度の道であるのに、敵は弓より射程の長い強力な兵器を持っている。

そのため、鎧や盾で固めた重装歩兵が周りを固めて、警戒しながら進んでいた。

当然、進軍速度は著しく遅い。

斗詩はそれでいいのだが…


「…………かったるい」


堪え性のない猪々子は参っていた。


「文醜さま、そう仰らず…間もなく先頭が開けた場所に差し掛かりますので…」

「差し掛かっても、いつもと一緒だろ?どうせ柵作ってあって、四方八方から撃たれて手も足も出ずに終わりだろ?」


道の途中には小隊が展開できるだけの広場があるのだが、毎回そこに誘い込まれては敵兵器を撃ち込まれ、兵を減らしていたのだ。

直接矛を交えられず心底面白くない、といった風に馬上で横になる猪々子。

そこへ、


「伝令ーー!!」


前線からの伝令将校が駆けてきた。


「文醜さまっ!!」

「あー、いつもと一緒だろ?被害出ないようにテキトーにやり過ごして姫が飽きるのを…」

「そ、そそ…それが……実は、いつもの場所に…――――」

「……はぁ?」




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