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第27話 助けたお礼は渡りに船だったようで

山賊どもを制圧したところで、乗合馬車の御者や乗客らに礼を言われるルーシア。そして人質に取られかけた若い女もルーシアの手を取り礼を言う。

 

 「あ、危ないところをありがとうございました!是非お礼を!」


 年の頃は二十歳前後の茶色のショートカットの髪が印象的なヒューマン。礼とか何をしてくれるのか分からないが、ルーシアとしては面倒臭いので


 「・・・礼とか別にいい。移動できないとあたしも困るから賊を退治しただけだし。」


 と言い断ると、

 

 「それなら、私、シーズヒル王国のイワーデンという街の食堂で働いているので、機会があれば是非寄ってください!サービスしますよ!私、ティアノンっていいます。」


 といい、お店のメモを渡してきた。


 「・・・覚えていたら寄らせてもらおうかな。行く当てのない旅だしね。」


 行く当てのない旅と聞いて、初老の男が声を掛けてきた。浅黒く、白髪交じりの頭髪が年齢を感じさせる。服装からも南の方の人間を思わせる風貌だ。


 「ワシからも礼を言わせてもらう。ありがとう。ワシもシーズヒル王国の者でな。デーフックという漁村の村長でギリアスという。魔法使いさん、これからどちらへ?」


 「・・・あたしはルーシア。南のほうに移住先を探して旅をしている。だから、特には決めていない。」


 「だったらルーシアさん、是非デーフックへ寄ってもらえないか。礼をしたいし、移住先にワシらの村を選んでくれるなら、その世話もしよう。」


 その辺の土地勘が全くないルーシアには有難い申し出である。何も伝手が無いよりは、せっかく繋がった縁なので乗ることにした。


 伸されてしまった護衛の冒険者は二人とも生きてはいたものの、怪我の程度が酷いので、応急手当をしそのまま馬車に乗せて行くことにした。山賊共は生死不明なので縄で縛って街道の端の方に捨て置いた。

 馬車の御者は緊急依頼ということでルーシアを護衛に雇い、再出発した。


 

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