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恋姫OROCHI(仮)  作者: DTK
25/107

一章・肆ノ伍 ~祝杯~

DTKです。

恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、25本目です。


今回で第一章の終了という形になります。

本家(?)の無双orochi2で言えば、小田原城を解放したあたりになりますのでw


あと恋姫OROCHIの地図も作りたいなぁ…

自分で書いてて混乱してるし^^;

同縮尺の日本地図と中国地図を切り貼りするアプリとかあったら教えてくださいm(_ _)m


改めて、一章お付き合い頂き、ありがとうございました!

もしよろしければ、二章の方もよろしくお付き合いのほどよろしくお願いしますm(_ _)m




「みなさん、お疲れ様でした」


月の発句で、玉座の間ではちょっとした祝勝会が始まった。

卓には色とりどりの料理や酒などが並んでいる。

めいめいに会話の輪ができ、健闘をたたえ合ったり、世間話などに花を咲かせた。

そんな中、


「いやぁ~、結局タンポポたちの圧勝だったよね~♪」


過去で洛陽の陥落を目の当たりにしている蒲公英は、ご機嫌で飲んでいる。


「圧勝なわけあるかっ!春蘭が来てくれなかったら、どうなるか分からなかったんだぞ!?」


増長気味の従妹をたしなめる翠。

実際、春蘭の援軍がなければ、今日明日に落ちる事はなかっただろうが、攻めに転じ、決着をつけることは当分できなかっただろう。


「はぁ~…春蘭も、もうちとゆっくりしていけばえぇのになぁ…」


霞は呆れて出た溜息を、盃で飲み込んだ。




……

…………

………………




――――――

――――

――




数刻前……



「春蘭さん、お疲れ様でした」


敵部隊を追い払った春蘭、翠、蒲公英、そして霞を出迎えるため、月を中心に主要な将が西門前に並んでいた。


「おう、月か。無事だったようだな」


烈火の如く敵を攻め立てたにもかかわらず、息一つ切らしていないのは、さすが魏武の大剣・夏侯元譲といったところか。

彼女の後ろには、伝令に走った凪と夏侯惇隊の面々が控えていた。凪は少々肩で息をしている。


「お疲れ様、春蘭、凪。みんなも。中でゆっくり休んでちょうだい。ささやかだけど、宴の準備も……」

「いや、私はすぐに都へ向かう」

「「「はぁっ!!?」」」


顔色一つ変えず、事も無げにそういう春蘭に対し、その他大勢は驚愕の表情を浮かべる。


「何を言うとんのや!?もう陽ぃも落ちるで?」

「今から出なければ明日中には着かん」

「「「…………」」」


開いた口が塞がらない。


「華琳さま危急の時なのだ!私がお側に行かずして誰が行くというのかっ!?」


凪から都の様子を一通り聞いているのだろう。

魏屈指の華琳バカである春蘭。

その華琳がいる都が大軍に囲まれている、と聞いては黙ってはいられまい。

むしろ、凪の話を聞いてもなお、洛陽に援軍を寄こしてくれた事に感謝すべきなのだろう。

今の状況の都に行くなど自殺行為だが、どんな困難をもぶち壊せるだけの武力と胆力を備えていた。

ほぼ全員が、驚きや呆れを隠せなかったが、口は挟めないと諦めていた。

しかし、


「そ、それでは!…補給だけでも、していかれてはいかがでしょうか!?」

「む?」


雫は覚悟を決めたように、春蘭に提案する。


「聞けば、都は完全に包囲されているとか。物資は豊富にあるようですが、念のため、夏侯惇さまの部隊の速度が落ちない程度の糧食。あとは、道中に兵の方々が召し上がる用のおにぎりを用意していますので、よろしければ…」

「ふむ……」


春蘭がお腹に手を当て考え込む。


「確かに腹は空いているな。腹が減っては戦は出来ぬし、ありがたく頂こう。……?」


雫を見るなり、しげしげと見つめる春蘭。


「わ、私の顔に、なにか?」

「……ふむ。お前、見ない顔だな。おい、このちっこいのは朱里や雛里の仲間か?」

「ち、ちっこ……」


衝撃のあまり絶句する雫。

周りも苦笑いするしか出来ない。

と、春蘭の目が一点に留まる。


「ん?北郷。なんでお前がここにいるのだ」

「……えっ、なに?俺?」


くるっくるっ、と周りを見回す剣丞。

が、春蘭の目はまっすぐ剣丞に向けられている。


「貴様ぁ!華琳さまに与えられた任務を放棄して、洛陽くんだりで油を売っているとは何事だっ!!」


春蘭は剣丞の胸元をガバッと両手で掴むと、締めながら持ち上げる。


「ぢょっ……やめ、ぐ……ぐるじぃ……」


ギリギリと首を極められ、酸素薄まる剣丞の脳裏には、昔から伯父がよく春蘭にやられていた光景が浮かんでは消える。

幼心に、苦しくないのかな、と思ったが事後の伯父はケロッとしていて、


まぁ、春蘭だから。


と、朗らかに笑っていたのが思い出される。

さらに胸に去来するは、小さい頃、母の胸に抱かれた……


「ちょっ!春蘭さま!その方は隊長ではありません!!よく見てください!!」


凪が慌てて止めに入る。

剣丞はというと、白目を剥き、口から泡を吹き始めていた。


「む?」


凪に言われ、持っている男の浮いているつま先から頭のてっぺんまで、一通り見直す春蘭。


「何を言っている!こんな服着ている奴が他に居るものかっ!!」

「ですから!以前ご説明したように、その方は隊長の甥御さんでして…だから、同じ服を着ていてもおかしくはないんです!」

「ん~~~~?」


両手を引き寄せ、剣丞の顔をジロリと睨み付ける。


「……………………」


間。

するりと、眉間の皺が取れる。


「……誰だ、お前?」


可愛らしく小首を傾げる春蘭。

ようやく一刀ではないと気付いたようだ。


「えぇから、早う降ろしっ!!」


吊り上げられている剣丞を霞は引き摺り下ろす。


「剣丞!大丈夫か!?目ぇ覚まし!!」


パンパンッ、と小気味よく頬を張る霞。

何往復かすると、剣丞の眼にグルンと黒目が戻った。


「無事やったか、剣丞!」

「……霞姉ちゃん?うん……いや、無事って言うか、何故か首筋とほっぺがものっすごく痛いけど……

 なんか、とっても懐かしい光景を見たような気がするんだ」


穏やかな顔で剣丞が続ける。


「川遊びしてる俺に向かって、川のほとりから父さんと母さんがこっちに手を振ってて……」


あと一歩だったようだ。




…………

……




「まぁ、そんなことはさておき。凪、お前はここに残って魏領の兵を集めておけ。そして折を見て都へ進軍するのだ」

「は…はっ!」

「それまでは何があろうとも、私が華琳さまをお護りする。秋蘭やこいつらにも協力してもらい、一刻も早く来い。分かったな!」

「了解しましたっ!」

「任せたぞ。皆も、凪をよろしく頼む。では総員、駆け足!駆けあーし!!握り飯を食いながら進め~~!!」

「「「はっ!!」」」


脇に待機していた姫路衆から、握り飯と兵糧袋を受け取りながら走り去る春蘭とその配下の兵たち。

こうして、嵐のように春蘭は去っていった。






――――――

――――

――




「まぁ、あの春蘭ならとりあえず心配することはないでしょう。無事に都の中に入れると思うわ。あの数の兵なら、そこまで糧食の負担にもならないでしょうし。華琳のいい助けになるんじゃないかしら?」


俺が振った春蘭姉ちゃんの話を、詠姉ちゃんが冷静に分析してくれた。

さらっと言うけど、確か都は数十万の敵が囲んでいるはずなんだけどな…


「とにかく、春蘭姉ちゃんやみんなのおかげもあって、無事に洛陽を守りきることが出来たんだ」


胸に熱いものが去来する。

訳の分からないうちにみんなに助けられて、翠姉ちゃんたちを助け、一葉たちを救い出した。

そして、仲間や大事な人たちを助け出したとはまた違う、街を一つ救ったという充実感。

こうして少しずつ人や街を魔の手から救い出せば、間違いなく未来は変えられる。

そんな手応えを、確かに感じたんだ。だって……




「お~い、剣丞。なに一人でニヤついとんねん!こっちで酌でもしてやー?」

「剣丞さま、このお料理、とっても美味しいですよ」

「あはは~♪剣丞~、タンポポ少し酔っちゃったみたひ~~」

「剣丞ー!こっちくるの~!!」




こんなに素敵な仲間がいれば、出来ないことなんてないって、改めてそう思ったんだ。




「剣丞ー?」

「あぁ、今いくよ!」






こうして剣丞たちは洛陽を救い、大兵力を入れることの出来る拠点を手にした。

大事な人たちを、愛しき者たちを救うために、今はしばし英気を養う。

そしてここから一気に版図を広げ、意図や姿の見えぬ敵に対し、剣丞たちの反攻が始まるのであった……





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