第4話 ラクに移動しようと思ったら丁度護衛依頼があったようで
船に乗るには身分証が必要だったため、急遽冒険者ギルドで冒険者登録したルーシア。早速港へ向かったが・・・
「おお嬢ちゃん、遅かったじゃないか! 今日の船はもう出ちまったよ!」
先ほどの港湾職員の兄貴がそう告げた。悲壮感漂うルーシアにこう続けた。
「次の船は一週間後だな!」
(一週間か、誰か探しに来るかもしれないから、ここじゃ心穏やかに待つことはできないな・・・)
「ちょっと東のズースの港なら二日後に出る大型船があるぜ。そこまでは馬車で一日だ。航路はちょっと遠回りだが、それでも一週間待つよりは早く中央大陸に行ける。急ぐならソッチがいいぞ!」
と兄貴。
(ズースか、待てよ、さっきの冒険者ギルドの依頼掲示板にあった荷馬車の護衛が確か・・・)
そう、ズースへ向かう荷馬車の護衛依頼があったのをルーシアは覚えていた。踵を返し冒険者ギルドへ向かう。自分の足で歩くよりは、護衛ついでに馬車に乗せてもらった方がラクだし早い。
「・・・おやルーシアさん、どうしました?忘れ物ですか?」
ギルド職員の男は驚きつつも優しく声を掛ける。ルーシアは職員に目礼だけして真っすぐ掲示板に向かった。
(・・・あった、やっぱり。依頼ついでにズースまで行けるかも。)
依頼書を掲示板から引っぺがし、受付へ持って行く。
「これ、受ける。」
『依頼ランクD 荷馬車の護衛依頼 荷物は農作物 ズースまでの間、護衛要す』
この国は割と平和だが、海沿いとなるとどこからか流れ着いたならず者が賊になることも少なくない。それに農作物はこれから冬眠に入る獣に狙われるリスクもある。先ほどジーマリングを出た船では農作物を運ぶことが出来ず、次の船は港湾兄貴が先ほど言っていた一週間後の船とのことで、それまで待てないからズースまで行き大型船に載せたいということらしい。
Eランクの冒険者なら、一つ上のDランクの依頼まで受けられるし依頼達成すれば報酬も得られるから、これはルーシアにとって渡りに船である。
「早速受けてくれるのか、助かるよ。受注者がいなけりゃ、他国で高く売れる甘芋もこの国で安く消費されるだけだからね。」
(・・・甘芋?!)
フードの奥で眼光が鋭く煌めく。そう、ルーシアは甘芋が好物なのだ。その護衛依頼となれば喜んで引き受けるしかない。
「でも大丈夫かね?初仕事が護衛だなんて。」
「・・・問題ない。北部の山でモンスター相手の戦闘経験はある。」
「そうか、北部の山のモンスターは強いと聞くから大丈夫か。依頼主は市場近くの宿に泊まっているウッズさん親子二人だ。行ってみてくれ。」
ルーシアは早速市場へ向かった。




