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恋姫OROCHI(仮)  作者: DTK
38/107

弐章・弐ノ壱ノ参 ~ころ合流~

どうも、DTKです。

恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、38本目です。


駿河編も三本目。

展開的には小休止。

前回に引き続き、オリジナル要素ありです。


なお、実際の地形や距離とは異なった表現があります。

その辺、お含みおき頂ければと思いますm(_ _)m





剣丞、雫、明命の三人はころと小夜叉と合流するため、馬で東海道を東へと進んでいた。


「あとどれくらいで着くのかなぁ?」

「合流できるのは明日になるでしょうね。確か、ころと小夜叉さんが今いるのは…」


頭の中に地図を浮かべる雫。


「…け、剣丞さん?」

「なに?どうしたの、明命姉ちゃん」


そんな雫の言葉を遮るように、明命が少々震えた声で声を発する。


「あ、あれって…なんなんでしょう?」

「あれ?」


またあれかな?非現代人特有の、視力10.0みたいなやつかな?

そんなことを思いながら視線を前方に向ける、と


「……何、あれ?」


遠近感がおかしくなるような感じ。

すごく大きいものがあるんだけど、なかなか近付いてこない。


「…雫には、何に見える?」

「馬……みたいに、見えますけど…」


確かに姿形は馬のように見えるのだが、多分、恐らく、大きさが尋常ではない。

何か世紀末的な突然変異なのだろうか?


「た、たた、大変ですよ剣丞さん!あの馬?人を食べてます!!」

「な、なんだってーーー!!!?」


目を細めるが、そこまでは見えない。

なんとなく口元に何かあるような無いような…


「って、あれが人か!?」

「ど、どどっど…どうしましょうっ!?」


雫も慌てふためく。


「何かいい策はないの!?」

「しょ、しょんなこと言われても~~!」


そうこうする間に、馬と思しき生物は見る見る近付いてくる。


「み、明命姉ちゃん、化け物退治の経験はっ!?」

「あるわけないですよー!」

「と、とりあえず、道の脇に…」


避けよう、そう言おうとした時、剣丞の目に食われている人の人相が見えた。

その刹那、剣丞は乗っていた馬を飛び降り、向かってくる馬の化け物目掛けて走り出した。


「「剣丞さま!」さん!」


危険も顧みず、馬の進路上で両手を広げる剣丞。

止められるかどうかなんて関係ない。

止めて、喰われている人物を助け出す。

それしか考えない。


何故なら…


「ころーーーー!!!」


化け物の口にいるのは、彼の大切な人だったからだ。




――

――――

――――――






「気ぼぢ悪い……」


ころは酔っていた。


襟首を咥えられたまま、百段はガンガン飛ばして走るものだから、その揺れは荒れ狂う海を行く船以上に揺れていた。


(気ぼぢ悪いよ゛ぅ……)


先程痛めた足のことなど揺れと共に何処かへと放り出され、ころの世界はただただ回っていた。

そこへ…



「ころーーーー!!!」



聞き間違えようの無い、愛する人の声がした。


「け、剣丞さまーーー!!!」


吐き気など吹き飛んだように大声が突いて出る。


『!』


剣丞、という言葉に反応したのか、百段は耳を左右に動かしながら、わずかに速度を落とす。


「下!下!」


ころの声に、百段は大きな目を足元へ転ずると、一人の人間が目に入った。

そしてゆっくりとその脚を緩める。


ギリギリ、間一髪。

左の蹄が剣丞の髪先を掠めて、止まった。






「………………」


世紀末覇王の愛馬みたいな巨大な馬が、ギリギリ、剣丞の鼻先で止まった。

目の前には馬鹿でかいくるぶし?がある。


「剣丞さまーー!!」

「はっ」


頭上からの声に意識を戻す。

上を見やると、両手をバタバタと振っている、ころの姿があった。

どうやら喰われていたわけじゃなく、服を銜えられていただけのようだ。


「降ろしてくれる~?」


ころが馬?に話しかける。

と、その声に反応したのか、ゆっくりと巨木のような首を下ろし、ころを地面へと降ろしてくれた。


「ころ!」

「剣丞さ…あ痛っ!」


立ち上がろうとした、ころが突如うずくまる。


「どうしたんだ、ころ!?」


慌てて駆け寄ると、足首を押さえている。


「見せて」


剣丞は屈みこんで、押さえているころの手を解く。


「これは…」


ころの右足首は拳大ほどに腫れ上がり、色はどす黒く変色していた。


「ころ、いったい何が…」

「「剣丞さまー!」さーん!」


後ろから雫と明命がやってくる。


「お、大きいです…」


剣丞を心配して近付いてきた二人だったが、明命は馬のその大きさに驚きを隠せない。


「雫ちゃん…?どうしてここに?」

「ころさん!食べられてたのはころさんだったんですか!?」

「いや、食べられてたわけじゃないんだけど…」

「はわっ!こっち見ました!」


場が荒れだしたので、ひとまず剣丞が収拾を図る。

明命を紹介しながら、明命に応急措置をしてもらう。

骨に異常があるかもしれないとのことだ。

その間に剣丞は自分たちの目的を話し、そして話題はころと小夜叉へ。




…………

……




「そんなことが…」


訪問先の集落で鬼に襲われ、小夜叉が百段を呼び出し、ころを逃がしてくれたらしい。

小夜叉は一人残り、鬼と戦っているようだが、危険な状況であることには違いない。


「早く、小夜叉さんを助けに行きましょう!」


雫も勇み立つ。


「あれ?」


と、明命が声をあげる。


「どうしたの?明命姉ちゃん」

「いえ、気のせいかもしれないんですけど、なんかこの百段さん、さっきよりも小さくなってるような…」

「え?」


そう言われて巨大な馬、百段を見上げる。

あまり変化はないように思えるが…

と、視線を落とす剣丞。


「あっ!」


何かに気付く。


「本当だ、少しだけど小さくなってる」


先程、間近で百段を見た剣丞。

目の前にあったくるぶしが、今は胸元にある。


「どうしてこんなことが…」

「……もしかして」


と雫が発する。


「この百段という馬は、小夜叉さんと氣の繋がりがあるのではないでしょうか?」

「あ…」


前に剣丞は、百段は瓢箪の中に入っている、と小夜叉に教えられた。

百段が小夜叉と氣などの繋がりがある、あるいは小夜叉の氣で出来ているのであれば、馬鹿でかい大きさも説明がつく。

しかし、ということは…


「小夜叉の氣がさっきよりも減ってるってことか!?」

「恐らくは…」

「急がなくちゃ!ころ、行けるか?」

「大丈夫です!」


明命に添え木を巻いてもらい、歩けないまでも多少楽にはなったようだ。


「それじゃあ、行こう!」


剣丞ところは百段に乗り、雫は元の馬に、明命は剣丞の馬と自分の馬を両方とも駆りながら、小夜叉の元へ急ぐことになった。






………………

…………

……




「――うわっ!?」


剣丞は突如、身を投げ出された。

乗っていた百段が消えてしまったのだ。


「剣丞さんっ!」


後ろを走っていた明命が自分の馬から飛び降り、剣丞ところを抱きとめる。


「っぶなかったー!ありがとう、明命姉ちゃん。ころは大丈夫か?」

「あ、はい!大丈夫です」


上手く明命が助けてくれたようだ。


「大丈夫ですか、ころ、剣丞さま!?」


雫も馬を降りて、三人に駆け寄る。


「あぁ、大丈夫だけど、これって…」


百段が消えてしまったであろう地点に視線を向ける剣丞。

走っているうちにも、どんどんと小さくなっていった百段。

小夜叉と霊的な繋がりがあると思われる百段が消えた。

ということは…


「急ごう!」


小夜叉の身が、かなり危険な状態にある可能性が高い。

剣丞たちは先程よりも急ぐのだった。




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