表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋姫OROCHI(仮)  作者: DTK
49/107

参章・壱ノ壱 ~明命の過去へ~

どうも、DTKです。

お目に留めて頂き、またご愛読頂き、ありがとうございますm(_ _)m

恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、49本目です。


今回から第参章に入ります。

参章は、全体を四つの組に分け、各組に少しずつスポットを当てていく予定です。

この参章の壱はメインルートとなります。


なお、実際の地形や距離とは異なった表現があります。

その辺、お含み置き頂ければと思いますm(_ _)m





剣丞は詩乃、小波、湖衣、明命、翠の四人を引き連れ、明命の過去へと渡っていた。

目的は、何者かに誘拐された小蓮の救出だ。

小蓮が人質に捕られている以上、呉の分裂を解消する術はない。

逆に言えば、小蓮さえ敵の手から奪還できれば、呉一国の協力が得られることになる。

なので、調査任務に強い小波と湖衣の二人をここに割り当てたのだった。


「それではまず、蓮華さまたちの元へご案内します!」

「待ってください明命さん。確か孫仲謀殿は、孫伯符殿に追っ手を差し向けられてると聞いています。なのに、呉国内に拠点を構えているのですか?」


軍師として同行している詩乃が疑問を投げかける。

現在地は、建業から南東に約二百里ほどの場所。

つまり、呉の只中といっていい。


「はいです!本来なら雪蓮さまの追撃は、例え嘘でも、呉国内では逃れられるものではないのですが…」


と一息入れて、声を潜める。


「実は今、蓮華さまたちは建業の南方に発生した、異変の中にいるんですっ。そこに逃げ込めば、蓮華さまたちを探し出せない理由を敵に与えられるだろう、という穏さまの献策があったそうなのです」

「「「えっ!?」」」


その言葉に驚いたのは戦国勢。


「異変、ということは…」

「私たちの仲間が居るかもしれない…」

「と、いうことになりますね」

「…だな」


台詞割をすべて取られてしまった剣丞。

しかしその目には、希望の光が宿っていた。


「小波が復帰してくれてて助かったよ。誰かが居ることが分かっていれば、句伝無量でどうにかなりそうだな」


先の京攻めを共に戦った勢力には、一勢力に一つ以上、小波のお守りが渡されている。

小波さえいれば、探すことも繋ぎをつけることも簡単だ。


「それでは改めて、蓮華さまたちの元へご案内いたします!」


明命がやる気満々、といった風に先頭を張り切って歩き出した。




………………

…………

……




「越後かなぁ~?」

「越後でしょうね」

「越後ですね」

「越後かと」


『異変』の内部に入り、全員がすぐにピンときた。

呉の気候が暑いということもあったが、中はとにかく肌寒かった。

甲斐のそれとも似ていたが、湖衣がいる以上、残るは越後くらいしか思いつかない。

もちろん、もっと北。東北地方などが来ててもおかしくはないが、今のところ剣丞たちに縁のある土地しか現れていないので、ほぼ越後と断言してよいだろう。


「こちらです」


剣丞たちの見覚えのない風景、恐らく越後の北部なのだろう、を通り、森を分け入った山の麓にポッカリと空いた洞窟があった。

そこが蓮華たちの拠点のようだ。


「蓮華さま~明命です~」


小声ながら良く通る声が洞窟内に反響する。



……………………



無反応。


「あれ?おかしいですね。前のときはすぐに出てきてくれたんですが……祭さま~思春殿~」


小首を傾げながら、他の面子の名を呼んでみる明命。と――――


「「――っ!」」


忍びの二人が反応を見せたが、それは間に合わなかった。


「動くな」

「ひっ…」


一番後ろに居た詩乃の首筋に小刀が当てられる。


「詩乃っ――」

「ご主人様!」


詩乃を助けようと動いた剣丞の足元に、タンッタンッと音を立て、矢が立て続けに突き刺さる。

小波が咄嗟に手を引かなかったら、当たっていたかもしれない。


「動くなと言うておろうっ!!」


洞窟内から矢を番えた状態の女性が姿を現す。

剣丞たちは前後を挟まれた状況となった。


「貴様ら、何が目的でここに来た?」


詩乃を後ろ手で無力化している人物が、ドスの利いた声で脅しに掛かる。


「あ……ぅ……」


元より抵抗出来る力など無い詩乃は、恐怖のあまり声も出せない。


「ちょ、ちょっと思春殿!祭さま!私ですよ!明命です!!」


仲間の思わぬ攻撃に、わちゃわちゃと慌てて前後を振り返る明命。


「……本物の明命であろうな?」


祭、弓を構えた女性、が照準を明命に合わせて問いかける。


「本物ですよぅ!」

「ならば後ろの者共は何じゃ!?こんな所に居るはずのない翠、一刀の紛い物に、見知らぬ娘たち…怪しむなという方が無理な相談じゃろう」

「あぅあぅ……この方たちは…話せば長くなるのですが…」

「手短にせぃ!!」


ギリッと弦を引く。

手を離せば、いつでも矢を放てる状態だ。


「え…あと、その……」


さらにテンぱる明命。


「祭、止めなさい」


そんな彼女を救う声が、祭の後ろ、洞窟の更に奥から聞こえた。


「権殿、危のうございます!出てきてはなりませぬとあれ程…」


矢を番える女性の後ろからは、赤を貴重とした服を着た風格のある女性が姿を現した。


「私は頷いた覚えは無いわよ、祭。それより早く弓を下ろして。思春も、その娘を離しなさい」

「し、しかし蓮華さま…!」

「思春」

「……はっ」


蓮華と呼ばれた女性の一喝で、詩乃の拘束が解かれる。

祭も弓を下ろし弦を緩めた。


「詩乃っ!」


詩乃に駆け寄る剣丞。


「大丈夫?怪我はない?」

「え、えぇ…大丈夫です」


詩乃を拘束していた女性は、既に蓮華を護るようにして立っている。


「おいおい。思春も祭も、いくら何でもちょっとやりすぎなんじゃないか?」


翠が抗議する。


「ふんっ」

「ごめんなさいね、翠。今の私たちの状況じゃ、警戒してもし足りないくらいなのよ。明命も、そちらの方々もごめんなさいね。お嬢ちゃん、大丈夫だった?」

「おじょっ…」


蓮華に目線を合わせられ、あらぬ言葉をかけられ、拘束されたとき以上の衝撃を受ける詩乃。


「さて、それじゃ明命」

「は、はいっ!」

「話せば長くなる話をしてちょうだい。快適とは言えないけれど、中には陣も張ってあるわ。皆さんも、どうぞ」


蓮華、孫権その人に促され、剣丞一行は洞窟内へと入っていった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ