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恋姫OROCHI(仮)  作者: DTK
45/107

弐章・参ノ弐 ~二人の主人公~

どうも、DTKです。

お目に留めて頂き、またご愛読頂き、ありがとうございますm(_ _)m

恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、45本目です。


一刀と剣丞、恋姫の主人公がようやくの本格的な対面です!

男二人しか出てきません!

初の椿事ですw

オリジナル設定があったりメタかったりしますが、そのあたりはネタとしてお楽しみ頂ければと思います^^


※Tinamiで投稿したのは2015年です。


なお、実際の地形や距離とは異なった表現があります。

その辺、お含み置き頂ければと思いますm(_ _)m




「それじゃあ…乾杯」

「…乾杯」


チンという杯がぶつかる音が響き、俺は中身を軽くあおる。

東屋の卓の上には、色とりどりの月謹製料理と飲み物が並んでいる。

最早これがお祝いの席なのではないか、という気さえする豪華さだ。


「ふぅ……」


顔を正面に戻すと、


「「あ」」


向かいの剣丞くんと目が合った。


「「…………」」


どちらからともなく視線を逸らす。

気まずい。

だけど、この何とも言えない気まずさを何とかしなくちゃならない。

俺は突然同じ年くらいの甥が出てきて、

剣丞くんは伯父さんだった俺が同じ年くらいで現れて、

距離感が掴めてないのが原因だろう。


せっかく仲間たちが作ってくれたチャンスなんだ。

ここは『伯父』である俺がどうにかしなくちゃな。


「…剣丞」

「えっ!?」


あえて、いきなり君付けを止める。

剣丞は目をまん丸にして想像以上に驚いているけど、ここで引き下がるわけにはいかない。


「剣丞にとって、俺は伯父さんなんだろう。でも、俺はそう思わないことにしたい。今ここでは俺たちの年齢はほとんど同じだし…何より、この苦難に臨む同志だと、俺はそう思ってる」

「あ…」


今の素直な気持ちを、言葉に乗せる。


「だからこの際、敬語とかは無しにして同志……だとちょっと堅苦しいかな?そうだな…友達として、接してくれると嬉しい。まぁ、剣丞には難しいかもしれないけど…」

「いえ…あ……いや、分かった」


剣丞の纏っている空気が少し変わったのが分かり、思わず頬が緩む。


「改めて、友人として…よろしく、一刀伯父さん!」

「ちょっ!!」


まさかの言葉に、コントみたいなズッコケ方をしてしまう。


「……伯父さんはそのままなのか?」

「これはっ…その、長年のクセって言うか!翠姉ちゃんとかからも姉ちゃんはやめてくれって言われてるんだけど、やっぱ俺にとって姉ちゃんは姉ちゃんであって、伯父さんも伯父さんっていうか…いや、もちろん同志で友人なんだけど…」

「ぷ……あっはっはっは!!」


悪いとは思いながらも、剣丞の滑稽なまでの慌てっぷりに、思わず噴き出してしまった。


「な、なんだよ!笑うことないだろ!?」


顔を真っ赤にしながら反論する剣丞。

怒らせちゃったかな?

でも……


「ははっ……そうだ。それでいい」

「え?」

「やれば出来るじゃん。呼び方なんか別に呼びやすいように呼んでくれたらいいよ。…今、すごく自然だったんじゃない?それでよろしく」


俺は手を差し出す。


「あ……」


剣丞は俺の手をじっと見つめると、


「あぁ!よろしく、一刀伯父さん!」


ガッチリと握ってくれた。

ようやく真の意味で、打ち溶け合えた気がした。




――――――

――――

――




「それじゃあ…乾杯」

「…乾杯」


チンという杯がぶつかる音が響き、俺は杯に口をつける。

卓上には、月姉ちゃんお手製の料理が所狭しと並んでいる。

俺が小さい頃、屋敷の庭でパーティーしたときに出てきた料理とほとんど一緒だ。

もっとも、あの時は流琉姉ちゃんや璃々姉ちゃんの料理もあったけど…

そんなことを考えながら、正面に座る人を見る。


一刀伯父さん。

両親を亡くした俺たちを引き取ってくれた恩人。

姉ちゃんたちに頼んで、俺に様々な修行を課した人物。

そして、常にその姉ちゃんたちの中心に居た(ひと)


いま目の前にいる人は、俺の知ってる伯父さんより少し若いというだけで、ほとんどそのまま。

やっぱり少し……いや、すごく接しにくい。

未だにどう接していいのか分からない。

見知らぬ戦国時代にタイムスリップした直後の方が、よっぽど楽だった。


「ふぅ……」

「「あ」」


顔を戻した伯父さんと目が合う。

瞬間、バネ細工のように視線を逸らしてしまった。

……気まずい。

こんな状況を打破するために、せっかく姉ちゃんや仲間たちが作ってくれた機会なのに…

悔しい。

これほど自分は無力なのかと、唇を噛んだ。


「…剣丞」

「えっ!?」


――伯父さん!?

それまでの君付けではなく呼び捨てにされ、思わず昔の…と言っても少し前だけど…記憶が蘇った。

ちゃらんぽらんだったり、時には厳しい言葉もかけられたりしたけど、いま思えば、伯父さんの言葉には必ず、芯の通った優しさが籠もっていた。

そんな伯父さんと、目の前の俺と同じ年くらいの人物が、違和感なく、重なった。


「剣丞にとって、俺は伯父さんなんだろう。でも、俺はそう思わないことにしたい。今ここでは俺たちの年齢はほとんど同じだし…何より、この苦難に臨む同志だと、俺はそう思ってる」

「あ…」


俺の中では伯父さん、姉ちゃんたちのご主人様、という目でしか見れなかったけど…

……同志か。


「だからこの際、敬語とかは無しにして同志……だとちょっと堅苦しいかな?そうだな…友達として、接してくれると嬉しい。まぁ、剣丞には難しいかもしれないけど…」

「いえ…あ……いや、分かった」


友達、か。

伯父さんの仕草や言葉から優しさが滲み出ている。

それが俺の心に、ストンと落ちた。


「改めて、友人として…よろしく、一刀伯父さん!」

「ちょっ!!」


やっちまったーー!!

盛大にズッコケる伯父さんを見ながら心の中で絶叫する。

一刀、って言おうとしたのに!


「……伯父さんはそのままなのか?」


で、ですよねー!?


「これはっ…その、長年のクセって言うか!翠姉ちゃんとかからも姉ちゃんはやめてくれって言われてるんだけど、やっぱ俺にとって姉ちゃんは姉ちゃんであって、伯父さんも伯父さんっていうか…いや、もちろん同志で友人なんだけど…」

「ぷ……あっはっはっは!!」


自分でも何を言ってるか分からない言い訳を並べていると、突然伯父さんが笑い始めた。


「な、なんだよ!笑うことないだろ!?」


こっちの気も知らないで!


「ははっ……そうだ。それでいい」

「え?」

「やれば出来るじゃん。呼び方なんか別に呼びやすいように呼んでくれたらいいよ。…今、すごく自然だったんじゃない?それでよろしく」

「あ……」


自然と、本当に自然と差し出された右手。

そして、自然に溢れる満面の笑み。

……やっぱり、伯父さんには敵わないや。


「あぁ!よろしく、一刀伯父さん!」


俺はその手をガッチリと握り締めた。

久々に男友達を得た感覚だった。






――――――

――――

――




「へぇ~、そんなこともあったのか」


剣丞と打ち解けてからは、食事の美味しさも手伝い、話に花が咲いた。

俺の三国時代のこと、剣丞の戦国時代のこと。

剣丞たちを引き取った経緯はとても残念だったけど、剣丞の昔話(俺の未来話?)はとても興味深かった。


みんなと一緒に元の世界、現代の日本へ帰れたら…

時たま、それこそ夢物語のように考えていたことが、現実に起こっていた。


俺たちはある山奥の土地一帯を買い取り、そこに屋敷を建てて暮らしているらしい。

中は中華風で設えられており、それが剣丞には不思議だったようだ。

というのも、みんなのことを三国志の武将だということを教えていなかったらしい。

そりゃまぁ、言われたって信じないし、知ってどうなるものでもないと、未来の俺は考えたんだろう。


俺はまともに働いていなかったらしいが、衣食住で困ったことはなかったようだ。

剣丞が知らされていた収入源の一つは、張三姉妹の芸能活動によるものだ。

よく仕組みは分からないけど、ネットに動画をアップしたりして、メジャーデビューを勝ち取ったらしい。

俺が居た時代よりも、ネット社会は進んでいるようだ。


みなが現代に馴染めてるかと聞いたら、剣丞は違和感なく溶け込めてる、と答えた。

沙和やタンポポ、シャオなどが連れ立って都内のお洒落スポットに繰り出したり、翠たちや麗羽あたりが競馬場へ足を伸ばしたり、

果ては朱里と雛里が、夏と冬の大きなイベントでカリスマと呼ばれていたりするらしい。

ちなみに、サークル名は『臥竜鳳雛』だそうな。

隠す気があるのやらないのやら…


……いやまぁ、馴染んでるんならまったく問題はないんだけどね?




「それで、その…伯父さんは、姉ちゃんたちと、その……」

「ん?……あぁ」


聞きづらそうにする剣丞。

多分『そういう事』だろう。


「全員、俺の大切な人だよ」

「あはは…ですよねー」


乾き切った笑いを浮かべる。


「そういう剣丞は違うのか?」


仕返しとばかりに聞き返す。

剣丞にもかなりの嫁さんがいるという話だ。


「もちろん、そういう人もいるけど…全員ではないんだよね」

「あ、そうなんだ」


てっきり、全員とそういうもんだと思ってた。

俺がエロゲ脳なんだろうか?


「うん。まぁ、あと一年くらい経てば、もしかしたら……」

「一年?」

「いや、こっちの話」

「?」


何か込み入った事情でもあるのだろう。

こっちでもそろそろ革命が起こりそうだしな。


「それで、姉ちゃんたちの間に、序列みたいのってあるの?」

「序列?」


あまり良くない響きに、思わず怪訝な顔になる。


「うん。正妻とか、側室とか」

「あぁ、そういうことか」


確か前に、湖衣が小波のことを『愛妾』とかって言ってたっけ。


「うちは無いかな。社会的立場の序列ってのはもちろんあるけど、正妻側室っていうような区別はないな。戦国はやっぱあるの?」

「いや!もちろん、こっちも体裁上ってだけだけど…最初はそういうことに面食らってさ…」


一応、身分の差など無い現代日本から突然そんな世界へと飛ばされたら、誰だって困惑するだろう。

ちなみに剣丞の正室は一葉…足利義輝。

他はまだ会ったことないけど、織田信長、武田信玄、そして長尾景虎…後の上杉謙信らしい。

ほぼ戦国のオールスターだ。

側室には双葉…足利義秋、斉藤帰蝶、浅井長政、そしてお市の方。

何故か、帰蝶とお市だけは女の子のままだったらしい。

……貂蝉もそのままが良かったな。


「んまぁ俺の場合は、桃香たちには天の御使い扱いだったし、雪蓮たちには種馬扱いだったし、華琳に至っちゃ、天の知識を買われて飼われたけど、仕事できなきゃ捨てられてたんだろうなぁ…」


思えば綱渡りの人生だ。


「あーーー…一つ聞きたいんだけどさ」

「ん?なんだ?」

「伯父さんてさ、どういう経緯で姉ちゃんたちと仲良くなったの?」

「どういうって…まぁ、みんなと苦楽を共にしているうちに…って感じかな?」

「そこが疑問なんだよな。三国志の時代、なんだよね?そして桃香姉ちゃん、蓮華姉ちゃん、華琳姉ちゃんが劉備・孫権・曹操だよね。伯父さんの話を聞く限り、どの国にもいたような口ぶりだからさ」

「え?」


確かに、考えてみれば不思議だ。

桃香たちと旅をしながら、華琳に拾われ、美羽の元で雪蓮たちと面倒事をこなしてた。

三羽烏と仕事しながら、蓮華と合流して、星と再会して…


「う~~ん……よく分かんないや」


どうやら深く考えたらダメな事みたいだ。


「ただ一つ言えるのは、今は三国全員が手を携えて、一つの方向を向いてる、ってことだけかな?」

「うん…そうだね。それでいいや」


剣丞も納得してくれたようだ。


「それで……本題、だけど…」

「本題?」


なんだっけ?


「その、伯父さんは五十人以上も嫁がいて、その……夜の方って、大変じゃない?」

「………あぁ」


なんとも生々しい質問だ。

しかし、先駆者?として、適切なアドバイスをする必要がある。


「そうだな……まず何よりも大切なことは、一人ひとりに対する想いをしっかりと持つことだ」




………

……




こうして、一刀の後宮講座が始まった。


「食事や健康にも気をつけなくちゃダメだ。努めて精のつくものを摂取したり、時には華佗に針を打ってもらったり…」

「ふむふむ……」


男二人の、傍から見たら不埒極まりない語りは、夜が更けるまで続くのだった。


「剣丞は一年後に何かが訪れるのかもしれないが、いつ来るとも知れぬ革命にも気を配らなければならない!」

「スゲェ!伯父さん、あんたスゲェよ!!」




………………

…………

……





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