第5話 護衛の馬車が大好物が満載のようで
甘芋ってぶっちゃけサツマイモですわ。
ちなみに茨城で栽培されているシルクスイートを創造して頂ければと。
護衛依頼の荷馬車を探しに市場へ来たルーシア。ジーマリングの街はそこそこ大きく、また交易拠点でもあるため平日の昼下がりとはいえ市場は割と賑やかだ。昼食を食べ損ねたルーシアは屋台の美味しそうな匂いに釣られそうになりつつも、一旦我慢し依頼主がいる宿を探す。そして甘芋満載の馬車が停まっている宿を見つけ、中に入る。
「ウッズさんはいる?荷馬車の護衛依頼で来た。」
フードを目深に被り、布に巻かれた身の丈を超える長物を持つちんちくりんが、宿に入るなりそう言うものだから、ロビーにいた面々はあっけにとられてしまった。
「・・・んー、と、荷馬車の護衛をしてくれる冒険者の方かね?」
おそらくウッズ父と思われる男が怪訝な表情で話しかける。中肉中背のガッチリ系、いかにも農夫といった感じだ。
「そうだけど?一緒に馬車に乗せてくれるなら護衛する。」
「いやぁ、一緒に乗るのは構わないけど・・・その・・・」
おそらくウッズ息子と思われる男か。戸惑いの表情を隠せない。こちらは父と違いひょろっとしており頼りなさげな感じだ。
「・・・実力ならあるよ。北部の山でモンスター討伐の経験がある。・・・証明は出来ないけどね。」
証明は彼女が隠してる布に巻かれた魔杖だが、これをこんな所で披露してしまったらコソコソしているのが台無しである。見せるワケにはいかない。
「・・・それに甘芋とあっちゃ黙っていられない。」
「! 嬢ちゃん、甘芋好きかね?!」
「・・・うん、大好き。」
「よし、甘芋好きに悪いヤツぁいねぇ! それに護衛もいないよりはマシだ! ホー!すぐ出るぞ!」
「えぇ、今から出たらどこかで野宿だよォ・・・」
(げ、野宿はイヤだなぁ・・・この季節の野宿絶対寒いし。)
ルーシアの表情が一瞬曇ったのをウッズ父は見逃さなかった。しかしこう切り出した。
「嬢ちゃん、野宿となったらイヤだろうが、このワシ自慢の甘芋料理を食わせてやるぞ、どうだ!?」
(むぅ、それは捨て難い・・・迷うではないか・・・)
ルーシアは脳内で甘芋と野宿を天秤にかけてみた結果、甘芋のほうに天秤が傾いた。
「・・・見張りを交代でしてくれるなら。」
「よし決まりだ!早速出よう!嬢ちゃん名前は?!」
「・・・ルーシア。よろしく。」
「改めて、ワシはハマー・ウッズ。コッチは息子のホーだ、よろしくな!」
こうして甘芋満載の荷馬車は慌ただしく出発した。
街道に出てしばらく進むと道の左手側が森になっているため、ルーシアは索敵魔法を展開する。




