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恋姫OROCHI(仮)  作者: DTK
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零章・壱ノ壱 ~漢中事情~

お久しぶりです。DTKです。

恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、26本目です。


前回投稿で、1章完結(と言っても何も終わってませんが…)したので、本来なら今回から2章開始なのですが、

ここで、今まで全くスポットの当たっていない地域に光を当てたいと思います。

時系列的には序章の並び、過去改変前のお話です。


今回の漢中は、ほぼ初期段階から決まっていたのですが、このままの流れでは、ここで挟まないと相当後になってしまいそうなので、差し込みました。

もしよろしければお付き合い下さいm(_ _)m


なお、実際の地形や距離とは異なった表現があります。

その辺、お含みおき頂ければと思いますm(_ _)m




「暇だのぅ…」


桔梗は思わず一人ごちた。

目の前では鈴々と星が手合わせを行っており、それを見ながら璃々が、どっちもがんばれー、と声援を送っている。




ここは漢中、定軍山の山頂。

桔梗たちはここで陣を張っていた。

といっても、別に彼女らは戦をしているわけではない。

もともと桔梗・鈴々・星の三人は、漢中の異変調査に来ていたのだ。

ちなみに、璃々は関中へ行く母・紫苑に無理を言って付いて来たのだが、さすがに関中までは連れて行けないと、桔梗らに世話を任せていったのだ。


当初は南鄭に拠点を置き、漢中各地を調査していたのだが、異変と思しきものは確認できず、兵の間で…というか、主に鈴々を中心に欲求不満が溜まっていった。

そこで、気分転換のために定軍山で野営をしている、というわけだ。

これが意外と兵の間でも、いい気分転換になった、と評判なのだ。

一気に全軍で、というわけでなく、兵一万を五つの組に分け、二千ずつ野営の供をさせている。


鈴々などは飽きもせず、太陽の下、毎日鍛錬に勤しみ上機嫌。

星は、一人でふらりと散歩に出掛けたり、鈴々の鍛錬に付き合ったり、璃々のごっこ遊びに付き合ったりと、楽しんでいるようだ。

璃々も外で遊ぶのが好きなため、満足気。

つまり、暇をもてあましているのは桔梗だけだった。


「はぁ……」


兵もいる手前、さすがに昼酒を満喫するわけにもいかず、昼寝も一日で飽き、さりとて鈴々の鍛錬に付き合うのは骨が折れる。

練兵も定期的に行うが、それこそ毎日やるわけにもいかない。


「どうしたものか…」


桔梗があれこれと思索しているうちに、手合わせの決着が付いたらしい。


「はっはっは!いや、甘露甘露」


一本取ったのは星のようだ。


「うぅ~~…もう一回!もう一回、勝負なのだっ!!」

「いやいや、そろそろ昼餉であろう。それが終わったら考えてやらんでもないがな」


はっはっは、と高笑いを残して天幕へ去っていく星。


「勝ち逃げなのだ!!」


鈴々が地団太を踏む。


「鈴々お姉ちゃん、きげんなおして。そうだ!璃々、お水もってきてあげるね?」


てててーと、璃々も天幕へと走る。


「まったく……璃々に慰められるとは。恥ずかしいとは思わんのか、鈴々よ…」


一部始終見ていた桔梗は呆れ顔で近付く。


「だって、星ずっこいのだ!さっきも鈴々の……」




突如、




カッと世界が、




白い光に包まれた。




「これはっ!」

「な、なんなのだっ!?」


すぐ近くにいる鈴々と桔梗が、お互いの顔すら認識できない強い光で、辺りが染まる。

しばらく身構えていると徐々に光は弱まり、周りの様子が見えるようになってきた。

屋外にいた兵は、頭を抱えて丸くなったり、地面に腹ばいになったりと散々な格好をしていた。


「自分の身を守っとらんで、状況を確認せいっ!」

「「「は…はっ!」」」


蜘蛛の子を散らすように、持ち場に戻る兵たち。

入れ替わるように、天幕からは星が飛び出してきた。


「桔梗!今の光はいったい…」

「まだ分からん。だが……嫌な予感がするわい…」

「鈴々もなのだ」


三人は眉根を寄せた、同じような顔を見合わせていた。






――――――

――――

――



「点呼を取りましたが、欠員ありません!」

「陣内に異常は見受けられません!」


陣内の各所から次々と報告が上がってきたが、変わったところは何一つ見受けられなかった。


「ふむ、面妖な…」

「何にも起こってないなんておかしいのだ」

「我ら揃って、狐にでも化かされていたのではないか?」

「さすがにそれはないのだ~」


と、星が冗談を飛ばしていると、


「た!たたっ…た、大変です!!」


外の物見をしていた兵が、文字通り転がり込んできた。


「どうしたっ!?」

「な、なな…南鄭がっ!!」




………………

…………

……




「ば、馬鹿な……」

「南鄭が……」

「なくなっちゃってるのだ……」


物見の報告を受け、陣を出、東方を見下ろした三人。

そこからは、漢中が一望できるはずなのだが…


三人の目に飛び込んできたのは、木々が生い茂る見たことのない土地。

そして、そこにあるはずの南鄭の街が、姿を消していた。


「ま、まさか……」

「これが……」

「……異変、なのだ?」


愕然とする三人の頬を、いつもと変わらない風がふわりと撫でていった。






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